こんにちは、培養部門です。

 

これまでBMIと不妊治療について説明してきました。

低BMI(低体重・やせ)は不妊治療の成績に影響する?

BMIと妊娠と出産

 

BMI=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)で算出することができます。

日本では、25以上が肥満、18.5未満が低体重(やせ)とされています。

18.5~24のいずれかであると、最も病気になりにくい状態であるといえます。

 

PGT-A( 胚盤胞の染色体が正常かどうか調べる検査 )を行い、正常胚を移植した際にBMIが妊娠率、出産率にどのように影響するのか調べた論文があります。

その結果、PGT-A後に正常胚と判定された胚盤胞の流産率は、BMIが30以上で高いことが分かりました。

つまり、BMIが30以上ある場合は胚盤胞の染色体以外原因で出産に至らない可能性が極めて高いことが言えます。

論文によると、体外受精の培養成績( 受精率やPGT-A後の正常胚率 は、BMI値による差は認められませんでした。しかし、採卵後新鮮胚移植の場合は1週間以内全胚凍結の場合は、1~2カ月後に胚移植を行います。BMIが30以上の場合は採卵前からBMIを調整する必要があります。

 

より妊娠率、出産率の高い治療を行うには、クリニックの高い医療技術や高水準設備と同様に、自分自身の健康管理も非常に重要です。

 

PGT-Aについての記事

採卵時に採取できる染色体が正常な卵子の割合は、採卵した卵子が多くても、少なくても変わらない

女性の年齢と染色体の正常な卵子の割合

モザイク胚は本当にモザイク胚?

モザイク胚の妊娠と出産

モザイク胚の妊娠率、出生率、妊娠期間、出生時体重は変わりますか?

 

クリニックママのホームページ

 

不妊治療卒業メッセージとしてたくさんの方からメッセージをいただいております。

是非、ご覧いただければ幸いです。

不妊治療卒業メッセージ

 

お知らせ

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

 

PGT-A対象者

・直近の胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠が成立していない方

・直近の妊娠で臨床的流産を2回以上反復している方

・夫婦いずれかにリプロダクション(生殖)に影響する染色体構造異常を有する方

 

PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

PGT-APRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院の不妊外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 〔生殖医療専門医〕古井憲司