こんにちは培養部門です。

 

血液中の銅と亜鉛の濃度は妊娠に影響することが分かっています。

胚移植を複数回行ってもなかなか妊娠に至らない方や複数回に渡って流産されている方は血液中の銅と亜鉛のバランスが乱れている可能性があります。

血液中の銅と亜鉛の検査は子宮内フローラやERA検査、不育症検査などと同様に着床環境を知る大切な検査の1つです。当院でも血液中の銅と亜鉛の検査を行うことが可能です。診察の際にご相談ください。

 

銅と亜鉛について説明します。

銅と亜鉛同じ吸収経路をたどり、互いに効果を打ち消しあうようにはたらく性質があります。つまり、血液中に亜鉛が多くある場合は銅の吸収が抑制され、銅が多くある場合は亜鉛の吸収が抑制されます体に必要な量の銅と亜鉛を摂り、さらには適切なバランスを保つことが必要です。



銅と亜鉛の働き

銅は生命活動に必要不可欠なミネラルでありエネルギーの産生、骨の形成やヘモグロビンの合成に関係があります。銅が不足すると貧血や白血球数の減少、骨粗鬆症につながります。

亜鉛皮膚や粘膜の健康維持に関係があります。亜鉛が不足すると、嗅覚障害や味覚障害、さらには免疫力の低下、爪皮膚の異常につながります。亜鉛は体内で作り出すことができないため食事から摂取する必要があります。

 

体内に銅と亜鉛が低下している場合は両方を摂取する必要があり、どちらか一方が不足している場合はそれを補う必要があります。

亜鉛の1日の摂取の推奨量( 日本人の食事摂取基準( 2020年版  18歳以上の女性で8mg18~74歳の男性で11mgとされています。

牡蠣・豚のレバー・さんま・油揚げ・卵に多く含まれておりますが、食事から1日の摂取量を確保することは難しいとされており、亜鉛のサプリメントで摂取量を補うことが推奨されています。一方で銅1日の摂取の推奨量( 日本人の食事摂取基準( 2020年版 ) )は18歳以上の女性で0.7mg18~74歳の男性0.9mgとされています。銅は牛肉豆類・いか・かに・えびなどに多く含まれており、日本人の食文化から考えると日常の食生活で十分に足りていると考えられています。日本人で銅が欠乏している方はほとんどいないとされています。

男性の亜鉛不足も精子の質を低下する報告もあることから、女性と同様に亜鉛を意識的に摂取していくことが大切です。

 

参考:日本人の食事摂取基準(2020 年版)


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当院は不妊治療に関わる先進医療を行なっております。

当院の不妊治療に関わる先進医療の種類と効果


大垣市在住のご夫婦を対象として、自費診療でAMH 抗ミュラー管ホルモン )検査、精液検査を実施した場合に大垣市から助成金を受け取ることができる制度が開始されました。

当院で行うことができます。お電話にてご予約をお願い致します。

大垣市在住のご夫婦を対象に妊活検診費( AMH検査・精液検査 )が助成されます


当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

詳しくはこちらをご覧いただければ幸いです。

PGT-A 染色体異数性検査 )の要件が変わりました


PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。


当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。


先進医療、PGT-APRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。


文責:培養部門

 〔生殖医療専門医〕古井憲司