こんにちは、培養部門です。

今回は、BMIと不妊治療について説明します。

以前の記事、BMIと妊娠と出産でも説明させていただきましたが、BMIの値が高い(肥満)でもBMIの値が低い(低体重・やせ)でも妊娠や出産に悪い影響を及ぼします。

 

今回はBMIの値が低い(低体重・やせについてまとめた論文を説明します。

BMIと不妊治療について記された論文の多くで、低BMI(低体重・やせ)は不妊治療の成績に悪い影響を及ぼしました。

一方で、いくつかの論文では低BMI不妊治療の成績に影響しないと報告されています。

この理由として、人種や民族の違いによってBMIだけでは判断できない要因が影響していることがあげられます

現に、ラテンアメリカの方で検討を行った結果は低BMIと不妊治療の成績に関連がみられませんでしたが、中国の方で行った検討では成績に悪い影響を及ぼしたことが報告されています。

 

日本では20歳台女性の低BMIの割合が増加傾向にあり、厚生労働省BMIに対する健康リスクについて警鐘を鳴らしています。

BMIは一つの指標に過ぎませんが、適正体重を目指して生活すること妊娠、出産の可能性を高めること、ひいては出産される児の健康を守ることに繋がると考えられます。

適切なカロリー摂取や栄養バランスを考えた食事を摂ることは、とても大変なことだと思います。しかしながら、ご自身の適正体重を少しでも意識しながら生活を送ることが重要かもしれません。

 

お知らせ

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

 

PGT-A対象者

・直近の胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠が成立していない方

・直近の妊娠で臨床的流産を2回以上反復している方

・夫婦いずれかにリプロダクション(生殖)に影響する染色体構造異常を有する方

 

PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

PGT-APRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院理事長または院長の外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 

 〔生殖医療専門医〕古井憲司