ORANGEの備忘記録 -31ページ目

薄味好き

串刺し定食…昼食は、お野菜だけ頂いて、やめにした。

普段から体重過多も気にしていたが、長い入院で、出されるままに食べているとカロリーオーバーする。

いえ、病院は、ちゃんとカロリー計算したものを出してくれる。

カロリーオーバーは、自分のかつての経験からだ。

出産で入院した病院食、カロリー計算されているからと、安心して全部頂いていた。
オマケにおやつに有名店のケーキまで出る!
妊娠中、ずっと体調が優れなかった体が、産後ケロッと軽くなり、食べたい物が抵抗なく食べられる嬉しさと、カロリー計算されている安心から、全部食べていたが、1週間後、ビックリするほど体重が増えていた。

その経験から、全部食べてはいけないと考えた。

それに、今回の入院は本当に反省していた。だから、反省している人間が、さらに太ってはいけない!ありえない!という気持ちが大きかった。

よく病院食は薄味で…なんて話をよく聞くが、内科の病棟ではなかったからだろうが、そんなウンザリするような物ではなく、むしろ薄めの味付け、野菜多めの内容は好みだった。


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床擦れ&串刺し定食

急患ばかり集められた病室から、一
般病棟へ移された。

検査などでどこに移動するにもベッドごと。

天井ばかり見ての移動は方向感覚が弱まり、どこに移ったのか、へたするとエレベーターに乗せられても上がっているのか下がっているのか怪しい。

移動先は、8階と、看護師さんが案内して下さった。

そこは本来は6人部屋なのだそうだが、今は4人部屋として使っている。

一人一人のスペースに余裕があった。

部屋に入ると、看護師さんがなれた様子で、「よろしくお願いしま~す」と大きな声で、挨拶して下さった。
慌てて私も「よろしくお願いします」と続けた。
天井しか見えてないので、どんな方がいらっしゃるのか正直わからなかった。

ベッドは、寝たきり用のベッドを用意して下さった。至れり尽くせり。

しばらく動けないから、床擦れが心配と言う理由だった。

「床擦れがそんなに?大袈裟な!」
なんて思ったが、早い人は数日で床擦れが始まるそうだ。

マットレスの下に、空気で僅かに膨らんだりしぼんだりする装置がセットされていた。

普通にしていてもわからないほどの微動だった。

しばらくすると、昼食の時間になった。

入院当初から、「串刺し定食があるから、食事は心配ないですよ」と聞いていたが、想像がつかなかった。

いざ、配膳されて判った。
「串刺し定食」の響きが、なんともモヤモヤ感が湧き、気になっていた。
動かせない体の上にある、ベッド用のテーブルの上から、こちらに向かって串の持ち手が並んでいるのが見えた。

恐る恐る1本持ち上げてみると、ほうれん草がグサグサと刺さっていた。

!!

何か、可笑しい。でもスッゴくありがたい。

他の串にも、魚など主菜副菜が、やはりグサグサ刺さっていた。
白飯も、蓋付きの丼ぶりをそっと開けると、小さくオニギリになっていた。

これなら、仰向けのまま、口元に運んで食事ができる。

串刺し定食に、特別にありがたいと思うのは、ワケがある。

今はもう亡くなった祖母が以前、とある病院の整形外科病棟で入院していた時の事だった。

向かいのベッドの患者さんは、「起き上がり禁止」の札が下がっていた。

食事の時間になると、看護師さんがトレーを運んできたが、ベッドの足元のテーブルの上に黙っておいて、立ち去ってしまった。

そこの病院は、基本的に看護師さんは配膳も食事の介助もしない、という決まりだ。

一見、無愛想な気もするが、運んでくれただけ親切だったのか…。

見かねた母が、患者さんに声をかけ、枕元にトレーを置くと、横になりながらゆっくり食事を始めていた。

別の日、また同じように食事の時間に、その患者さんのテーブルの上に食事がおいてある。
「起き上がり禁止」の札は、下がったままだ。

人見知りで、多感な年頃だった私は、気にはなったものの、声をかける勇気はなかった。

暫くすると、食事を下げる時間を過ぎていたのだろうか、看護師さんは、その患者さんに「食べないの?下げますよ」と聞いた。

その患者さんは、ウンウンと頷いて、それ以上の会話はなかった。

食事は下げられた。

もしかしたら、食事をあまりとりたがらない患者さんだったのか、端から見ると、不親切に見えてしまっただけで、病院側も周知の事だったのかもしれない。

事情は判らないが、とにかく寝たきりは、想像以上に食事が困難だというのは思い出としても印象的だった。

串刺し定食は、他人の手を借りずに食事できる優れた方法で、本当にありがたかった。



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生体反応

さて、病院でこれから入院生活を送ることになった私は、少し検査をする事になった。

背骨が潰れるほどの衝撃を受けた体が、他のダメージを受けていないか、特に内臓をチェックするとのこと。

そうか、私の怪我は内臓も心配されるほどの衝撃だったのか。

超音波で確認してもらうも、異常なし。一安心だ。

他にも検査を受けたかもしれないが、正直記憶が曖昧だ。

キツく巻いたコルセットが苦しい。

どうやらこの頃に、熱が上がってきてたから体全体がしんどかったようだ。

生体反応だそうで、手術を受けたり、体に大きな衝撃を受けたりすると熱が上がり、下がるまで数日かかると。

今日は、ひとまず急患ばかり集められた部屋に移動した。

痛みと熱で、寝付けない。
看護士さんが、痛み止めを持ってきてくれた。
珍しくあまり効いてない。それほどの痛みだった。

部屋には既に数人が休んでいた。

入院になれているのか、飲み物に氷を入れてと氷の量まで指定し、トイレに勝手に行こうとし注意されたりで、全然寝ない女性がいたり、大きないびきの男性がいたり、辛そうに、うなされる人もいたり、本当にいろんな人がいた。

でもさすがに、深夜にはウトウト眠ることができた。


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