神様を信じる強さを僕に
不妊治療とは直接関係ない話ですが、小沢健二のファーストアルバム「犬は吠えるがキャラバンは進む」の再発盤が発売になりました〜。93年の発売から28年(!)も経っているなんて。。。自分がアラフォーなことを考えれば、まあそうだよね、という話ではあるのですがでもやっぱ数字が大きくてビビります😂この7曲目「天使たちのシーン」、不妊治療の過程では、毎日これだけをひたすら聴き続けていた時期がありました。この曲では、ささやかな日常の中にある美しさが物語のように綴られています。『海岸を歩く人たちが砂に遠く長く足跡をつけてゆく過ぎて行く夏を洗い流す雨が降るまでの短すぎる瞬間』『真珠色の雲が散らばってる空に誰か放した風船が飛んでゆくよ駅に立つ僕や人混みの中何人か見上げては行方を気にしている』『金色の穂をつけた枯れゆく草が風の中で吹き飛ばされるのを待ってる』『生命の熱をまっすぐに放つように雪を払いはね上がる枝を見る』でも同時に、生と死がイメージされたこの曲。そういう日々の美しさを重ねつつ、人は死に向かっているのだ、そんなことを考えさせられる曲だったりします。早発閉経を診断された頃は、世界から色が失われたように日常にある美しさや楽しさを感じることが全くできなくなっていました。毎日毎日、起きて会社行って仕事をして帰って寝て。その繰り返しの先に死があるのだとしたら、何のために生きているのだろう。過程を楽しめず、この世に何も残すことができないのだとしたら、生きる意味ってなんなんだろうか。そんな考えに囚われつつあった私には、曲の終盤に出てくるこの歌詞が救いでした。『神様を信じる強さを僕に 生きることをあきらめてしまわぬように』ひたすらこの曲を聴き続け、いつかまた、日常のふとしたことに幸せを感じる日が戻るはず、と『信じる強さ』をもらおうとしていました。辛い時期を乗り越える力をくれた「天使たちのシーン」。今回の再発盤には95年武道館ライブの音源もついてくるのでとっても楽しみです(まだCD入手してない💦)