ORANGEの備忘記録 -32ページ目

予兆

夫達は、やっと帰路についた。

病院から自宅までは、車で二十分程。
子供達はかなりの夜更かしになってしまった。

夕食は、お昼用にと、作って持って行ったお弁当を食べたそうだ。

後から聞いた話だが、この時夫が家に帰ると、一泊する予定だった今回のスキーでの、子供達の着替えのバッグを子供部屋に置き忘れていたそうだ。

車で一泊する予定だったので、宿のキャンセルなどは発生しないが、家からスキーウエアをきて出発したため、一切の着替えがなかったのだ。
どのみち、一泊は出来ずじまい。

そんなに大事な着替えを忘れるなんて、朝からボンヤリ、事故の予兆はあったのだ。

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3週間

いよいよ入院の手続きやらが始まった。

看護士さんに今日は何を食べたのか聞かれた。

実は朝から何も食べていない。
先の述べた通り、缶コーヒー1本だけだ。

すると、すぐに点滴を始めてくれた。
トイレにも行かれないので、管をつけてくれた。

入院は3週間になると説明された。

申し訳なくて涙が出てきた。
一番最初に思ったのは、子供の遠足の事、そして一番悔しかったのが、幼稚園の卒園式に出席出来ない事が判ったからだ。

そして、自分がいないことで、多くの大人に迷惑かけること。
何もかも悔しかった。

子供達は、朝食べてから、移動中にお菓子を食べただけで、今もう23時近いと聞かされた。

子供達の心配はしないでいいからと夫は言うが、食いしん坊の次男坊、心配屋さんで聞き分けの良い長男、気の毒だった。

私の落ち着く先が決まったから、夫達には直ぐに帰宅してもらった。
さぞお疲れの事、家族はゆっくり休めるだろうか。


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グチャグチャで到着。

3時間、じっと気配を消すようにしてベッドに横たわっていた。

車にベッドが常設されているといっても、怪我人には過酷だ。

いよいよ、入院すべく地元の病院に到着した。

予め連絡してあったため、夫が受付に行くと、すぐさま医師や看護士が車まできてくれた。

這って出ようとすると、絶対に動いてはダメと言われた。

でも
狭い車内、どうやって外に?と思っていると、夫や男性医師が、年齢とともにだいぶ重たくなった私を板状の担架で運び出すと!

何度も言うが、車内は狭い。

担架は間違い無く、重たい私を乗せても、傾けないと外に出られない。

でも、「大丈夫だから」と、動けない私は引きずりだされ、何やらグチャグチャと担架に乗せられそのグチャグチャとした勢いで、男性陣の踏ん張り声とともに、外に出してもらった。

…救急車で来ていたら、さぞスムーズだったことだろう。

おまけに、先の病院でコルセットを巻いてもらった時に少し下げたスキーウェアのパンツがだらしなく開き、恐らく下着も見えていたと思う。

みっともない姿を詫びると、医師までなぜか「こちらこそ何かすみません…」と謝ってくる。

これ以上謝ってもお詫び合戦になって、なんか楽しくなってはマズいと思い、それ以上言うのはやめた。

恐らく、車から出るのにグチャグチャしたのを詫びていたのか。

いえいえ、その事態を招いたのは、自分達です…。すみませんでした。
無事に出してくださってありがとうございました。


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