不幸な子供 / エドワード・ゴーリー

著者: エドワード ゴーリー, Edward Gorey, 柴田 元幸
タイトル: 不幸な子供
絵本です。エドワード・ゴーリーとであったのは近所の図書館でした。ペン描きの絵と、シュールな内容。不思議な魅力にハマったのですが、中でもお気に入りなこの「不幸な子供」。どうかなーと友人に見せたところ4人中4人の反応が極めてビミョー。女の子は「この本嫌い」(笑)男の子は「外国の絵本ってこんな感じに報われないよね」。ほんとに不幸なんだ。ラストの1ページまで。私はこのラストに落ちました、恋に。可哀想とかそういう感想じゃなくて、はーっ、すごい。と、なんとなく昂揚感というか気持ちいい退廃感。日本語訳もゴーリーの気品を損なってないのがすごいです。2分もあれば読めるし図書館にあると思うので、ぜひ。
他にも
ギャシュリークラムのちびっ子たち―または遠出のあとで
優雅に叱責する自転車
敬虔な幼子
雑多なアルファベット
うろんな客
華々しき鼻血
まったき動物園
などなど。
『華々しき鼻血』とか読みたくなったでしょ。たんたんと進んでくんだけど、鼻血を出しているのは1ページだけだったりする。日本語版はあとがきまで読むことをおすすめします。日本人によるゴーリー解釈がついてます。
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ストーリー(Amazonより)
ある日、軍人の父親にアフリカ行きの命令がきた。それが、主人公シャーロットの不幸のはじまりだ。以来、父の戦死、落胆してたちまちやつれ死ぬ母、ただ1人頼みの叔父は、こともあろうにレンガの落下で脳天を割られ、あっという間に孤児になるシャーロット。寄宿学校へ入れられるが、そこでもいじめられて脱走、悪人の中へ。ところが、死んだと思われていた父が生還。あろうことかそれがさらなる不幸のきっかけになろうとは…。