気候変動チョコレート
その名も、気候変動チョコレート、(Climate Change Chocolate) 4ドル95セント。
このチョコレート一枚買うと、アメリカ国民一人当たりの一日の平均的な炭素排出量である、133パウンド(60キログラム)の炭素が相殺されるという計算です。つまりこのチョコレートに支払われる代金の一部を、風力発電などのクリーンテックに投資することによって、自分がそのほかの分野で排出している炭素量を相殺するという考え方で、オフセットとして知られています。
シリコンバレーにある、TerraPass という会社が発売しています。この会社、このオフセットという商品を、さまざまなマーケティングアイディアで売っています。サイトで直接買えるオフセットはもちろん、格安航空券サイトのエキサイトと提携して、航空券とオフセットをあわせて買えるサービスや、派手なところではアカデミー賞の受賞者が受け取る賞金としてオフセットを提供していることも記憶に新しいところです。同社のサイトには、同社の商品を通して合計でこれまでどれくらいの炭素排出が相殺されたかというのが数字で表されています。
一般の消費者にわかりやすく、参加しやすい形で温暖化防止の手段を提供するこのオフセットという考え方、しかしまだまだマイナス面も指摘されています。この方法では、ここから資金提供された技術や施設によって抑制された炭素が、現実に温暖化の抑制にどれほど役立ったのかが明確に算出出来ないという指摘です。そしてオフセットを中世のキリスト教教会が発行した免罪符になぞらえて、一方で罪を犯しながら、(炭素を排出する生活をつづけながら)その罪をお金を払って免じてもらうことで、物事は解決するのか、といった議論もあり、コンセプトだけを売り物にする便乗商売の可能性も指摘されています。
いずれの点も最もですが、現時点では米国の意識改革に一役買っているこうしたアプローチも意味があるのでは、と私は思います。
Cleantechのウェブとブログ
今回は簡単にですがクリーン・テックについて読めるブログやウェブをまとめてみます。圧倒的に情報は英語が多いですが、日本語のブログやウェブサイトもあります。
日本語
日経Ecolomy(エコロミー)のコラム
にある石戸太氏のコラム「環境ビジネスアメリカNOW」は大手のコラムらしく、読み応えがある記事が多いです。ただシリコン・バレーの雰囲気とよりは産業界の動向が全体として分かるというタイプの記事が多いと思います。
スピード感が伝わるブログは「しなやかな技術研究会
」。自分としては情報の幅の広さには非常に勉強させられます。英語の資料も多いですが、日本語の解説コメントが多いのが親切です。
英語
やはり本場は英語なので、英語のニュース・ブログの方が臨場感があります。いくつもあるのですが、自分が一番チェックしているのはグリーンテック・メディア(Greentech Media)
。ウェブ上のメディア会社として去年設立されたので、ネットで読むにちょうどよくできています。ブログも複数
あり、ボストンのベンチャー・キャピタリストのロブ・デイ氏
によるブログやカナダのタイラー・ハミルトン氏
のブログはよく読んでいます。
大御所ではマサチューセッツ工科大学が発行しているテクノロジー・レビューという雑誌のエネルギー特集
が面白いです。ベンチャー企業を沢山輩出している大学が手がけるこの雑誌は、新技術のトレンドを見るには良質な情報源だと思います。
またIT系のサイトも注目に値します。老舗のCNETもクリーン・テックのブログ
があります。
非定期的ですがこの一覧は更新していきたいと思うので、もし面白いウェブやブログがあったらぜひ教えてください。また今後はヨーロッパについても開拓していきたいと思います。
MJ
Low Carbon Diet Day
4月22日は地球デー。国連が1969年に制定した記念日だそうです。この日、スタンフォードのビジネススクールのカフェテリアでは、Low Carbon Diet Dayと銘打って、低炭素メニューを提供します。
低炭素って一体どんなメニューでしょう?炭水化物が少ないってこと?いえいえ、メニューは実は普段とあまり変わらないのです。でも使っている食材の出所が違うのです。普段は20%ほどでしかない地元生産の野菜や果物、肉といった食材の地元供給率を60%まで上げることによって、食品が空輸されることによって発生する温暖化ガスを極力抑えたメニューにするという企画です。
この企画は、本社をスタンフォードのあるポロアルトに構えながら、主要なアメリカの都市でケータリングとカフェテリアを展開しているBon Appetitという会社によるもので、スタンフォードのビジネススクールのカフェテリアも彼らによって運営されています。
アメリカのポップアーティスト、リヒテンシュタインのアートワークをもとにした、ポップなポスターには、“You changed your light bulbs. Now change your lunch“ (電球を変えたんだから、次はランチを変える番だよ。) というコピーが漫画の噴出しのように入り一体何のこと?と思わせます。そして良く見るとその下の”Find out how food choices affect climate change“ (食品が気候変化に与える影響を知ろう)という小さなコピーで、企画の意図を伝える、スマートな演出。なかなか良くできています。
日本でも、地産池消など地元で取れたものを地元で消費しようという動きが経済活性化の視点などから展開されているのを目にしますが、温暖化ガス削減にも大いに役に立つことも、もっと強調されていいかもしれません。そしてこのポスターのように、それは地球に優しいうえにスマートでかっこいいことなことなんだという記号化も相乗効果を生む大切な要因です。シリコンバレーの企業は、食品産業でも敏感にその流れを読み取って、ビジネスプランやブランド構築に役立てています。