こんにちは、培養部門です。
以前にもミトコンドリア機能が低下すると卵子の質の低下を招くことを説明しました。
ミトコンドリア機能の低下が妊娠率の低下を招く
不健康な生活習慣（ 少ない睡眠時間・運動をしない・タバコを吸う等 ）や年齢の上昇はミトコンドリアの数や機能を低下させます。
ミトコンドリアの機能を改善することができれば、卵子の質を保つことができます。
ミトコンドリア機能を改善する試みとしてNMN（ ニコチンアミドモノヌクレオチド ）の摂取が挙げられます。NMNは体内に吸収された後、NAD＋に変換されます。加齢によって体内のNAD＋濃度が低下しますが、NMNを摂取し体内のNAD＋濃度を上昇することで様々な良い効果をもたらすことが期待されています。
実際にNMNを高齢マウスに投与すると、妊娠率・出産率の増加が報告されました。
また、ヒトでは情報が少ないですが日本の研究グループによると点滴でNMNを投与すると安全にNAD＋の血中濃度を高めることが報告されました。
現在、NMN投与による効果については研究途中ですが将来的にはさらに有効性や安全性が確認され治療として確立されることが期待されています。
NMNサプリメントが多く販売されていますが、高額であることや販売元が多く個人では信頼できるNMNサプリメント会社を選ぶことが難しいことが現状として挙げられます。NMNによる治療やサプリメントの購入には十分な注意が必要です。
参考
Michael J et al. NAD+ Repletion Rescues Female Fertility during Reproductive Aging.Cell Rep.
Shintarou K et al. Nicotinamide Mononucleotide Is Safely Metabolized and Significantly Reduces Blood Triglyceride Levels in Healthy Individuals. Cureus.
François R .Regulation of mitochondrial biogenesis.Essays Biochem.
Yoshiharu M. 卵子ミトコンドリアと生殖医療.J.Mamm.Ova Res.
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当院の初診について
当院の不妊外来を初めて受診される際にお電話での予約が必要な理由
当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。
大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH（ 抗ミュラー管ホルモン ）検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。
当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。
大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費（ AMH検査・精液検査 ）が助成されます
当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。
PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。
↓詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。
※PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。
PRP療法とは再生医療の一つです。
様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。
子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。
先進医療、PGT-A、PRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。
文責：培養部門
〔生殖医療専門医〕古井憲司