◆良い子に育てない

こんばんは。

雫石雪乃です。

テレビでYouTubeを再生し、スマホでリモコン操作をするという技を披露した次男君（小５）。

そんな次男君に長男君（小６）が、

「あら、やだ。今時はそんなこともできちゃうの！？すごいわねぇ。ほほほ

」

というので、それに乗っかって、

「ほんとよね、奥さん。今時は、いろんなことが出来ちゃうのね。ほほほ

」

というと、次男君まで

「あらやだ。奥さん、ご存知なかったの？？今はこんなことも出来ちゃうのよ」

と。

我が家に一気に奥さんが３人も集まりました。

どんな家族だよ

まあ、こんなしょうもない会話をして、毎日ゲラゲラと笑い続けている我が家ですが、そんな時にふと思い出すことがあります。

もう遠くに引っ越してしまいましたが、以前よく我が家に遊びに来ていた姉妹がいました。

当時、お姉ちゃんは2年生で妹が幼稚園の年中さん。

両親が離婚調停中で、二人はお母さんからそのストレスを毎日浴びて鬼のように怒鳴り散らされていました。

お母さんから毎日お父さんの悪口を聞かされていたものだから、

「そんなひどいお父さんでお母さんが可哀想。私が良い子にしてお母さんを守ってあげなくちゃ」

と、必死で良い子を演じて、お母さんと一緒にお父さんの悪口を言ってあげていました。

それに気づかない周りの大人も

「あの子は礼儀が正しくて、聞き分けが良くて本当に良い子ね」

と言っているので、彼女はますます良い子でいなければいけなくなってしまいました。

たった小学2年生の女の子が、ワガママも言わず聞き分けのいい良い子なんです。

そんな彼女がある日、うちの長男君にラブレターをくれました。

「長男君の家の窓の外にいると、いつも家の中から楽しそうな笑い声が聞こえてきます。

私は大人の人とか、男の人にどうやって声をかけたら良いのかわからないので、みんなを困らせていると思います。

どうやったら長男君の家みたいにみんなで楽しく笑えるのかわからないです。

いつもいいなぁと思いながら、妹と二人で窓の外に座って長男君の家の笑い声を聞いています」

そんな風に書かれていて、私はその光景を思い浮かべて切なさで涙が溢れてきました。

知っていたら家に招き入れて一緒に笑って楽しい時間を過ごしたのに。

みんな聞き分けのいい、人の言うことを素直に聞く良い子に育てようとしますが、

子供が子供らしくいられないと言うことは、本人にとっては幸せなことではありません。

思い出してください。

一番大切なこと。

それは幸せであることです。

将来幸せにすることではなく、今、幸せであることです。

将来の幸せのために、今を犠牲にしないでください。

将来が不安だから、今、いろんなことを我慢する。

そう言う価値観が美しいとされてきました。

でも、今、将来を不安がって不安をベースに生きれば、将来も不安のままです。

それは、いま発したエネルギーがそのまま未来を作るからです。

子供を、いま幸せにしてあげてください。

いま、笑わせてあげてください。

将来の不安に押しつぶされて、その不安を子供にぶつけないでください。

子供時代をちゃんと子供らしく過ごさせてあげてください。

子供らしく過ごせなかった苦しさや悲しみは、

将来、その子をいろんな形で苦しめます。

我慢できない人間はダメ人間だ。

頑張れない人間は人間のクズだ。

そう言われて育った人たちが、その呪いから逃れることができなくて、

どれだけ辛くても会社を辞めることが出来ずに、うつ病をはじめとする病気になったり、犯罪を犯したりしています。

辛い時は無理しなくて良いんだよ。

頑張らなくて良いんだよ。

逃げても良いんだよ。

そういって、逃げる、頑張らないと言う選択肢も与えてあげましょう。

あとはどの道を選ぶかは本人次第なのだから。

いい子に育てると犯罪者になります（新潮新書） [ 岡本茂樹 ]

842円

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内容紹介

価値観が次々ひっくり返る,圧倒的説得力!

意外なことに、刑務所への出入りを繰り返す累犯受刑者には「いい子」だった者が多い。自分の感情を素直に出さず、幼少期から無理を重ね、親の期待する役割を演じることに耐えられなくなった時、積もり積もった否定的感情が「犯罪」という形で爆発するのだ。健全な子育ては、「いい子」を強いるのではなく「ありのままの姿」を認めることから始まる──。矯正教育の知見で「子育ての常識」をひっくり返す。

目次 まえがき

第1章明るく笑う「いい子」がなぜ罪を犯すのか

第2章少年院に入ると、さらに悪くなる

第3章受刑者の心の奥底にある幼少期の問題

第4章「つらい過去」に蓋をしてはいけない

第5章子どもの前に、親が自分自身を受け入れる

第6章幼少期の子育てで知っておきたいこと