<第四章 効果的な食べ物 3>
ホーム食品との打合せが終わった後、いつものように由美子と誠だけの反省会が開かれた。
今日の会場は、いつものピザ店ではなく、ベーカリーに併設されたレストランである。
いつも元気な由美子が、レストランの高い天井を見上げながら言った。
「マナナ化粧品とのタイアップと違って、ホーム食品とのコラボは難しいわ。」
「そうだね、洗濯機に投入する柔軟剤という関係と、ジューサーミキサーと野菜や果物の関係はどうしても結びつきが弱いな。何か、いいアイデアを考えないと、この企画は無くなるかもしれないな。『サイクロンミキサー』にとっては、栄養価が高い野菜や果物の方が良いけど、絶対それじゃなければダメだってことじゃないからね。マナナファームで収穫した野菜や、マナナ食品が輸入した果物を使う理由が欲しいね。」
「なあ、由美子、たとえば、マナナ食品に直営のジュースバーを出してもらうというのはどうかな?素材は、マナナ食品の野菜や果物を使い、サイクロンミキサーを使ってジュースを提供する。」
「えっ!なんか、似たような話を聞いてことがあるわ。なんだっけ? あっそうだ、この前読んだ、マクドナルドの創業者レイ・クロックの自伝だわ! ねえ、誠、直営のジュースバーを出店するアイデアは良いけど、ハードルが高くない? 既にあるヘルシーなファストフードも交えてのコラボは出来ないかしら?」
二人は、アイデアを詰め、伊藤本部長から『Shall We Project』に提案してもらったところ、十二穀ブレッドにヘルシーな食材をはさむというコンセプトで、女性からの支持を集める『メトロ・サンドウィッチ』が新たに参加してくれることになった。『メトロ・サンドウィッチ』は、以前からパックのジュースに加えて、フレッシュジュースを提供していたが、機器の洗浄に手間がかかるために、500円という割高感のある価格を下げることが出来なかった。
機器の問題は、『サイクロンミキサー』が解決し、栄養価の高さで定評のある、ホーム食品の野菜や果物を素材として使用することで、販売が増えることが期待される。『メトロ・サンドウィッチ』は、まだ東京を中心に、424店舗と小さいチェーンであるが、将来性はあると判断された。