漫画のススメ presented by HANAKO -3ページ目

不幸な子供 / エドワード・ゴーリー



著者: エドワード ゴーリー, Edward Gorey, 柴田 元幸
タイトル: 不幸な子供

絵本です。エドワード・ゴーリーとであったのは近所の図書館でした。ペン描きの絵と、シュールな内容。不思議な魅力にハマったのですが、中でもお気に入りなこの「不幸な子供」。どうかなーと友人に見せたところ4人中4人の反応が極めてビミョー。女の子は「この本嫌い」(笑)男の子は「外国の絵本ってこんな感じに報われないよね」。ほんとに不幸なんだ。ラストの1ページまで。私はこのラストに落ちました、恋に。可哀想とかそういう感想じゃなくて、はーっ、すごい。と、なんとなく昂揚感というか気持ちいい退廃感。日本語訳もゴーリーの気品を損なってないのがすごいです。2分もあれば読めるし図書館にあると思うので、ぜひ。
他にも
ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで
優雅に叱責する自転車
敬虔な幼子
雑多なアルファベット
うろんな客
華々しき鼻血
まったき動物園
などなど。
『華々しき鼻血』とか読みたくなったでしょ。たんたんと進んでくんだけど、鼻血を出しているのは1ページだけだったりする。日本語版はあとがきまで読むことをおすすめします。日本人によるゴーリー解釈がついてます。

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ストーリー(Amazonより)

ある日、軍人の父親にアフリカ行きの命令がきた。それが、主人公シャーロットの不幸のはじまりだ。以来、父の戦死、落胆してたちまちやつれ死ぬ母、ただ1人頼みの叔父は、こともあろうにレンガの落下で脳天を割られ、あっという間に孤児になるシャーロット。寄宿学校へ入れられるが、そこでもいじめられて脱走、悪人の中へ。ところが、死んだと思われていた父が生還。あろうことかそれがさらなる不幸のきっかけになろうとは…。

火の鳥 / 手塚治虫

明けましておめでとうございます。今は年賀状もメール主体だったりして便利だけどちょっと切ないなぁ。やっぱり手書きでしょ。初詣はひっそり月にお参りしました。というのも、地元の神社でアルバイトをしてから元旦には行き辛くて。。3がにち過ぎてからおみくじひいてこようかな。

酉年つながりで、火の鳥について。手当たり次第の本棚さんで火の鳥について書かれていたのでトラックバック。
言われてみると伝説の不死鳥の話って結構いろんなとこにありますねー。ハリーポッター2でもちらりと出てきてた。

鳥ってそれじたいが空を飛ぶし、昔の人にとって不思議な存在だったのかも。「鳥居」なんてあるじゃないですか。鳥居はそのまま鳥の居るとこなんですけど、この場合は鶏。鶏が鳴いて、太陽を連れてくる。そこから先は神に繋がる神聖な場所なんですね。
で、鳥居の形は鳥の止まり木から来てるらしいのですが、私はものごっつでかい不死鳥が止まるための止まり木だと思ってました。なんか空から連れてきそうじゃないですか?そんな文献は無いんですけど…。

火の鳥に話を戻しますと。
「不死」ってなんだかなぁ。
手塚治虫の話で、火の鳥シリーズにもあるけどよく輪廻転生が行われている。その中でこの「火の鳥」の「鳥」だけは不死で、登場人物というよりは出来事を見守っている存在。そう、なんか見守ってるんですよ。太陽みたいに。それで火の鳥なのかしら。彼女は死にたくならないのかしら?「もう疲れました。しばらく眠ります」って。太陽が眠ったらとりあえず生き物はほぼ死ぬ。もしかしたら火の鳥の寿命は太陽と同じくらいで、ものすごく長いだけで。その間生き物の母のような存在で、地球を見守ってるように思えたりして。

DEATH NOTE / 大場 つぐみ, 小畑 健



著者: 大場 つぐみ, 小畑 健
タイトル: DEATH NOTE (1)

名前を書くだけで人を殺せる死神のノートがある。警察官の息子「夜神 月」(やがみ ライト)はノートを手にし「キラ」として凶悪犯を独自の基準で裁いていく。一方、連続殺人犯キラを追うのは名探偵「L」二人の青年の心理戦がはじまった。

ジャンプで連載中のデスノート。ミステリー小説を見てるみたいで面白いんです。心理戦、心理戦。死神?ファンタジー?と思っちゃいけない。現実的な世界の中に不思議なルールが入り込んだ感じです。この漫画の変わってるところは、主人公が一見悪役なところ。死神として人を殺していく。ただの人殺しではなく、殺す理由があったりその方法も巧妙。そしてそれを追う探偵L。序盤はライト側の意向もエル側の意向も読んでる側からはわかるのですが、次がどうなるのかまったくわからない。現在4巻まで出ていますが面白いことになってます。

なおこちらの記事によりますと『ワンピース』『NARUTO』にも勝るとも劣らない売れ行きを誇っているそうです。リンク先様のレビューもわかりやすいのでおすすめ!

絵は綺麗な絵で有名ですね、『ヒカルの碁』の絵を描いていた小畑健さん。で、もう1人、原作者「大場つぐみ」は『とってもラッキーマン』の作者「ガモウひろし」ではないかという噂があります。

*登場人物のネーミングにまたいろいろ意味が絡められてそうなんです。
ライト   Right(右、正義), Light(光)
リューク  ギリシャ語で光
レム    ギリシャ語で光
レイ・ペンバー Ray(英語で光)
さゆ    左右
ミサ    右左
L     Left? Light?
キラ    Killer

ピアノの森 the perfect world of kai / 一色まこと




著者: 一色 まこと
タイトル: ピアノの森―The perfect world of Kai (1)

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アッパーズで連載中の作品です。現在9巻まで出ています。
有名なピアニストを父にもつ「雨宮修平」が田舎に転校してくる。ガキ大将に、娼婦街の森の中にあるお化けピアノをひいてこいと命令される。そのピアノは壊れていて音が出ない。天真爛漫な少年「海」は「雨宮」を助ける。「海」は、壊れて音の出ないお化けピアノを独学で優雅に弾く。
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マンガを読んでいて、音が聞きたくなります。幼い頃からピアノの英才教育を受けてきた「雨宮」と、楽しんで弾いてきた「海」。技術と表現力と、努力と、、。
主キャラクターの小学生二人が可愛くて。絵も可愛いのですが、キャラクターが可愛いです。加えてまだ連載中ですが、いい話。ちょっと1巻から読んでみるとわかるよ。

SLAM DUNK / 井上 雄彦



著者: 井上 雄彦
タイトル: SLAM DUNK 完全版セット 24巻

年末ですので今年を代表するような漫画をおすすめしようと思ったのですが。スラムダンクです。セーラームーンと同時期にアニメにもなりましたし、説明するまでもなく超有名バスケマンガ。どうして今年を代表するかってーと、私が今年になってマンガのスラムダンクを読んだからです。

ストーリーはなんとなく知っていたし、いいやと思ってたんですよ。そう思って読んでない私のような方がもしも、もしもいたら。強く読むことをおすすめします。

小学生のときに読んでいたらHANAKOは絶対バスケ部に入りました。

「最初の1巻と最後の1巻だけ読んだよ。十分。」と言い切った友人がいまして、まぁそれも一理あるんだけれど長いですがぜひ全巻を。止まらないはず。

このマンガ、最終巻でセリフがなくなるんです。
絵だけ。コマだけ。震えちゃいますよ。感動で。

手塚治虫

これ読みました。

笑いました。ぜひ読んでみてください。
編集者さんのナマ手塚治虫さんエピソード。
たとえば
●新しく手塚番になる編集者には、編集長から「常にパスポートと数十万の現金を用意しておけ」と言われたという。先生がふっとトイレに行くふりをして、海外まで逃げることがあったからである。

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10年ほど前に手塚さんの漫画を描くところをテレビで見ました。描くのめちゃめちゃ速いの。で、何かのあとがきに、手塚治虫は打ち合わせのときに既に完結した長編ストーリーをいくつも語りだすって書いてあって。

ストーリーが先にある漫画家さんなのかもしれないと思った。伝えたいメッセージが先にあって、それに漫画がついてきた感じ。

漫画家になる人は、絵を描くのが好きで、それに話がついてきた人もいるんじゃないかしら。先人の漫画がたくさんあるからなおさら。

で。
とあるブログの中で要約すると「昔の漫画家は先人がいなかったから全て自分から作り出すしかなかった。作品の深さが違ってあたりまえ、今の漫画に比べて」という記述を見て。

それは違うと思うんだな。クリエイティブな業界において先人が居るって結構辛いよ。掘り下げるのと、新たに造りだすことというのは別物。既に完成されてる先人の仕事の影響を嫌が応にも受けて、どれだけ自分の味を作り出せるか。先人がいるってほんと辛い。モノが溢れてある程度水準のととのってしまった現代に、すばらしい作品が既に残されてる現代に。今もめまぐるしく作り続けられてる状況で何万人と後続は苦悩して頑張ってる。

ブラックジャック / 手塚治虫

前回記事で手塚治虫の漫画に触れたのですがブラックジャックだけ別枠で。
有名すぎる本なので今更説明はいらないと思いますが、医者物の短編集です。著者は医師免許を持ってます。

ブラックジャック(本名はざま黒男)黒はブラック男はジャック。

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この漫画でBJは助けられない命をも助けようと手を尽くす。
ドクターキリコは助けられない命はラクにさせてあげようと安楽死させる。
それからBJの恩師、本間丈太郎の言葉
「人間が生き物の生き死にを自由にしようなんておこがましいとは思わんかね…」

もう1つ、お金の価値について思ったこと。
BJは法外な額の治療費をとります。お金のないところからはそれ相応の小さい額を、取れるところからはたっぷりと。彼にとって

とここまで書いて、文章にするのが馬鹿らしくなりました。せっかく漫画で描いて伝えようとしてくれているのに、なんだか不躾な気がして説明は最小限で失礼します。上手いぐあいに文章にできなかったのもあるんですが。

読んでください。ぜひ。1話16Pくらいの短編集ですし。

アポロの歌 / 手塚治虫



著者: 手塚 治虫
タイトル: アポロの歌 (1)

親の影響で、幼少期は手塚治虫を読んで育ちました。
もちろん有名な「ブラックジャック」「火の鳥シリーズ」「ブッダ」などなどメジャーなものから挙げていけばキリがないのですが、親からまずこれから読んでみてと渡されたのがこの「アポロの歌」です。次が「ブッダ」。

歪んだ愛の価値観を持ってしまった少年が、精神病院で催眠療法を受けるところから話が始まります。主人公は治療の中で何度も別の人格で、何度も同じ人を愛するのですが…。

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著者からの内容紹介
神は、近石昭吾に、永遠に解き放されない運命をあたえた──死んで、再び生まれ変わろうとも、ひとりの女を愛し、結ばれぬ恋をするであろう──と……!さまざまな愛の形をえがき、その真実を追求する異色作!!
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「ブッダ」の宗教観もかなり入っていると思います。
で、愛。むくわれないんですよ。でも、どんどん転生していくんです。

転生で言うと、「火の鳥」もそうですよね。

手塚治虫さんの魂についての考え方をわかりやすいのが「ブッダ」で、とくに愛について掘り下げたのがこの「アポロの歌」な気がします。で、それに絡めて「火の鳥」でオムニバス。

膨大な種類の漫画を描かれていますが、読んだことのない方はこのへんから読んでみては。「アポロの歌」は、うちにはハードカバー1冊で完結してるので長さも丁度いいんじゃないかな。

今思うとどうして子供の私に勧めたのかわかる気がします。

かってにその後も親の漫画を読み続けたのですが、同じく手塚治虫のアラバスター (1)を読んだことを知られた夜に「これは話が暗いから」と本を隠されました。つのだじろう著の真夜中のラブレター 上 エメラルドコミックスシリーズもごっそりと。刺激が強いと思ったんだろうなぁ。でも隠されると逆になんとしてでも読むのが子供ってもんです。

手塚さんの漫画をたくさん読んでいる人ほど読んでいるわけではないのですが、心を持った機械の話、動物と人の話、人間以外の話の短編が多い気がします。人と生き物と、やっぱり命と心と魂についてのテーマかな。

個人的に好きな手塚治虫さんの漫画はミクロイドS (1)文庫サイズ3巻で完結です。虫サイズのお話。

関係ないですけど、ブラックジャックはかなりいい男。ピノコが惚れるのわかる!

BASARA /田村 由美

全27巻

著者: 田村 由美
タイトル: BASARA(1)



著者: 田村由美
タイトル: BASARA [少女向け:コミックセット]

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ストーリー

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有名ですよね。古本屋などの少女漫画コーナーに行くと目立って置いてあります。表紙がカラフルなので目立つんです。
巻数が多いので読むのはちょっと…と思ってました。

が、全巻大人買いしてみました。
この漫画は1巻から読まなければ話が見えません。
読み出すと止まらず続きが気になる話です。

ところどころ少女漫画な展開だったりするのですが
勢いのある漫画で読み応えあります。絵はどっしり描き込み系。

田村由美さんは国作り再構築系の漫画が多い、のかしら。
現在連載中の7SEEDS(セブンシーズ)も面白いんです。

追加12/28:読み終わった方への余談ネタバレ注意↓反転してください。
ナギは、蒼の王として、聡明だったために殺され川に落ちた王の子供だそうです。どこかで作者さんが書いていました、ソースは忘れてしまったのですが。。浅葱としては兄にあたるのでしょうか(でも浅葱も拾われてきた子供?としたら違いますよね)兄弟だと思って読むとまた二人の関わり方の印象が少し変わりますよ。

蟲師




著者: 漆原 友紀
タイトル: 蟲師 (2) アフタヌーンKC (284)

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ストーリー

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最近の一押し。アフタヌーンKCで連載中。
現在7巻が出たばかりで、私は3巻までしかまだ読んでいないのですが、良いです。ナウシカの世界に近い気がする。主人公はどこか手塚治虫のブラックジャックに似てる気がします。
冷ややかに話は進むんですが、それが読んでて心地良い。
蟲と、蟲と関わる人、それから蟲師。
最近の一押し。