アポロの歌 / 手塚治虫 | 漫画のススメ presented by HANAKO

アポロの歌 / 手塚治虫



著者: 手塚 治虫
タイトル: アポロの歌 (1)

親の影響で、幼少期は手塚治虫を読んで育ちました。
もちろん有名な「ブラックジャック」「火の鳥シリーズ」「ブッダ」などなどメジャーなものから挙げていけばキリがないのですが、親からまずこれから読んでみてと渡されたのがこの「アポロの歌」です。次が「ブッダ」。

歪んだ愛の価値観を持ってしまった少年が、精神病院で催眠療法を受けるところから話が始まります。主人公は治療の中で何度も別の人格で、何度も同じ人を愛するのですが…。

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著者からの内容紹介
神は、近石昭吾に、永遠に解き放されない運命をあたえた──死んで、再び生まれ変わろうとも、ひとりの女を愛し、結ばれぬ恋をするであろう──と……!さまざまな愛の形をえがき、その真実を追求する異色作!!
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「ブッダ」の宗教観もかなり入っていると思います。
で、愛。むくわれないんですよ。でも、どんどん転生していくんです。

転生で言うと、「火の鳥」もそうですよね。

手塚治虫さんの魂についての考え方をわかりやすいのが「ブッダ」で、とくに愛について掘り下げたのがこの「アポロの歌」な気がします。で、それに絡めて「火の鳥」でオムニバス。

膨大な種類の漫画を描かれていますが、読んだことのない方はこのへんから読んでみては。「アポロの歌」は、うちにはハードカバー1冊で完結してるので長さも丁度いいんじゃないかな。

今思うとどうして子供の私に勧めたのかわかる気がします。

かってにその後も親の漫画を読み続けたのですが、同じく手塚治虫のアラバスター (1)を読んだことを知られた夜に「これは話が暗いから」と本を隠されました。つのだじろう著の真夜中のラブレター 上 エメラルドコミックスシリーズもごっそりと。刺激が強いと思ったんだろうなぁ。でも隠されると逆になんとしてでも読むのが子供ってもんです。

手塚さんの漫画をたくさん読んでいる人ほど読んでいるわけではないのですが、心を持った機械の話、動物と人の話、人間以外の話の短編が多い気がします。人と生き物と、やっぱり命と心と魂についてのテーマかな。

個人的に好きな手塚治虫さんの漫画はミクロイドS (1)文庫サイズ3巻で完結です。虫サイズのお話。

関係ないですけど、ブラックジャックはかなりいい男。ピノコが惚れるのわかる!