もっと「夢」を、「熱い想い」を。「想い」があるから言葉は生きたメッセージ。

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未来への「希望」を見せて!「想い」発信しよう!人を繋ぐのは「言葉」です。「言葉」には、人を動かす力がある。人は幸せになるために生きている。

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<第六章 システムファーム 3>


 回収された『特選ホームファーム トマトジュース』は、約20万本、脅迫状には、犯人の要求も、混入方法も書かれていなかったため、常陸太田にある冷蔵倉庫に一時的に保管された。


 茨城県警は威力業務妨害容疑で捜査していたが、ニンヒドリンアセトン溶液を使った指紋検出の結果、被疑者が特定された。被疑者は、土浦市に住む無職の男性で、以前、常陸太田にあるホーム食品の冷蔵倉庫で経理の仕事をしていたが、不正が発覚して懲戒免職になっていた。指紋は、常磐道でスピード違反をした時に採取されたもので、手紙の消印が土浦郵便局であった。


 男は、「手紙の内容は、狂言であり、ホーム食品を困らせてやろうとおもっただけだった」と証言した。まさか、紙に指紋が残るとは、思わなかったそうだ。

 この一件は、ホーム食品のホームページに安全宣言が掲載され、保管されていたトマトジュースは、幸い賞味期限が1年の商品であったたため、大型量販店向けに出荷され、特売商品として販売されることになった。


 ※この話は、フィクションです。

 

<第六章 システムファーム 2>


 「佐藤、スマート電気の鈴木さんから電話!」

 「まだ、システムファームの企画書はできてないよ!」

 「そうじゃないの、今度は、 ホーム食品(株)よ!」

 「なんのこと」

 「ホーム食品でトラブルなの!」

 「食品から異物でもでたの?」

 「そうじゃないの、ホーム食品のある茨城県庁に、『特選ホームファーム トマトジュース』数本に毒物を入れたとの趣旨の手紙が届いたんですって。ホーム食品は、トマトジュースを自主回収して全数検査をするそうよ」

 「なんだって!? トラブルじゃなくて事件じゃないか! 対象商品は、何本なの?」

 「だいたい20万本だって!」

 「何千万円もの損失がでる数じゃないか」

 「お客様の安全には代えられないってコメントだったそうよ」


 ホームファームの中で、トマトのファームは、茨城県にある。そうでなくても東日本大震災による福島原発の事故で、福島県に隣接する茨城県は、大きな風評被害を受けた。ホームファームでは、他社に先駆けて、ゲルマニウム半導体検出器を導入し、セシウム134及び137の合計を水と同じ10Bq(ベクレル)/1kg で管理すると宣言したが、震災直後の売り上げは半減した。その後徐々に売り上げが回復し、ようやく震災前に戻ったところだった。


 誠は、考えた。「マナナ化粧品の皮膚トラブル、スマート電気の火災事故、そして、ホーム食品の自主回収。それにしても、何故、急にトラブルが発生しだしたのだろう」と。

 「いずれも、メーカーの責任である可能性はない。しかし、『Shall We Project』が活発に動き出してから、たて続きに起こっている感じは否めない。」

 誠は、何か、嫌な感じがしていた。

<第六章 システムファーム 1>


 次の『Shall We Project』は、ホーム食品(株)、厳選種子(株)とのコラボレーションである。システムファームであった。スマート電子が担うパートは、ソーラー発電の技術で培った豊富なセンサー技術や制御技術で、作物が受けた自然光の質と量、気象の変化、地中の水分量を把握し、最適な水分と肥料を補給するシステムである。


 『Shall We Project』では、日本の農業を再生するためには、農業の企業化が必要だと考えていた。土地が狭く、人件費が高い日本で国際的に通用する農作物を作るためには、科学技術を総動員して高付加価値戦略を目指すしかない。潤沢な資金を集めるためにも、企業化が不可欠なのである。


 とは言っても、個人の農家から土地を買い上げて人材を投入するわけにはいかない。そこで『システムファームプロジェクト』では、農業のフランチャイズシステムとも言える仕組みを考えた。農家は、既存の農地、既存の人材などの資源を提供する。システムサイドでは、各々の農家が持つノウハウの適したソリューションを提供し、システムファーム化の資金と機材を提供する。


 由美子と誠に課せられたのは、高齢化が進む農家の人材でも、高度なソリューションを使いこなすためのインターフェースデザインだった。由美子と誠のコンビは、『ウェーブ・ウォッシュ』のプロジェクトを成功させて以来、彼らにとって幸か不幸かわからないが、プロダクトデザイナーとして能力よりも、インターフェースデザイナーとしての能力が評価されていた。『ウェーブ・ウォッシュ』も『サイクロン・ミキサー』もその操作系の使いやすさのみならず、メンテナンスのしやすさなど、細部まで綿密にデザインされていた。


 いずれの操作系も、タブレット端末のような大きな表示パネルに表示されたディスプレイに直接タッチすることによって直観的に操作できることが魅力だった。システムファームの操作系も、タブレット端末でどこにいても履歴を閲覧することができ、設定を変えることができた。また、一度、農地の形を入力してしまえば、農地の状態をビジュアルで確認することができた。

<第五章 自主回収 3>


 その日、由美子と誠は、『Shall We Project』の一環として、横浜にある「厳選種子 株式会社」を訪ねた後、由美子の「たまにはぜいたく」というて案で、港が見える丘公園に隣接しているレストランにいた。

 「結局、洗濯機の発火案件はどうなったの?」

 「結局、洗濯機が動かなくなった時、新しい洗濯機が届くまでということで、病院の職員の人がヒューズのところをバイパスさせて取りあえず動くようにしたみたいなの。それが原因で基盤に過電流が流れてダイオードが過熱して発火したらしいんだ。だから、誤使用ということで、スマート電気には非がないという結論になったの。でも、品質管理部の木村さんは、『ヒューズはあくまで最後の安全装置で、それが切れるということは、何か問題が起こっていた可能性がある。』って話していたわ。」

 「そうなんだ。でも、ボヤ程度で済んで良かったね。病院で火災なんてことになると、大変なことになっていたかもしれない。それにしても、その職員の人、中途半端な知識で直さないで欲しいよね。じゃ、せっかくの夜景を前にしているので、この話は終りね。」


 「さて、じゃ、今日の『厳選種子』さんとの話だ。」

 「え~っ、また仕事の話なの? 誠、たまには、何か楽しい話題ないの?」

 「意外だなぁ~由美子は、仕事の話が一番好きなのかと思っていたよ。」

 「まあ、誠とは、そうかもね。」

 「なんだよ、誰とだったら、そうじゃないの?」

 「それは、内緒」

 「ちぇっ」

 それでも、傍から見ると、二人の会話は、仲の良い恋人同志のじゃれあいにしか見えなかった。


<第五章 自主回収 2>


 「佐藤、スマート電気の鈴木さんから電話!」

 由美子からは、昨日、マナナ化粧品についての電話があったばかりである。

 「どうしたの」

 「誠、大変、今度は、うちなの、しかも洗濯機が原因と思われる火災が発生してしまったの」

 「まさか、『ウェーブ・ウォッシュ』で?」

 「ううん、10年前に販売していた機種なんだけど、病院で患者さんが自由に使えるようにしていた洗濯機が発火したの。火災自体は、ボヤ程度で、看護婦さんが消火器で消し止めたんだけど、煙の検知器が作動して消防署が出動したために、火災扱いになったので、消費者庁にも報告しなければならないの。現品は、消防署に押収されていて、品質保証部の井上課長と木村さんが赴いて確認したところ、どうやら本来あるべきヒューズが外され直結状態になっていたらしいの。」」

 「誰かが、断線したヒューズを外して、直結させたってこと」

 「そうなの、だから、安全装置であるヒューズが外されていたということで、製品の仕様に関する問題や、工程不良である可能性はないんだけど、10年前の製品とはいえ、ヒューズが外され直結になっていただけで、なぜ発火に至ったかについては、消防庁、経済産業省、スマート電気で協力して突き止めなければならない問題になってしまったの。」

 「そうか、それで、由美子は、何をしなければならないの?」

 「私は、品質保証部の報告を受けて、お客様やお取引様に告知する情報の検討委員会に召集されたの、もちろん、既に販売中止された製品についての仕事ではなくて、『ウェーブ・ウォッシュ』の販売に影響が出ないように、マーケティング部や営業部に適格な情報を提示する役割。」

 「随分、大事な仕事を任されたんだね。僕に手伝えることは何かある?」

 「ううん、特にないんだけど、誠には、報道で知る前に伝えておこうと思ったの」

 「わかった。由美子が『Shall We Project』に専念できない間、僕ができることを薦めておくよ。」

 「ありがとう、お願いします。」

 由美子は、いつになく元気がなかった。『ウェーブ・ウォッシュ』への影響が少なからずあることを心配しているようすだった。

<第五章 自主回収 1>


 「佐藤、スマート電気の鈴木さんから電話!」

 「あっ、誠、いそがしいところごめんね。実は、マナナ化粧品の美白化粧水で、皮膚トラブルが複数件発生して、自主回収するみたいなの。『ウェーブ・フレグランス』は、芳香柔軟剤なので、直接の影響はないとおもうけど、一応、連絡しておこうと思って」

 「それは、大変だね。マナナ化粧品の加藤課長や吉田さんは大丈夫なの?」

 「二人とも事業戦略部なので、顧客対応はしていないみたいなんだけど、お取引先からの問い合わせへの対応で、仕事にならないみたい。その合間に、中村課長に連絡をしてくれたの。」

 「分かった。山本さんにも報告しておくよ。何か原因の推察は出来ているの?」

 「加藤課長の話によると、どうも5年以上前に製造したリニューアル前の製品が、ディスカウントストアで安く売っていて、それを買ったお客様から皮膚トラブルのお申し出があったらしいの、旧製品だったし、ロットを調べたら、5年前の商品だったこともあって、内容物を分析したところ、微生物などは、認められなかったものの、若干酸化していたみたいなの。お申し出が3件あったことから、ホームページで告知して自主回収することになったんだけど、消費期限が書いていなかったことについて、一人のお客様が怒っているらしいの。」

 「そうか、そういうことなら、大きな問題にはならないと思うけど、全てのお取引先様に状況をご理解いただくためには、数日かかりそうだね。」

 「そうなのよ。電機メーカーの品質管理も大変だけど、化粧品メーカーは、経過した時間による変質も起こるので大変ね。」

 「分かった、情報ありがとう。また、新しい情報が入ったら教えてくれる? でも、処方の不良や、工程不良じゃなくて良かった。マナナ化粧品は、研究開発力に定評があるし、品質管理も厳しいので、驚いたけど、早く収束すると良いね。」

 「そうね。『Shall We Project』で、多くの会社とコラボレーションするようになると、電器メーカーの商品だけでなく、ケミカル商品や食品分野のことも勉強しておいた方がよさそうね。大変だ!」

 「まあ、これも自分たちを成長させるためのチャンスだと思って、頑張ろう!」

 「わかった。またね。」

<第四章 効果的な食べ物 5> 


 由美子と誠は、ブレーンストーミングで様々なアイデアを提案した。


 1つ目は、スマート電気のLED照明を導入することで、省エネのために暗くなった店舗を明るくすること。2つ目は、同様に、スマート電気の店舗用AVシステムを導入することで、心地よい音楽や子ども受けするビデオを流すことによって、誰もがリラックスできる雰囲気をつくること。3っつ目は、スマート電気の子会社で、映画館などの設備を提供しているスマート興行が開発した吸音性に優れるカーペットや壁材、天井材を導入することによって、店舗の喧騒を吸収するというものだった。


 特に、スマート興行の建材は、防災、耐久性にも優れるだけではなく、現在の建材の上に貼るだけという、施工の容易さも魅力だった。


 スマート電気とダラス・ハンバーガーのコラボレーションは、合同会議で既決され、これらの機器・建材が、ダラス・ハンバーガーに採用されたことをプロモーションに使用することと引き換えに、原価で提供された。

 

<第四章 効果的な食べ物 4>


 顧客のヘルシー志向に支えられ、業績が向上している『メトロ・サンドイッチ』に対し、同じ外食チェーンの傘下にある『ダラス・ハンバーガー』は、2期連続の減収減益に、業績予想を下方修正していた。

 『ダラス・ハンバーガー』は、メインのハンバーガー以上に、揚げ立てでもべたつかず、時間がたっても軟らかくならないフレンチフライが売り物だが、これは、常温で固体化する牛脂から作ったショートニングのおかげであった。しかし、このショートニングは、悪玉コレステロールを増加させ、善玉コレステロールを減少させるトランス脂肪酸を多く含み、心臓病発症のリスクが増大する可能性があると指摘されていた。


 ダラス・ハンバーグは、安くてボリューム感のあるメニューが魅力で、中高生や、若い主婦などに支持されていたが、このような指摘がニュースで流れてから、イメージが徐々に悪くなり、業績不振に至ったという評価が一般的であった。


 由美子と誠は、ダラス・ハンバーグの北千住店を訪れた。サイクロン・ミキサーで、メトロ・サンドウィッチ』の売り上げ向上に少なからず貢献したプロジェクトチームにも、サイクロン・ミキサーの導入依頼と、ダラス・ハンバーグの売り上げ向上プロジェクトのブレーンストーミングに参加要請が来ていたのだ。


 「ねえ、誠、『ダラス・ハンバーグ』は、『メトロ・サンドウィッチ』と同じ外食チェーンの傘下とは思えない程、お店の状態が悪いわね。床のPタイルはすりへって、下の層が露出しているし、建具の角は、塗装がはがれているわ、それに、さっき店員さんが、店の中央にある扉を開けて、中から清掃道具を取り出していたけど、清掃道具が入っている倉庫が、フロアから見えるところにあるというのも、残念なレイアウトね。」

 「確かに、そうだね。他の店はどうかわからないけど、売り上げの悪さは、健康志向に乗り遅れただけではなく、店の衛生状態や、くつろげない雰囲気にあるのかもしれないね。フロアの喧騒も、落ち着かない雰囲気に繋がっているけど、音を反射しやすい建材にも問題があるかもしれないね。」オーディオマニアでもある誠は、Pタイルの床、ツキ板張りの壁や天井にも問題を感じだようだった。


 



 

<第四章 効果的な食べ物 3>


 『業務用サイクロンミキサー』は、先ず、東京国際フォーラムのメトロ・サンドウィッチに設置された。

 栄養素が豊富な野菜、果物をブレンドし『サイクロンミキサー』で滑らかに仕上げたフレッシュジュースは、有楽町の働く女性たちを魅了したばかりではなく、メタボと戦うオジサンたちにも支持された。

 当初は、Lunchtimeの売り上げだけだと想定していたが、早朝出勤するビジネスマンが、コーヒーの代わりに購入する姿も見られた。


 知的なビジネスマン・ウーマン達は、啓蒙しなくてもフレッシュジュースには、酵素・ビタミン・ミネラルが豊富であることを熟知しており、300円という価格にも関わらず、初日から、『サイクロンミキサー』が悲鳴を上げるほどの売り上げであった。また、テイクアウト用に用意したサラダセット(ホーム食品のファームから直送されたトマト、キュウリ、レタス)、季節のフルーツセットも、サンドウィッチの売り上げをおびやかすほどの好評であった。


 オープニングセレモニーに訪れた由美子と誠は、メトロ・サンドウィッチの山口常務から発せられた

 「まさか、うちで生の野菜や果物を売ることになるとは、夢にも思わなかったが、この機会をサンドウィッチではなく、健康を販売するチェーンとして更なる飛躍のきっかけにしたい。」という言葉に感動した。


 誠は、「まさか、ファストフードチェーンが、生野菜や果物を販売する拠点になるなんて、夢にも思わなかったね。『サイクロンミキサー』で作ったジュースを飲んだ人が、ホーム食品の野菜や果物が栄養が豊富なだけでなく美味しいことを知って、野菜や果物を買ってくれるようになると、ホーム食品の佐々木さんが言っていたネット販売も求められるかもしれないね。モーニングコーヒーじゃないけど、毎朝ジュースを飲む習慣を根付かせることがだいじだね。」


 由美子は、「それもそうだけど、私たちの本来の仕事は、早く家庭用の『サイクロンミキサー』を開発することよ。さあ、今日もピザを食べながら仕様を詰めるわよ!」と言った。

 

<第四章 効果的な食べ物 3>


 ホーム食品との打合せが終わった後、いつものように由美子と誠だけの反省会が開かれた。

 今日の会場は、いつものピザ店ではなく、ベーカリーに併設されたレストランである。

 いつも元気な由美子が、レストランの高い天井を見上げながら言った。


 「マナナ化粧品とのタイアップと違って、ホーム食品とのコラボは難しいわ。」

 「そうだね、洗濯機に投入する柔軟剤という関係と、ジューサーミキサーと野菜や果物の関係はどうしても結びつきが弱いな。何か、いいアイデアを考えないと、この企画は無くなるかもしれないな。『サイクロンミキサー』にとっては、栄養価が高い野菜や果物の方が良いけど、絶対それじゃなければダメだってことじゃないからね。マナナファームで収穫した野菜や、マナナ食品が輸入した果物を使う理由が欲しいね。」


 「なあ、由美子、たとえば、マナナ食品に直営のジュースバーを出してもらうというのはどうかな?素材は、マナナ食品の野菜や果物を使い、サイクロンミキサーを使ってジュースを提供する。」

 「えっ!なんか、似たような話を聞いてことがあるわ。なんだっけ? あっそうだ、この前読んだ、マクドナルドの創業者レイ・クロックの自伝だわ! ねえ、誠、直営のジュースバーを出店するアイデアは良いけど、ハードルが高くない? 既にあるヘルシーなファストフードも交えてのコラボは出来ないかしら?」


 二人は、アイデアを詰め、伊藤本部長から『Shall We Project』に提案してもらったところ、十二穀ブレッドにヘルシーな食材をはさむというコンセプトで、女性からの支持を集める『メトロ・サンドウィッチ』が新たに参加してくれることになった。『メトロ・サンドウィッチ』は、以前からパックのジュースに加えて、フレッシュジュースを提供していたが、機器の洗浄に手間がかかるために、500円という割高感のある価格を下げることが出来なかった。


 機器の問題は、『サイクロンミキサー』が解決し、栄養価の高さで定評のある、ホーム食品の野菜や果物を素材として使用することで、販売が増えることが期待される。『メトロ・サンドウィッチ』は、まだ東京を中心に、424店舗と小さいチェーンであるが、将来性はあると判断された。