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こんにちは。
雫石雪乃です。
今日は、この記事を読んで、思ったこと、思い出したことがあるので徒然と。
今から６年ほど前、今ではブロガーとしてすっかり有名人になったあの人やこの人と一緒に、
皇居の敷地内の清掃などのお手伝いをする皇居勤労奉仕というものに参加しました。
天皇陛下がお世話している田んぼや、天皇家の方々しか参拝することの出来ない神社などを見学させていただくなど、奉仕活動というよりもむしろ普段、皇室の皆様がどのような場所でどのようなことをされているのかを見学させいていただけるツアーといった感じです。
確か５日間の奉仕活動だったと思うのですが、どの団体も必ずそのうちのどこかで、皇太子殿下、天皇陛下ご夫妻からご会釈を賜る機会があります。
６年前といえば、まだまだ東日本大震災のショックが残っていた頃。
私が所属していた団体の中には直接被災した人はおらず、私が唯一、被災地の現状を知っている人間ということで、もしかしたら陛下よりお言葉やご質問があるかもしれないから、ご会釈の折には一番前で待機しているようにと宮内庁の方に言われました。
ご会釈を賜る際には、微動だにせず、私語はもちろん禁止。
宮内庁の方が、ピシリと整列する中を私たちも呼吸困難になるのでは！？と思うほど、緊張しながら陛下がお姿が見えるのを待ちました。
どこからどのように現れたのか、今でははっきりと思い出せませんが（皇太子陛下の時はなぜか覚えているのに！）、目の前１メートルの距離にいらっしゃる天皇皇后ご夫婦は、明らかにこの世の人ではありませんでした。
なんというか、
天皇陛下には「明仁様」というお名前があるはずなのですが、
あの「天皇陛下」という方の肉体に「明仁様」という人格が存在していないのです。
もう存在が「天皇陛下」
きっと子供の頃には「明仁君」という小さな男の子が存在したのでしょうけれど、
何年も何十年もかけて、その「明仁君」という我は捨てて、
全身全霊で天皇陛下という存在になったんだろうなぁ、と思います。
その「天皇陛下」という日本の神様を何千年もの間、
代々自分の中に降ろして、「●●君」という個は完全に消していく。
それが天皇というものなのだという風に私には感じました。
小さい頃、若い頃にはそのことがどれほど悔しく、悲しく感じられたことでしょう。
なぜ、こんな家に生まれてしまったのだろうと思ったこともあると思います。
それでも、どこかでそんな思いを切り捨てて、
自分の全てを国民のためだけに捧げる決意をする。
なぜそうするかなど考える余地も与えられず、
ただそうすることが自分の使命なのだと自分に言い聞かせて。
そんな思いに胸を馳せると、ただただ涙が止まりません。
私は、特に天皇陛下が好きだとか、嫌いだとか、
そういった感情を持ったことがありません。
正直に言うと、ありがたいと感じたこともありません。
けれども、自分の目の前１メートルに天皇皇后ご夫妻が立った時、
ただその存在そのものがありがたいと感じて、涙と震えが止まらず、
今にも崩れ落ちそうなところを、隣にいた男性二人が支えてくれました。
とても質問になど答えられる状態ではありません。
それを察してかどうか、天皇陛下より質問をされることはなく、
ただ奉仕に関して感謝の言葉を賜りました。
今思うと、神の存在感というものがあるとすれば、
天皇陛下のあの存在感こそが、私たちが一番身近に感じられるそれなのだと思います。
なんと言いますか、何をするかではなく、
何もしていなくても、何も言わなくても、
誰かにこのような感謝の念を沸き起こさせるほどの存在になるということ、
存在であるということ。
そうなるまでの過程といいますか、
精神鍛錬といいますか、
それこそが生きていく上で尊いのだと気付かされます。
あまりにも尊すぎて、言葉がついて行かずにもどかしいですが。
毎日のヒーリングをするようになって、
人のために祈るということが、
どれほど難しいことなのか、
身を以て知らされる毎日。
この、さとうみつろうさんの記事を読んで、正直
「私には何もできない」
と思いました。
そう思うほどに、この新嘗祭という儀式はすごいものです。
並の精神の持ち主ではできることではありません。
神の神域という異次元の世界にたった一人で出かけ、
命がけで祈り、
たった一人で帰ってくるようなものです。
そんなすごいことをしている人に対して、
私ごときが祈ったり、感謝をしたところで、
なんの効力も発揮しはしない、と思ったのです。
でも、この記事を書きながら、明仁君という少年に思いを馳せ、
その葛藤に共に涙し、決意し、祈り・・・
そういう人生に思いを馳せることで、胸の中に熱い熱いものが込み上げてきました。
この思いを天皇陛下に捧げる気持ちこそがきっと大切であり、
どのような形であれ、陛下がこれから進んでいく神域に捧げれれることとなるのだろうと思います。
勤労感謝の今日の日、私は、
私たちを守ることに人生の全てをかけた天皇陛下のために祈り、
「明仁君」という小さな男の子にありったけの愛情を捧げたいと思います。
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