1995年5月15日 ビクターよりリリース


実はこれ、新品と中古持ってます。
あれです。コーラン問題で回収された初回と、コーラン抜いたやつと。
何はともあれ、全体の感想から。
暗黒三部作最後のアルバムでございます。曲は全体的にハードロックですよね。
なのに、歌詞がかなり暗い。だからなのか、えらい重圧を感じてしまいます。
んー・・・ただ、暗い中にも一縷の望みというか、一筋の光を見いだせる内容だと思います。
自虐しまくって、結局開き直っちゃってる感がものすごくしますが。
では、曲毎に感想参ります。


Loop
「感謝したい」からスタートする…リーディング?なんですが、あの、初めて聴いた時、櫻井さんのセクシー低音に耐性のなかった私(当時多分高校生)はこれを速攻で飛ばした記憶があります。
同じ理由で「Somewhere Nowhere」もスキップしてます。
歌詞カードには「感謝したい~あなたに」までしか記載されてはいませんが、その後の詩の、希望に満ちてんだか絶望し尽して死のうとしてるんだか分からないローテンションさに慄きます。
ただ、悲壮感は無いですよね。会った事の無い「愛しい人」に対するラブレター…なのかもしれません。
それとも、もしかしたら、もうあの世に行っちゃって生まれ変わろうとしているのかもしれない。
「今ここに~」の部分が、なんとなく、この世とあの世の境目の様な気がしてならないんですよね。
…三途の川か?


love letter
かっこいいです。イントロといい曲といい歌といい。
Loop」を櫻井さんの恋文(ん~ちょっと違うよなあ…)とするなら、こちらが今井さん流恋文ってとこですか?
でも、これってほんとに「love letter」なんでしょうか?
私の訳し方がおかしいんかもしれませんが。
あなたの犬(みたい)になりたい…って所がそうなのかしら?


君のヴァニラ
エロス…。結構単刀直入な歌だと思われるのですが、いかがなもんでしょうか。
にしても、このアルバムの櫻井さんは色々な歌い方をしてますよね。
この曲、聞いた話によれば、カラオケでこちらのバージョンを櫻井さんの真似をして歌うと一発で喉がダメになるとか。
すごい破壊力だ…。
カップリングバージョンの方が、櫻井さんのエロい低音が際立って一層イカガワシイ雰囲気になってます。


鼓動
はじめ、この曲の良さが分かりませんでした。
初めて聞いた時。高校生の頃かと思いますが、スキップしてた記憶があります。この曲も。
今ではとても好きな曲の一つです。
何と言えば良いのか。歳を重ねるにつれ、私たちは様々な経験をしていきます。
その経験とは、それを経験してから後になって初めて分かるもので。
それらが何を意味していたのか。後になってから分かる。
言葉には表せなくても、積み重なっていく何かがある。
その「何か」に響く曲だなと、私は思います。
何を言っているのやら。
歌詞は、なんていうか人間賛歌といった風情なんですが、根底には悲しみが溢れているように思います。
ごめんなさい 
ありがとう
悲しい事は何もない

泣きたくなる曲です。


限りなく鼠
すごいタイトルですよね~。「鼠」と断定せず「限りなく」をつけるセンス。恐ろしい。
これは櫻井さん自身の幼少期に対して歌ってるんでしょうか。
甘い顔の。可愛い顔の少年とは。
にしても、一番最後の、歌詞に載ってない「笑え笑え 笑うんだ」に強い絶望感を感じるのは私だけなんでしょうか?
「泣いて逃げてもダメ」「吐いて捨ててもダメ」ならば笑うしかない。だから「笑うんだ」と。
ただ、この「笑うんだ」にはすごい緊迫感を感じます。
怖い曲です。期限切れまで怯え続けるなんて…ねえ?


楽園(祈り 希い)
問題曲…なんですかね?何がいけなかったんでしょうか。コーランを使う事その物でしょうか?
この事件。新聞にも結構大きく書いてましたよね。
未だに覚えています。
「殺シ」バージョンの「JUPITER」にはグレゴリオ聖歌が使われていましたが、何のお咎めもなし。
片やコーランの場合は、それが逆回転であっても使用不可。
宗教の方向性だけでこんな事になるんでしょうかね?
やっぱり、宗教観の違いなんでしょうか?
長くなりました。曲の話。個人的にはハードアレンジの方が好きです。
今の世の中、この歌詞の様になってきたと思いませんか?
大きな事から小さな事まで、「私」は知らん顔をしてここにいます。


細い線
もう、ほんとどうしようもなくなってくると口ずさんでしまいます。
はい。サビを。
開き直るのって、ほんとは辛い事だと思うのです。
この歌うたいさん。食べていく為だけに歌うのよ~と歌っております。
そんな開き直り、今は恥ずかしいと思ってくれてると嬉しい。
もしかしたら、いまだにそう思っているのかもしれませんが。


Somewhere Nowhere
これのビデオクリップをご覧になった事、ございますか?
私、「こっちだあああ!」の所で「Death」に行ったらどうしようかとはらはらしつつ(そうなったら爆笑するつもりで)見てました。
途中、日本語おかしくなるところがありましたよね・・・?


相変わらずの「アレ」のカタマリがのさばる反吐の底の吹き
随分文学的。
曲がたまらなく好きです。
もちろん今井さんのとこもですが。
歌詞は…今井式ムーブメント図解…伝わりにくいですかね。
あの、これは私がなんとなく思った事なんですが、当時のバンドブームに対する批判…というか皮肉みたいな感じを受けました。
何て言えばいいのかな。社会にも言えることなんですが、「群れないで独自にやるぜ」っていう。
そんな深い詩では無いとは思いますが、どちらにしろ、雑魚=今井さんもしくはBUCK-TICKだと思っています。


デタラメ野郎
「睡眠薬をバーボンで」飲んではいけません!
ガデムモーターって何でしょうか?ガッデムっていうスラングがありますが、それと掛けてる?
黄色い泉…あの世の事を黄泉の国って言いますが、そこにいかせてくれと?
もう、櫻井さんの当時の心境が如実に表れている曲ですよね。
でも、笑ったりなんかしませんよ。


密室
大好きな曲です。下手すると、一番好き…かもしれません。
高校生の時からずっと好きな曲です。意味はわかりませんでしたが、ずいぶんと物悲しい曲だなと思いながら、でもきれいな曲だから、当時から好きだったんかな?と、思っております。
密室というタイトルから連想するに、監禁の曲なんかな?と思っていたんですが、今では心の中の事なんじゃないかな~と漠然とですが思っております。
しかも、一方的な自分の想いだけを歌っているので、やるせないというより狂気に近いイメージがあって怖いな。
でも歌うのが櫻井さんなので、櫻井さんになら閉じ込められたいわと思う人が多いと思います。
私がそうなんですが。
さて、私がこの歌を監禁の歌では無いと思ったのには訳があります。
「君を触りたい」、「君を奪いたい」、「君を閉じ込めておきたい」。
全部願望なんですよね。
「だから此処にいて」もそうですが。
もし、「君」を監禁しているのなら、「ここには望むものはない」、「ああ何も何もない」とは出てこないと思います。
例えば、「君を閉じ込めておきたい」の後は、「この胸にずっと」と続きますよね。
願望だらけで、何もない「ここ」に「君」がいれば、「何も望まない」。
「ここ」。もしくは「此処」。
「密室」とは、「僕」の心の中だと思うのですが。


Kick(大地を蹴る男)
始めは全ての音が遠い所から聞こえてくるような感じです。
で、「終わりなき愛のチューリップ」の所で生っぽい音になります。
この曲が、一番「死」を感じさせる曲だと思います。
大地を蹴って宙に舞う事は、すなわち高い所から飛び降りる事。
もしかしたら精神の話かもしれませんが。
ただ、とても抽象的な言葉が多いので、自分なりにこんなんじゃないのかなというのを書いてみます。
怖い夢→現実
終わりなき愛のチューリップ→あの世もしくは苦痛の無い場所
大河→単純に三途の川だと思うが「星」「宇宙」が出てくるからそうじゃないんかも
血まみれの愛の中→子宮もしくは安らげる場所
光る地獄→この世
闇の真実→死
私、脳みそないんだなあ…。


愛しのロック・スター
ISSAYさんとのデュエットですが、聞き分けが出来るようになるまでに結構時間がかかりました。
曲は可愛い感じがするんですが、また詩が自虐だらけですよ。
この曲のPV、切ないよう…。
というか、当時のファンは何も言わんかったんかな…。
かつて、評論家の市川さんと言う人が、「ミッドナイト・ロックシティ」という番組のパーソナリティをされていた事がありました。
櫻井さんもゲストで出ていらしたんですが、ファンの方からこの曲について質問(というか詰問)があった時に、「悪い意味では無い」と言うような事をおっしゃっていたようです。



神が降りてきてタイトルが変わったby櫻井敦司
この曲、かっこいい。
どっちかといえば、シングル盤のドラムから始まるパターンの方が好きです。
櫻井さんの声と今井さんの声の対比が素晴らしいです。
リフがかっこいいです。
詞については、なんか肉感的ですよね。
いや、「肉」って単語が出てくるからじゃないですよ?
生きていたいな、と思う曲です。ただひたすら生きようと。
でも、一見ポジティブに見えて実際そうじゃないのが櫻井さん。
ストレートに「俺は生きたいんだ」とは言えず、迷っているのが櫻井さん。
今は、もう思ってないでしょうが、当時は迷っていたんでしょうね。


見えない物を見ようとする誤解 すべて誤解だ
こんなタイトル見た事ないよ、お母さん!
シングル盤よりこっちの方が好きです、歌詞が。
なんで好きかと言えば、こっちの方が、あからさまに暗い…というか、痛いからです。
タイトルに則しているのはシングル盤だと思います。
共通項は、
真実を知るには 此処にいても見えない
真実を知るなら 此処にいてはいけない

なんですが、アルバムの場合は「俺」の話。
シングルの場合は、「僕」と「君」の話。
櫻井さん、よく一人称がコロコロ変わりますが、ここに意味は無いと私は思っております。(意味がある場合もありそうですが…「道化師A」とか)
二人称もよく変わりますけど。
で、なにが言いたいのかと言うと、アルバムの場合、「俺」が受けた傷や心の歪みを歌っていると思うんです。
シングルは、正体不明の「君」と「僕」が、真実を知りたいと思って狂っていく。そして、自分自身の境遇に対して開き直っている。
もちろん、狂うのは額面通り「狂う」のではなく、パブリックイメージが変わっていく事ではないのかな、と。
「君」が何者なのかを考える事で、話は色々変わってくるでしょうが。
というか、考える余地がある辺りにこの曲の冷たい空気感を感じます。
アルバムバージョンは結構分かりやすいんですが、シングルバージョンは分かりにくい。
どちらにしても、きっと「誤解」なんでしょうね。
何故ならば、歌詞は見えるものですが、その裏に隠れている「真実」は目に見えない物だからです。
そんなものを、ああでもないこうでもないと考えて櫻井さんの中にある「真実」が見えると思っている事こそが、「誤解」なんだと。

1993年6月23日 ビクターよりリリース


「狂った太陽」から「殺シノ調ベ」を経て、格段に表現力を増した彼らの、もっとも暗いアルバムでございます。
中坊の私を打ちのめした最鬱曲「キラメキの中で」を始め、今作には様々な絶望や葛藤、そして恐怖や死と言った、文字通り「負のパワー」全開の曲が目白押しです。
しかし、曲に関して言えば、例えば星野さんがピアノやシンセサイザーを奏でていたり、樋口さんがジャジーなベースを披露していたり、生の音と電子の音を組み合わせた面白い試みも成されています。
詞に関して言えば、今回櫻井さんが9曲、今井さんが2曲作詞しています。
この、両者の言葉の使い方が見事に分かれています。
そんな事も含めて、一曲毎に感想を書かせて下さい。


キラメキの中で…
以前書いた「太陽ニ殺サレタ」の感想文中に、この曲の主人公に通じるものがある、みたいな事を書きました。
その考えは今も健在です。
とても不思議な歌ですね。
「ケロイドの男」イコール「ケロイドの僕」。
この、「ケロイド」なんですが、自分を醜いと思い込んでいる、もしくは化粧をしている自分の表面を表しているのではないでしょうか?
でも、舞台の中で「裸」になっている「僕」。
どちらも自分である…という事でしょうか。
そして、キーワードが「キラメキ」。
「キラメキ」って聞くと、輝かしいものの様に感じますが、それが「来る」んですよね?
逃れられないもの。
「死」の事ではないでしょうか?
さて、曲についてですが。
この曲のイントロ、めちゃくちゃ怖いです。
なにか、恐ろしいモノがやってきそうな。
ドラムの音が、少し古めかしくて、連想したのは大道芸人。
絶叫する大道芸人は、「ケロイドの男」。
怖い。


Deep Slow
キラメキの中で」から一転、突如として現れるハードな音。
この落差に驚きます。このハードさが突き詰められると、Six/Nine」になるのでしょうか。
初っ端から「リズムはひどく狂ってきた」と歌う、その音程からしてわざと外してんじゃないのかと思うほど、跳ねてます。
ちょっと、エロティックな香り。
でも、何の「答え」が見えているのでしょうか?
そういえば、この曲、歌詞カード見ないと何歌ってるか分からなくなります。
エコー効きまくってませんか?
そして、早口な気が…。
珍しい…。


誘惑
ジャズ…。
もう、場末感ばりばりですよ。
ジャズバーで演奏しても、あんまり違和感無いんじゃないでしょうか?
樋口さんのベースが素敵ですよ。
ピアノの音が軽やかなのを、このウッドベースみたいな音で低音をカバーしている様に思います。
そう、ギターっぽい音が聞こえませんが、今井さんはサックス音をギターで出しているのでしょうか?
ドレス」のピアノ音が今井さんのギターから出てきたのはすごいなあって、前から思ってたんですが。
でも、詞が痛いですね。
目覚めには きっと忘れるだろう
とか、
そして今夜も誘っている 死という名の恋人
とか、あげたらキリ無い。
ただ、分からないのは、「僕」は死を「恋人」と名付けておきながら、「何処へ逃げようか?」と思案してみたり、
「早く逃げなきゃ」とあせってみせたりしている所なんですよ。
「死」を甘美なものとして扱いながら、それから逃げようとしている「僕」。
そして、終いには、「僕を殺サナクテハ イケナイ 君のもとへ」。
「君」とははたして誰なのか。
「死」なのか、それとも「僕の愛した天使達」なのか、「死んでしまったマリア」なのか、それとも…。
そういえば、こんな部分がありましたよね。
「君の大切なものは何?」
一夜の恋の相手なのかもしれないし、もしかしたら、「自分自身」の事かもしれませんね。


青の世界
イントロの「青の世界へようこそ」は、マジでビビりもんです。
しかし、またもやハードな曲に戻ってますよ。
歌詞の通りに吠えまくってる櫻井さん。
しかし、歌詞に「ああああ」だの「はっはっはっは」だの書く人って珍しくないですか?
いや、その二年後には、「うおおお」とか書いちゃって、しかもその通りに歌ってますからね。
彼にとっては普通の事なんでしょうね。
結構自虐っぽい事書いてますね。
俺は俺さえ裏切れた
とかね。
このころからなんでしょうか。
自分の存在意義、というか理由が分からなくなってきた…というか、周りの期待する自分と素の自分との境が分からなくなってきた感が漂うのは。
あと一つ。
「青の世界」とは?
さくら」にも出て来ますが、「青い部屋」と「青い世界」は同一なのでしょうか。
「部屋」と「世界」とでは規模が違いますからね。
比べるのもおかしな話かもしれませんが。
薄暗くなると、電気付いてない部屋って青くなりませんか?
それの事なのかな?
端的に、「暗い部屋」とは書かずに「青い部屋」とか。
若干明るいわけですし、真っ暗闇ではないけれども、寂しい感じがしないでもない。
あくまで、私の考えですが。


神風
この曲は、カッコ良過ぎる。
伝説の「ドボチョン一家」ってこれじゃなかったでしたっけ?
今井さんの感性の凄さを垣間見る曲ですよ。
カミソリのような夜の上を
なんて、普通は考えたりしないでしょう?
「センスが狂いそう」だの「センスが暴れそう」だの、凄いですよ。
インパクトとしては、「芸術は、爆発だ」並ですよ。
にしても、今井さんは1999年の事を、アカシックレコードで既に知ってたんでしょうかね?
神風が吹いたわけじゃないけれど、何も起きませんでしたからね。
あ、今井さんが超一流のハッカーになっちゃったんかも知れませんね。
イタイこと書いてごめんなさい。


ZERO
曲がとてもカッコいいんですが、歌詞がもう…。
絶望しているような感じでしょうか?
この曲では、途中がラップっぽいですよね。しかも、掛け合いで歌詞に載っていない部分も歌われています。
一番痛烈なのが、「唄う事をやめた獣 帰る家もない」の部分でしょうか。
例えば、Six/Nine」においては、似たような(歌を歌う彼を)表現でも、もう開き直っている感じがするんですよ。
でも、この時点では「唄う事でしか能が無い自分」に落胆しているような気配を感じます。
月に化けた君は…きっとお母様なんでしょうね。
その後に続く歌詞が、「(もう)明日はいらない」。
なぜ、もうにかっこをつけたのかは謎ですが、どうとでも読める歌詞ですね。
月に化けた君を愛して眠るから、もう明日はいらない…のか、
月に化けた君を愛しながら眠るなら、そんな明日などもういらない…のか。


ドレス
切ないですね。曲も美しい。
お気に入りは、アルバムバージョンです。
リズムから始まる方ですね。
しかし、ギタリストが、まるまんま一曲シンセ弾いてるってのも面白いんじゃないでしょうか?
まあ、BUCK-TICKさん。ギター持ってても弾いてない人(しかもまともに)いますからね。
なんでもありな感じで良いのではないでしょうか?
曲の途中、間奏部分で櫻井さんが何を言っているのか昔から分からなかったわけですが、最近解決しました。
最初、なんか英語かなんか言ってんのかな~程度にしか思ってませんでしたけど、あれ、ちゃんと日本語だったんですね…。
申し訳ない。「行かなくちゃ 早く」でしたか?
櫻井さんって、「ドレス」って言葉をよく使いますよね?
キラメキの中で」でも出てきましたが、「ドレス」って私の感覚からすると、裾の長い服っていうイメージなんですよ。
でも、実際英語では「衣服」そのものを指すわけです。
櫻井さんの場合…というか、日本人の意識として「ドレス」って言うのは、「特別な時に着用する衣服」ってなってるんだなって思います。
あ、そういえば。
この曲のサビの中で、「羽が無い」って出て来ますけど、どうも生えたみたいですね。
「風切り羽の 黒い翼」が。


LION
自虐の歌が。聞こえてくるよ。
ただ、重苦しい感じがしないのは何故なんでしょうか?
ZERO」と、歌ってることってあんまり変わってないと思うんですよ。
なのになぜ?
曲は、もう、本当に獰猛な獣そのものといった感です。
吠える声も獣。
なのに、なんとなくセクシーな喘ぎっぽい声も入っている。
肉っぽい。
相反する気持ちって、誰でもありますよね。
愛したいとか、言葉悪いですけど殺したいとか。
で、そんな相反する凶暴な気持ちを「心」の檻で飼っている自分に嫌気がさして、「天国へ行くのさ」とやけっぱち。
ただ、死は近いなんて言っておきながら、だめさなんて二度と言わないで。
くだらないぜと吐き捨てておきながら、だめさなんて二度と言わないで。
ああ、最初は生きる気満々だったのが、途中から面倒になったと。
あ、分かる気がします。
空虚っていうか、心の中空っぽになると、全てが面倒になるし、くだらんて思う。


Madman Blues-ミナシ児ノ憂鬱-
怖い曲だあ…。
これはもう、櫻井さんと今井さんの、デュエット(?)ですよね?
たしか、エイズやエボラ出血熱等、出所不明のウィルスの事を書いてるみたいな話を聞いた事がある様な気がします。
しかし、ここでもやっぱり今井節は炸裂しているわけで。
200%の負のパワー
100%では足りないんですよ。限界突破という意味ですよね。
この曲の「ミナシ児」って、さっきのウィルスの話からすると、確かに母体はあったでしょうが、何から派生した(もしくは変異した)かはわからないわけですよね。
だから、系統樹は一致しないし、あらゆる機能は不可抗力(やりたくてやってんじゃないんよね、勝手にやっちゃうんだよね)なわけですか?
この、「あらゆる機能は~」の最後に「ミナシ児タチガワラッテイル」と「Welcome to my territory」の怖さは異常ですよ。


die
曲は優しい。
途中ノイズが入ってはいますが。
しかし、単刀直入に「死」を書く。
しかも、それを素敵な事のように書くって。
確かに、憧れはありますよね。本当の意味で、理解できないわけですから。
死ぬまで。そして、死んでも。
ただ、この曲は、死の先に見えるものを、もう少し明るく描いているような気はします。
その死が、肉体的ではなく、例えば、自分の弱さだったり精神的な負の部分だったりするとすれば、今作中一番明るい曲になる訳ですけど。
でも、初めから「真実なんてものは 僕の中には何もなかった」なんて書いてますからね。
最後が、「サヨナラ 全てのものよ」ですし。
救いようがない。
ただ、「死」が本当に訪れる時は、この曲の様に優しくあってほしい…とは思いますが。


D・T・D(daker than darkness)
え~。私。この曲を、買って一年後に知りました。
わざわざ「style 93」って入れてる理由がよくわかった気がします。
この曲のノイズがちょっと苦手なんですが(耳がかゆくなる)、曲は一番好きです。
重厚なオープニングから、「愛の歌を」直後のテンポアップ。
鳥肌ものです。
この曲にはサビが無い…のかBメロが無いのかちょっと分かりませんが、不思議な作りをしてます。
でも、飽きる事無く聴けますね。
詞に関しても、儚いものを歌う醜く歪む自分のエゴとの葛藤が垣間見えるようです。
「黒く赤い」とか、「天使のように 愛に飢えた」とか。
対比を駆使した…って言ったら変ですが、生と死、光と闇のように、片方が存在しなければ意味を成さないものを、巧みに表現しているような気がします。
本当に、生で聴きたかった。
そういえば、この曲の歌詞に「僕は3才のまま」っていうところがあります。
これを隠しトラックにしたのは、まあ、斬新でかっこよかったからっていうのもあるんでしょうが、本当は、この曲が「核」だからなんだろうなと。
「三つ子の魂百まで」じゃないですけど。

1992年3月21日 ビクターよりリリース


さて、狂った太陽」の次に発売されたアルバムであります今作。
なんと、セルフカバーなんですね。
「狂った太陽」以前に発表された楽曲からいくつかチョイスして、新しく曲を練り直して録り直しているわけなんですが。
「TABOO」リリース後のツアーが中断するまで、BUCK-TICKはとても忙しかったそうです。
ミニアルバムの「ROMANESQUE」など、リハーサルが殆んどない状態で流れ作業的にレコーディングされていたそうですから、やはり曲を練り直したい録り直したいという気持ちが募ったんでしょうね。
しかし、タイトルが「殺シノ調ベ」でサブタイトルが「This is NOT Greatest Hits」で随分皮肉の効いているタイトルだなと思いました。

今回、一曲ずつ書こうかと思ったんですが、全てにおいてカッコいいという言葉しか出なかった為(一応書いた)、どの辺が違うのかだけ軽く書きます。
そもそも、色んなアルバムから曲を持ってきていますので、その時その時のテイストと言う物が存在しますよね?
すごいのは、その、テイストが違う曲に繋がりを持たせている所です。
VICTIMS OF LOVE」→「M・A・D
ORIENTAL LOVE STORY」→「スピード
IN HEAVEN」→「MOON LIGHT
TABOO」→「HYPER LOVE
これらがそうなんですが、一見してどんな風に繋がっていくのかあまり予想が付きません。
でも、そこは今井さん。意外な形で繋がりを持たせてしまいました。
VICTIMS OF LOVE」のおしゃれ(?)な感じから突然不協和音が入り込み、櫻井さんの低い呟き(恐らく「太陽」と言っていると思うんですが)が入ります。
そこで一旦終了で、繋がっている様には聞こえないのですが、その後の「M・A・D」では破壊されて不協和音だらけの音楽になっていて、「あれ、実は繋がっているの?」と思わせられる仕上がりになっています。
ORIENTAL LOVE STORY」では、曲の終わり際にピロリロが始まって、そのピロリロからそのまま「スピード」になります。(もっと書きようがあるだろうが)
IN HEAVEN」は、当初何の曲か分からない感じになっているんですが、そこからおなじみのイントロが入り、で、曲の終わり際にガラスの割れたみたいな音がして「MOON LIGHT」が始まります。
MOON LIGHT」の終わりは「IN HEAVEN」の最初ですし。この2曲で1曲みたいな感じです。
ただ、初めて聴いた時はですね、「MOON LIGHT」を聞いた事がなかったので、「いつになったら『MOON LIGHT』って曲は始まるんやろうか…?」と本気で思っていました。
TABOO」の最後も違和感なく続いています。
でも、これ演奏するの大変ですよね。弾きっ放しの叩きっ放し。
「Climax Together」の時のヤガミさんの疲れた顔を思い出します。
で、曲はそれぞれの持ち味を、当時のBUCK-TICKのスタイルに合わせられた物が9割。
完全に別物になったのが1割…というか「M・A・D」一曲。
M・A・D」に関して言えば、歌メロが無いですからね。
櫻井さんが、叫んだり囁いたり呻いたりしてます。
こちらの方が、より狂っている感じを受けますね。
また、歌詞が追加になった曲もありますね。
VICTIMS OF LOVE」の「死にたくなるような けだるい夜ね」と言うのがそうなんですが。
実際、本当は何と言っているのか分かりません。
これを聞くにつけ思うんですが、BUCK-TICKは進化しているんだなと思います。
進化しているのは今もなんですけど、この時ほど、BUCK-TICKの成長(と書くと非常におこがましいのですが)が感じられた事はなかったのではないでしょうか?

これ、もう一回やってほしいなあ…。
聴きたい曲いっぱいあるんですよ~今のBUCK-TICKでアレンジというかリテイクされた曲。
SISSY BOY」とか…。
やってくれないかな~…。
以上です。

余談ですが、歌詞カードの最後の「Very Special Thanks」の「じゅぴ太(犬)」になぜか笑ってしまいました。
星野さんの飼っていた犬ですよね?

1991年2月21日 ビクターよりリリース


前作「悪の華」から1年。
長いツアーがありました。
夏に、野外でライブもしてました。
そして、避けては通れない不幸な出来事があり、出来上がったアルバムです。
このアルバムの完成により、BUCK-TICKのその後が決定付けられたと言っても過言ではないと思います。
演奏技術の向上ですとか、櫻井さんの歌唱力の向上ですとか詞の作り方ですとか、挙げればキリが無い位様々な変化があります。
恐らくは、長かったツアーの賜物なのではないかなと思うのですがいかがでしょうか?
エポックメイクなアルバムです。
そして、勝手に言ってるんですが、(詞が)暗黒三部作の第一作目です。
では、一曲毎に感想を書かせて下さい。


スピード
もう、伏字の所に関しては有名な話なので割愛します。
この曲は、アルバム一曲目にして一番明るい曲です。タイトル通り、スピード感があります。
詞に関しては、「ダイブするのさ」「自爆しよう」の箇所を見ると、飛び降り自殺っぽいイメージがありますが、実際は違うような気がします。
なぜなら、飛び降りたのなら一番最後の歌詞の意味が繋がらないから…なんですが、如何でしょ?
飛び降りたのに、「目覚めは今日も冷たい」ってならないんじゃないかと。
歌詞の中に出てくる、「今夜」と「今宵」は当たり前なんですが、「摩天楼」も夜をさす言葉なんじゃないでしたっけ?
だから私の解釈は、クスリをキメてビルから飛び降りようとかじゃなくて、今までの自分を脱ぎ捨てろって事じゃないのかな~と。
そうすると、「イカレタノハ~」の辻褄が合わないじゃないかこらー!!!
にしても、この、「女の子 男の子」って…ねえ?
しかし、思い出すのはPVの今井さんのタコ踊りとワンレンでノリノリな星野さん。


MACHINE
スピード感を一番感じますね、「スピード」よりも。
ワンコーラス目の時点では、櫻井さんは超低音で歌ってますけど、ツーコーラス目で突然1オクターブ上げて歌うじゃないですか。
そこがもう、シビレルよ…。
もう、そこで一気に加速する感じですよね。
信じるものは夢じゃない 走り出すこの俺だけさ
イイ。
この曲は、もしかすると「スピード」と繋がってんのかもしれないですね。
イントロの入り方とかも、凄いカッコイイです。


MY FUNNY VALENTINE
あ、あだるてぃ~…。
この曲と、「エンジェルフィッシュ」は今作のアダルト部門の双璧だと思います。
作曲者がそれぞれ違うというのも、とても面白いですね。
こちらは今井さんの作品ですが、反復ビートって言うんですかね?
ほぼ一緒のテーマを、途中転調を加えつつ、でもやっぱりテーマに若干戻りつつっていう。
凄く面白い曲ですよね。
詞は、…一部意味不明な箇所がありまして。
ソウ美シイ君ヲ 二度ト眠ラセル

って言う所です。
分かりますか?「二度と」って言う言葉の後に続くのは、たいてい「~しない、させない」だと思うんですよね。
まあ、もしかすると、「眠らせる」=「目覚めさせない」って事なのかもしれませんね。


変身[REBORN]
好きですよ、このスピード感といいハードさといい。
「REBORN」って再生っていう意味ですよね。生まれ変わるとも言いますが。
もう、何て言ったらいいのか。自分を見世物と感じているのがありありと分かる歌ですね。
上等な見世物でありながら、無力だという自分をって事なのでしょうか。
深い意味はなさそうなんで、「お前」っていうのは特定の誰か、では無いのでしょうね。
でも、じゃあ「あなた」は誰なんでしょうかね?


エンジェルフィッシュ
星野さん版アダルティ。
タンゴっぽいです。
「ちょっと抱いて」が最高にいやらしいですね。
もちろん、サビにくる「ちょっと噛んで」が本気でやらしいですが。かすれた声と相まって。
でも、この曲。
「噛んで」「抱いて」「イカせておくれ」以外の歌詞は、とても悲しい感じがします。
だって、「囁きは嘘」で「話すことがない」んですからね。
溺れる所っていうのは、悲しみか愛情か。
悲しみだと「沈む」か「暮れる」かなんですが、愛情だとだいたい「溺れ」ますよね。
多分、愛情に溺れて悲しみに沈んでいくって事なんでしょうかね?
そんな感情の湖に溺れて沈んでいく二人を「エンジェルフィッシュ」に見立てたんでしょうね。


JUPITER
これは、文句なくBUCK-TICKでもトップを争う名曲ですよね。
ワンコーラス分、星野さんの十二弦アコースティックギターとバックコーラスと櫻井さんの声だけ。
で、「今夜も~」の辺りからリズム隊と今井さんが加わるという形なんですが、もう、この辺りで鳥肌と涙が。
詞については、何も書けないです。
それは、「さくら」「太陽ニ殺サレタ」にしても同様です。
ただ、「さくら」のほうが、もっと櫻井さんの心情をダイレクトに感じますね。


さくら
この曲は、たまたま今井さんが出来上がった曲に名前を付けたのか、それとも「さくら」から連想してこの曲になったのかは定かではありません。
日本音階って書くとかなり変ですが、日本的。
ギターソロのあたりが、散っていく桜の花弁の様な雰囲気を感じました。
もう、この曲にあるのは「後悔」と「喪った悲しみ」なんですよね。
「もう一度」は無いと分かってはいるのでしょうが…。やりきれないです。


Brain,Whisper,Head,Hate is noise
このアルバム唯一の今井ワールド炸裂曲ですね。
意味が全く分かりませんが、噂によると、今井さんはこの歌詞の光景を「見た」とか。
どうやって?なんて野暮な事は聞きませんが。
好きなのは、「開け進化のMode」ですね。
これを今井さんが言っているのがまた…!カッコいいんですよ!
だって、ほんとに「開け」ちゃったんですからね。


MAD
もうこの曲からの流れが最高にイイですよ。
吹っ飛びますよ、いろんな事が。
落ちてる時に聞いたら、どん底になっちゃいますが。
曲は、ほんとテクノっぽい。リズムが特にそう感じられます。
なのに、詞の初っ端が「僕は狂っていた」なんですからね。
さて、この曲の詞。
読めば読むほどずどーんとなってしまうんですが、気になる詞がありました。
 赤い海の底で溺れる夢を見る
なんですが、心理学か夢占いか忘れましたけど、「赤い海」とは「子宮」を表すのだそうで。
本当に見たのか、それともわざわざ調べたのかは定かではありませんが、どちらにしろ…。
「子守唄」も出て来ますしね。
「もう二度と会えない」わけですし。


地下室のメロディー
好きです。
もう、全てカタカナ表記なのが、より一層狂気と正気を彷徨い逃げ惑う歌の中の人物の焦燥を浮き彫りにしますね。
そう。
カタカナ表記であるがゆえに分かり辛い箇所もあります。
 キミガワルイ
ですね。果たして、
「気味が悪い」
のか、
「君が悪い」
のか、はたまた
「黄身が悪い」
のか。
普通なら、「気味が悪い」ですよね?「アワレムヨウニミルナヨ」って言ってるんですから。
その視線に対して「気味が悪い」んだな、と。
では、「君が悪い」ならば?
詞の中にも「オマエ」が出て来ますからね。
でも、唐突ですよね?
じゃあ、「黄身が悪い」では?
それだと、「ああ、『マヒルニコゴエ』るのも『ハキケニフルエ』るのも仕方ないよね。あたったんだもんね」ってなってえらく間抜けになっちゃいますもんね。
曲は、もう、シンセドラムとか好きなんでもう叫びたいくらいカッコいい。
随所に使われる打ち込みのコーラスの様な音も良いですよね。
そういえば、今作で「地下」が二回出てきますね。
彼の言う「地下」って何の象徴なのでしょうか?
 ツメタイチカシツ

 地下の加護の中
もしかして、「変身」とこの曲の「俺(オレ)」は同一…なんでしょうねって、書いてる人一緒ですしね。
じゃあ、多分「あなた」も「お前」も「オマエ」も同一人物でしょうか?
私は、そうだと思います。


太陽ニ殺サレタ
イントロの鐘の音。
あれは、今井さんのギターの音ですよね?
静かで、厳かな。
詞の冒頭の、
 夜の舞台 幕が上がる
にぴったりなイントロです。
この詞。後の「キラメキの中で」に通じるものがありますね。
「死化粧」がはがれ落ちるのと、「化粧」のとれた僕。
双方「裸」であり、片や「舞台の上」、片や「舞台の中」。
ただ違うのは、「キラメキの中で」に登場する「ケロイドの僕」は、見世物である自分自身の価値観に苛まれている様に感じます。
しかし、この曲の「立ち上がれない 動けもしない 俺」は、「さよなら」を言えなかったが故に、悲しみに苛まれているような感じです。
もしかしたら、リンクしてるかもしれないですね。
キラメキの中で」は、次のアルバムの一曲目ですからね。
しかし、「サヨナラヲ言ウ前ニ」という詞が悲しくて堪らないです。
たしか、ライヴではこの続きがありますよね?
「太陽 どうぞ僕を 俺を このまま溶かしておくれ」
でしたか?消して、かもしれませんし、どうか、だったかもしれません。
確認した結果、「このまま溶かしてほしい」でした。
どちらにしろ、悲痛としか言いようが無いですよね。
太陽は、けして普遍的な存在では無いとは思います。
しかし、この歌の中では絶対的な存在であり、それに奪われてしまう無力さというのは、きっと何物にも代えられない悲しみとなります。
人々にとって絶対的なものとは?
それは、人だけでなく、存在するもの全てにおいてですが絶対というものが存在します。
生まれたら、死ぬ。
「死」。
「終わり」です。
それに対する無力を感じる時、悲しいだけではすまされないですよね。

1990年2月1日 ビクターよりリリース


皆様ご存知の様に、「悪の華」とはボードレールの作品です。
読んだ事のある方、多いと思います。私も中学生の時に読もうとして、意味が分からなくて失敗しました。
このアルバムは、BUCK-TICK流「デカダンス」の集大成であるそうです。
デカダンスって何よ?言葉だけなら聞いた事ある…。
皆さんはご存知ですか?
私は分かりません。では、調べてみます。
デカダンス(仏:decadence)は退廃的なこと。
特に文化史上で、19世紀末に既成のキリスト教的価値観に懐疑的で、芸術至上主義的な立場の一派に対して使われる。
フランスのボードレール、ランボー、ヴェルレーヌ、イギリスのワイルドらを指す。
世紀末的な耽美的かつ虚無的な態度を意味する語としても用いられる。

意味が分からないよう…。
つまり、様式って事でいいんかの?
役に立ってない…。うう~ん。
このアルバムは、とある事件後初のアルバムという事で話題にもなったそうです。
事件後初のアルバムタイトルが「悪の華」で、事件の当事者が真っ赤な髪の毛でドームに立つという「え?マジで?!」というスタイルが当時の学生さん達にはとても刺激的に写ったようです。
そのドームにいたのが、Jだったりキリトだったりしてるんですよね。
そんな、次世代(90年代)に現れるバンドマンの皆様(中には俳優さんになってる方もいらっしゃるようです)の、よく聞いていたアルバムの中の一枚に位置づけられるアルバムです。
前作「TABOO」に比べて、歌詞の意味の分からなさが倍増しになっており、サウンドはカッコ良くなっています。
「TABOO」では、スピード感のある曲があまりなかったですしね。
うわ。前置きが長くなりました。
一曲ずつ感想を述べさせて頂きます。


NATIONAL MEDIA BOYS
これは、曲のテンポがよく変わりますよね。
疾走感のある曲です。PVも好きです。みんなで「OH」の口になってるあれ。可愛いです。特に今井さんが。
歌詞は…、「良かれ悪かれ~」のとこが好きです。ここにこの曲の意味があると思います。
近未来をイメージする…っていうのはよくある話なんですが、私には懐かしいという気持ちが湧きました。
「新しい」って言葉は出てくるんですけれど、100年位前の人が、「新時代の幕開けだ」と言ってるようなレトロさを、どうしても感じてしまいます。
もちろん、ライヴで聞いたらもっと違う印象になるんでしょうね。


幻の都
書いてる事が、結構お耽美です。
でも、なぜ、「Fire Dance」なのか?「Deca-Dance」に合わせてそうしたんじゃないかなあ…。
曲は、ほんとオリエンタルですね。インドとか、アラブとか。
でも…クレオパトラ…。
まあ、幻の都なんでなんでもありっぽい感がしますけど。
そういや、この頃から、「歌う」「踊る」「狂う」っていう単語が頻繁に使われてきますよね?
今や櫻井さんの十八番となった感がしますが、それが一気に入ってます。
日本語ってやっぱり不思議で、前後の言葉で、「歌う」「踊る」「狂う」の意味合いが変わりますね。


LOVE ME
詞は少ないですけど、結構どぎつい事書いてます。
「どんなに夢を見ても 気付けばいつも独りさ」の部分ですね。
曲は可愛いです。「殺シ」verより、こっちが好きです。
テンポが思った以上に早いですしね。
タイトルが「LOVE ME」の割に、言ってる事が暗いのは…なぜかしら。


PLEASURE LAND
唯一の星野さん作詞作曲。曲は、ほんとまったりというか、アンビエントっぽい?
櫻井さんの歌い方も、優しい…というか可愛い。
しかし、歌詞が抽象的過ぎます。
曲を先に作って詩を後に乗せたのか、それとも逆かは分かりませんが、神秘的です。
星野流「ファンタジー」…というか「ファンシー」?
優しいイメージですけど、少し寂しげです。
幻想的な世界で独りきり。


MYSTY BLUE
あ、出てきたよ。エロ…スな曲が。
この曲も、随分テンポが変わりますよね。あ、リズムが…ですね。
「爪先にはそっとロマンス」ってすごい好き。「そっと」っていうのが。
で、誰もいないと。
別れの曲ですかねえ?
KISS ME GOOD-BYE」が、切なく幻想的な別れの心情の歌であるなら、こちらはもっと生々しいです。
たとえ、「爪先」に「ロマンス」を感じていたとしても。
一夜の恋というか、短い恋というか。大人な恋というか。


DIZZY MOON
あ、きたよきたよアニイ!
さて、このアルバムの中で、二番目に好きな曲です。
文句なくイントロがカッコイイ。
で、歌詞は…あの、言葉の端々に、自分というか、バンドの事を書いている気がします。
「嗅ぎまわされて」とか、「虚ろに映る waxy Dool(多分蝋人形)」とかね。
追い詰められていたのかな、と。
確かに、このアルバムが出るまでに色々とありましたからね。
その時の心境の一部が反映されているのでは無いかな、と思います。


SABBAT
この曲を、星野さんが書いてた事が驚きですよ。
なんていうんですかね、おどろおどろしい感じです。
いや、本気で妖しげです。
ん~…。耽美に走り過ぎていまいち分かりませんね。
さて、ここで「SABBAT」の意味を調べてみます。
いや、多分これ(悪魔の儀式というか、バフォメットっていう悪魔と魔女達の儀式)じゃないかっていうのはおぼろげながらあるんですけどね。
サバトとは、魔女達の夜宴を指すそうです。
かっこ内で「バフォメット」を出しましたけど、この悪魔は、確かに魔女達の崇拝を集めてはいますが、実際取り仕切るのは「黒ミサ」の方だそうで。
魔女達の夜宴にて行われるものは諸説ありまして、悪魔を讃える儀式だったりするんですが、その中に、「悪魔との乱交」っていうのがありまして…。
多分、これかなと。
悪魔がどうの、と考えたわけじゃなく、怪しげで不道徳なものの名称として「SABBAT」と名付けたのかしらねえ…と思います。
よくよく読んでみると、耽美な言葉に惑わされてましたが、この詞もかなりエロいですよね。
ただ、その行為が愛情を伴っているのか、それとも肉欲だけのものなのか。
SABBAT」というタイトルが付いていると、もう生贄位の気持ちなのかもしれませんね。
その生贄が、歌い手なのか相手なのかは分かりませんが。


THE WORLD IS YOURS
この曲の、歌詞の、どの辺が「THE WORLD IS YOURS」なのか激しく知りたいです。
言いたい事は、上と同じで意味が分からない。
本当、かっこいいけど意味が分からないんですよ。
もどかしいですね。


悪の華
イントロのリフは最強にカッコいいです。シングル盤と違うのは、シンセサイザーが入っている所です。
で、さて「悪の華」。この曲と、ボードレール著の「悪の華」。類似点があるかどうか。
『悪の華』(あくのはな、Les Fleurs du mal)は、ボードレールの詩集。
1857年に初刊。序詩を含めた詩101篇を収録し、「憂鬱と理想」「悪の花」「反逆」「葡萄酒」「死」の順で配列。
このうち6篇(禁断詩篇)が反道徳的であるとして、有罪・罰金処分を受け、該当詩の削除を命ぜられる。
第2版は1861年に刊行。削除を免れた詩のほかに、32篇を追加し配列を変更し、全125篇を収録する。現在はこの第2版が定本。
詩人の生誕から死までを退廃的、官能的に表現する。
象徴主義の始まりを告げるボードレール唯一の韻文詩集で、のちの詩人に与えた影響は多大である。

そう。これ、詩集なんですよね。といっても、初っ端で挫折したわけですが。
類似点は、無いです。
いや、あるとすれば、耽美と言いながら言葉の端々に表れる生々しさじゃないですかね?
あと、悪の華って、悪役っぽいですよね。そんな所からもとってるのかな?
で、これを書いた後に「悪の華」を再び読む機会が訪れました。
やっぱり意味がわからない…わけでもないんですが。
生々しいですよ。
一度読んでみると良いかもしれませんね。
この曲とは、全くと言っていいほど関連がないのが分かりますから。


KISS ME GOOD-BYE
一番好きな曲です。切ないねえ。
もう、この曲の最後。ギターがメロディラインをなぞり始める時にリズムが変わるじゃないですか。
そこがもうかっこよくてもう…。
しかも、今井さんが長い事正統派ギターソロを弾く、数少ない曲ですよ。
で、詞。儚いです。一番好きなのが、「声はちぎれて風に舞う 泣きたいくらい幸せよ」の所。
一瞬だけ女性言葉になるのが櫻井さんの持ち味なんですかね。好きです、そんな所も。
妙に切ない曲です。
別れようとしているのに、「泣きたいくらい幸せ」なのは、それだけ相手をおもっていたからなのかな?