こんばんは。
雫石雪乃です。
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先日、５時間授業（部活なし）で早く帰ってくるはずのぷっぷちゃん（中２次男）がなかなか帰ってこなかったので、帰宅後に
「今日は遅かったね〜？どうしたの？S君↓と話でもしてきた？？」
と聞くと、
「うん。S君の家に行って色々と話を聞いてきた。
ぷっぷ、
カウンセラーの才能があるぷぅね
」
と言っておりました。その自信は一体どこから・・・笑。
我が家では子供達が小さな頃から、自分も含め、誰かが悩んでいる時は全員の意見を聞く習慣があります。まだ小さいから分からないだろうとか、子供のくせに大人のことに口出しをするなとか、そういうことは一切なく真摯に話し合うように心がけています。
例えば長男君（中３）が悩んでいる時は、次男君（中２）に
「長男君はこういうことで困っているらしい。どうして長男君は困っているんだろう？
ぷっぷちゃんなら、こういう時どうする？周りにはどうして欲しい？
ぷっぷちゃんからみて、長男君はどうして欲しいと思っていると思う？」
と、同じ子供という立場からみてどういう風に感じるか、どういう風に捉えるかを聞きますし、長男君本人には、
「で、どうしたい？？私にはどうして欲しい？」
と聞きます。
私が悩んだり、何かが分からなくなっている時も二人のうちどっちかが同じような質問を投げかけてきて、問題を解決するためのヒントとなるキーワードを与えてくれたりします。
おそらく普段のこういう「相手の気持ちを聞く習慣」があるからこそ、相手の話に黙って耳を傾けるということが自然にできるようになっているのでしょう。
S君は、否定されるでもなく、馬鹿にされるでもなく話をちゃんと聞いてもらえることが分かっているからこそ、学校ではなく、家でじっくりと話を聞いて欲しいと思ったのかもしれません。
皆さんには、噂話をするのでもなく、愚痴をいうのでもなく、ましてや当たり障りのない話をするのでもない、心と心の会話ができる相手はいますか？
自分が本当の気持ちを曝け出すことを恐れていては、相手も心を開いてはくれません。
怖いことは怖い、不安なことは不安だと伝える勇気を持ちましょう。
そして、相手の本当の気持ちもまたちゃんと引き出してあげてください。
それこそがどんな人間関係においてもとても大事なことです。
というのも先日、対面セッションに来てくれたSさんがこんなことを話してくれました。
Sさんには二人の娘さんがおり、下の娘さんが病気を抱えていることもあり、どうしても心配してヘリコプターペアレンツ（子供のやることを先回りして心配して子供を操ってしまう）になってしまうということでした。
そんなSさんが娘さんのことを
「なんだかとっても要領も悪くて心配になるんです」
と言ったのを聞いた時、ちょっとした違和感を感じました。
そこで、
「たとえばどんなところにそういう風に感じるんですか？？」
とお尋ねすると、
「ええと、たとえば中学生の頃のことなんですけど。
合唱コンクールのピアノ伴奏を決めるときに、ピアノを習っている人は手を挙げろと言われたらしいんです。
普通はピアノ伴奏なんてやりたくないから、習ってても手を挙げないじゃないですか！？
私だったら、手を挙げずにひたすら下を向いてやり過ごそうとするのに、あの子は正直に手を上げてしまったんです。それで当然、選ばれてしまって。そういうところがなんだかすごく要領が悪いなぁ・・・って」
ああ、なるほどなぁ・・・・と思いました。
「私だったら・・・」
という考えはものすごく曲者で、ほとんどの人が「相手は自分ではない」ということを忘れています。
そういう視点で考えてみると、Sさんにとってはピアノの伴奏に選ばれることはすごく嫌なことで絶対に避けたいものかもしれません。
でも、娘さんにとってはそうではなく、
「難しくて大変かもしれないけれど、ピアノ伴奏ってかっこよく見えるから選ばれたい！！選ばれたらお母さんも喜んでくれるかも！？」
という期待もあったかもしれませんし、
「このまま誰も手を上げずに気まずい空気が続くのは耐えられない！嘘をついて手を上げないでいるよりも選ばれてしまった方がずっと楽だ」
と思ったのかもしれません。
このように娘さんもSさんと同じように考えるとは限らず、娘さんが手を挙げた時の気持ちは娘さんにしか分からないのです。
ですから、本当だったら
「選ばれた」
と聞いた時に、
「そうなんだねぇ。やってみたかったの？」
などと優しく聞いてあげられたらよかったのですが、それをしなかったので（それをしなかったのが良かったとか、ダメだったとかいう話ではなく、Sさんにも子供の気持ちを確認するという習慣がなかっただけのことです）、Sさんの中で娘さんは要領の悪い子ということになってしまったのです。
もし、その時に娘さんの気持ちを聞いてあげて、娘さんが
「誰もやりたいっていう人がいなかったから私が手をあげた！もうやるしかない！」
などと答えていたら、きっとSさんの娘さんに対する認識は「要領の悪い子」ではなく「私よりもよっぽど勇気のある強い子」になっていたことでしょう。
そういう認識だったら、今ごろ娘さんは「心配の対象」ではなく「信頼に足る子」であったかもしれません。
このように、相手の本当の気持ちを聞くかどうか、ただそれだけのことで相手に対する認識が変わってしまうことがあります。
そういう意味で、自分の価値観で物事を判断するのではなく、相手の気持ちを聞いてあげることは、とても大切なことなのです。
去年だったか、ママ友とそのお子さんと3人で学校行事について話していた時、そのママ友が娘さんに対して、
「みんなはどうするって？？」
と聞いているのをみて、びっくりしたことがあります。
なぜびっくりしたのかといえば、
「あなたはどうしたいの？」
ではなくて、
「みんなはどうするって？？」
と聞くことによって、暗に
「自分がどうしたいかよりも、周りに合わせなさいよ」
「みんなと同じにしなさいよ」
と言っているように聞こえたからです。
こうして自分の気持ちを大切にする習慣が気づかないうちに奪われていくのだな・・・・と思いました。
そして、実際にそのママ友は
「うちの子は自分の考えがなくて、周りに流されてばかりで困っちゃう！」
が口癖。
だって、あなたが考える機会を奪ってるから
と思いますが、そこは言っても理解していただけなそうだったので未だ伝えられず・・・。
こちらの本に、仲間と本屋で万引きすることを楽しんでいて（本が欲しかったわけではない）捕まった中２の少年の例が出ています。
小学生までは親の言うことをよく聞くいわゆる「良い子」でしたが、「みんなと仲良くね！（＝はみ出さないように、悪目立ちしないようにみんなと同じに）」と言うことを親に言われ続けたことで、自分の気持ちが抑圧され、それがストレスになって万引きを繰り返すようになりました。
この例もまた
みんなと同じがいい
はみ出すのは不安だ
と言うのは、親の思いであって、本人のものではないのです。
だからこそ、
「はみ出そうがなんだろうが、自分は自分らしく生きたい。やりたいことをやりたい」
と言う気持ちを否定されることで怒りや不満が溜まり、ついに万引きというスリルを楽しむようになって行ったのです。
自分の不安を押し付けたくなったら、まずは深呼吸して
「これは私が心配という私の問題であって、相手に問題があるわけではない」
ということをしっかりと認識すること。
そして、心配してしまう気持ちとしっかりと向き合うことです。
たとえばSさんならば、
「なぜ自分ならばピアノの伴奏を絶対にしたくないのか？」
そこを考えてみたら、
「みんなの前で失敗することが怖い」のかもしれませんし、「もしちゃんと弾けなくてみんなに迷惑をかけてしまったら嫌われてしまうかもしれない」という恐怖を持っているのかもしれません。そういう自分自身の恐怖や不安に向き合い、手放していくことで人生は開けていきます。
自分で行う感情解放
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