Colly's Camp -7ページ目

つながるという事〜2014年元旦

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皆さん、明けましておめでとうございます。一つでも多くの笑顔をもって健やかに過ごせる一年になりますよう、心よりお祈り申し上げます。

昨年強く思ったのはアナログは大切だと言う事です。
デジタルは便利ですが、やはり物事はバランスです。
見て、聞いて、空気に触れる事が最後の味を決めます。
料理で言えば塩加減とでも言いましょうか?スパイスとでも言いましょうか?

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昨年の暮れにお会いした世界的にも有名な舞踊のお師匠さんが興味深い事を仰られていました。
「例えば歌舞伎の世界では、踊りの型というものはそれこそ稽古場で繰り返し練習する事で覚えられます。そういう意味では今の若い方は器用で踊りも上手です。でもその踊りに心をもっていかれるか…というとそうでもない。彼らは踊りの型は完璧ですが、その一つ一つの所作の裏にある季節感が表現できていない。それは都会の地下にある稽古場では習得できないものなんです。四季豊かな場所で、四季の良さ、厳しさを体感した上でないと人を感動させる舞はできないんです」

また同じく昨年の暮れにお会いした「なめこ」生産者の方も似たような事を言われていました。
「今のなめこやキノコ生産の主流は完全機械化で、湿度、温度を機械が管理して、人間は事務所内で液晶モニターに示されるデータをもとに収量をコントロールすれば良いのですが、うちはあえてそれをしない。もちろん、データ化は重要な事ですが、やはり栽培室に我々人間が入ってキノコと話をする…つまりは、肌感で湿度や温度を感じて目視で成長具合を見る事が重要だと思っているのです。その体感を得た上で、データを見て、「あ、やっぱりそうやったな…」と確認する。そうする事で普通のキノコではなくて、人をあっと言わせる美味いキノコが出来ると思うんです」

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世の中にはデータ化、マニュアル化できない事がたくさんあります。
それをどうやってシステムの中に組み込んでいくか…

人を感動させるデータ化できない事…相手を思い遣る心…こそが「おもてなし」だと前述の舞踊家さんに教えられました。これは僕にとってとても重要な気づきでした。気づいてとてもすっきりしたのを覚えています。

その後に母親から聞いた千利休の「四規七則」に話にすっぽりと当てはまる気づきでもありました。

…と…そんな風に生きていけたら良いな…と年の初めに思うのであります。



さて、今年の年賀状は半分デジタル、半分アナログで作ってみました。
手彫りの消しゴムはんこを作り二版構成です。ベースの字をプリントアウトしたはがきに、まずは富士山を押して、乾いたら太陽を押します。
富士山のすそ野を歩くのは二頭の馬と一頭のビーグル。家族の健康と繁栄を祈りつつ、この一年間お世話になった方へのお礼を込めてはんこを押していきます。

乾かすように一面に並ぶはがきに、多くの方々に支えられている事を実感できる貴重な儀式です。

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これも大きな気づきでした。
つながっている事を実感できる事、どういう風につながっているのかをわかる事という事は、新たなつながりをもてるって事です。

…というわけで、今年も多くの方々とつながっていけたら良いなと思います。と同時に、一番身近にいる家族や集落や町とのつながりも深いものにしていきたいものです。


本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

コリーでした。



iPhoneからの投稿

2013年の一枚。

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2013年は年始から突っ走って、仕事に追いかけられて最後まで走り続けた一年でした。

突っ走ったなりの成果はありましたが、僕の求めている成果が出るにはまだもう少し時間がかかります。それがわかっているだけでもアドバンテージですが、一歩一歩正確な仕事とあくなき種まきだけが成果を近づける事を実感した一年でもありました。

一生懸命やるだけでは成果は出ません。しっかりとしたプランニングと明確な着地マップをイメージ出来ていないと、何も伝わらないし進みません。これは企画の仕事だけでなく、有機栽培のまんてんほうれん草事業においても同じ事がいえます。土壌と有機栽培のメカニズムをしっかりと理解し、野菜の生育をイメージ出来ないと、知らず知らずの内にずいぶんと遠回りしてしまうことになります。

そういう意味では、伝えるという事の重要性を噛み締めた一年と言っても良いでしょう。

そんなスピード感ある日々に一息入れてくれたのが、奥さんとチュル、家族、そしてコーヒーと料理、ワインでした。

特にワインは人生の中でいちばん飲んだんじゃないかな…難しい事はわからないけれど、確実に幸せな気分にしてくれました。

そして…そんな一年に撮ったiPhoneの写真約3500枚の中から選んだ写真は、冒頭の西穂高登山の一枚です。

一年の写真を見返している時に目が止まってそこから動きませんでした。

10月の三連休の中日で驚く程の晴天。空気の匂いや抜けるような青空、心臓の鼓動、全てをリアルに思い出す事ができます。独標を登りきった爽快感。

あの時間があったから、今日をむかえられているんだ…と思うのです。

…というわけで、2013年の一枚が決定いたしました。誘ってくれた仲間にはただただ感謝の一言です。

ありがとう。

…こんな具合に進んできた2013年でしたが、このブログをご覧いただいている皆様方には、今年の更新の少なさを充実していた一年であったと感じていただければ幸いです。

毎年このとりとめのないブログにお付き合いいただきまして本当にありがとうございます。

来年もまたよろしくお願いいたします。

今年もあとわずかではございますが、皆様楽しく良いお年をお迎え下さいね。




iPhoneからの投稿

食について考えてみた。

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慌ただしい11月が始まって、そのまま駆け抜けれると思ったら、未だ慌ただしさの中に埋もれながら12月を迎えた。こんな慌ただしい時に限って、面白い話がいっぱいくるから、涙がこぼれないように上を向きながら笑顔でウェルカムすると…しんどさの中に沢山の学びを見つけられたりする。

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「まんてんほうれん草を使ったメニューを作り、東京と飛騨高山とをつなげたい…」というお話を頂いたのは10月初めの事。途中イレギュラーがありながら、最終的には「まんてんほうれん草」「まんてん農場のジャガイモ」「栗下さんの飛騨ネギ」「飛騨産菌床しいたけ」を使った蒸し料理が完成し、レストランの傍らの小さなマルシェにはそれらの野菜が盛られていた。

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日本橋にある「Rensa」は、安心・安全・美味しい料理を求める女性を中心としたお客様で賑わうレストラン。今年からご縁を頂いているが、野菜を出荷したのは今回が初めて。
せっかくの機会だから、農家が報われる瞬間を体感してもらおうと今年から農場の管理を任せているスタッフを連れてイベント初日の店舗を訪れた。

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自分の農場の名前が載るメニューに心躍りながら、料理を待つ。
その間にまんてん農場の野菜を使った料理を美味しそうに食べるお客さんをひっそりと見る。
笑顔の会話の中に「美味しい」が何度も聞こえる。
会計にレジへ立つお客さんはマルシェで「まんてんほうれん草」「ジャガイモ」「飛騨ネギ」をつかみ、会計をすませる。

「あの方達が作った野菜なんですよ」なんてアナウンスがレジであったのかも知れない。
こちらと目が合うと会釈をする。ありがとうございます…。

料理は豚肉とまんてんほうれん草、飛騨ネギ、ジャガイモ、椎茸、人参を蒸したものを、まんてんほうれん草で作ったディップにつけて食べる、素材の味を120%生かした、なんのごまかしもきかない料理。

これがまた美味い。生産者がビックリするほどにすべての野菜が甘くコクがある。
素材のポテンシャルを120%引き出すのがプロの料理人。僕らがバトンを渡した相手は間違っていなかった。考えうる最高の形で逆輸入のように僕らの舌を楽しませてくれた。

農家が報われる瞬間だった。

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そんな出来事は続くもので、代々木上原にあるお気に入りのイタリアン「concert」でもランチメニューにまんてんほうれん草を使ったメニューが限定で登場。
食べる事が叶わなかったけれど、ここのオーナーシェフの手にかかれば「まんてんほうれん草」自身が報われる事は容易に想像できた。

食っていうのはこういうリレーがあってこそ成り立つもんだ…
人の手を介すほどに美味くなっていく。

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出張から飛騨に戻ると、今度は地元のイベントで100人前の五平餅とキノコ汁を振る舞った。
企画部スタッフが仕事の合間に仕込んでくれた五平餅とキノコ汁には思いがたくさん詰まっていた。
今回のイベントの会場は国の重要文化財でもある日下部民芸館。
企画の段階で、この場所にあった最高の食を考えた。
飛騨の暮らしを表す古民家の中にふさわしい食とは…

その答えが飛騨に伝わる「あぶらえダレ」の五平餅とキノコ汁だった。
そこにはさらに思いが乗っかり、僕の出張中にキノコ汁はかなりパワーアップする事になった。
田舎っぽさを出すのには牛蒡の香りが必要だと、前日に国産の牛蒡をカットして仕込んだ。中国産の水の牛蒡を使えば簡単な事だけれど、彼は本物の香りを優先した。
また、当日の寒さを考慮して汁には酒粕を混ぜた。香りとコクが楽しめるキノコ汁になった。

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結果多くのお客さんに喜んでもらえる事が出来た。
「おもてなし」と言葉にする事は無くても、その思いを食の中に閉じ込める事が出来たと思う。
結局のところ「おもてなし」は言葉でも行為でもなく、相手を心から思い遣る「思い」なのだ。


囲炉裏に刺した五平餅を見ながら思う。
僕らが残さなくちゃならない「食」はこの風景なんだ。
この空間に漂う相手を思う心を含めた風景を、飛騨の食の風景として後世に伝えていく事こそが「食文化の継承」

東京で味わった飛騨の野菜の料理は、僕らに与えられたもう一つの使命「食文化の進化」

いやぁ…「食」ってほんとうに面白いですね…。