こんにちは、培養部門です。

 

今回は、PGT-A結果とモザイク胚の妊娠率について説明します。

 

以前にPGT-Aについて書いた記事です。ぜひご覧ください。

当院は日本産科婦人科学会より、着床前診断の実施施設として承認されています

PGT−A(着床前診断)を受けるには?

胚盤胞のグレードとPGT-Aの結果は相関する?

PGT-Aは治療費用を軽減し、治療期間を短縮する

PGT-A正常胚を移植した時の出産率に影響する要因

 

PGT-A結果は主に3つに分類されます。

染色体数が正常な細胞のみの正常胚、染色体数が異常な細胞のみの異常胚、染色体数が正常な細胞と異常な細胞が混在するモザイク胚です。

 

 

異常胚は原則移植を行わず、移植可能であるのは正常胚とモザイク胚です。

モザイク胚の取り扱いに関しては世界的にも活発に議論されており、移植を行うときは適切なカウンセリングが必要です。詳しくは当院のPGT-Aカウンセリングで説明致します。

 

モザイク胚は正常胚に近い低頻度モザイク胚と異常胚に近い高頻度モザイク胚に分類されることがあります。

では、モザイク胚はどのくらいの妊娠率なのでしょうか?

こちらの論文をご覧ください。

 

 

低頻度モザイク胚の妊娠率は50%、高頻度モザイク胚の妊娠率は27%であることがわかりました。

低頻度モザイク胚であれば高い妊娠率を期待できることが言えます。

 

しかしながら、モザイク胚を移植する際は医師の診断のもとにPGT-A結果を十分に理解することが非常に重要です。

正常胚を移植した場合の妊娠率は60〜80%とされています。当院でも正常胚を移植した結果、かなり高い妊娠率を確認しております。今後、お伝えさせていただきます。

 

お知らせ

 

当院はPGT-A実施施設として日本産科婦人科学会に承認されています。

PGT-Aを行うことによって、複数回の妊娠不成立や流産を繰り返す方に妊娠率の向上と流産率の低下が期待できます。

 

PGT-A対象者

・直近の胚移植で2回以上連続して臨床的妊娠が成立していない方

・直近の妊娠で臨床的流産を2回以上反復している方

・夫婦いずれかにリプロダクション(生殖)に影響する染色体構造異常を有する方

 

PGT-A対象者の方で当院に胚盤胞を凍結保存している場合、採卵を行わずに保存してある胚盤胞を用いてPGT-Aをすることができます。

 

当院でPRP療法を行うことができます。

PRP療法とは再生医療の一つです。

様々な医療分野でPRP治療は行われており、不妊治療分野ではPRP療法を行うと子宮内膜が厚くなるという報告が専門の学会から報告されています。

子宮内膜が厚くなると、移植した胚の妊娠率、出産率が向上します。

 

PGT-APRP療法をご希望の方、ご興味がある方は当院理事長または院長の外来診察を受診ください。

 

文責:培養部門

 〔理事長〕古井憲司