クリーンテック(CleanTech) -22ページ目

電気自動車の未来(2)

記事を書いたら嬉しいニュースが入ってきました。日産と東大が電気自動車について日本発ビジネスモデルを練る研究会を発足 させるようです。頑張って欲しいですね。

MJ


電気自動車の未来

ボストンに一週間ほど行ってきました。友人と会って色々と話してきましたが、ハーバード・MITの友人から聞いた話では、実にエネルギー関連のイベントや研究が増えているそうです。「本当に多いよ!」という言葉を聴いて、アメリカでの動きが一段と大きくなっていることを実感しました。

今回はしばらく書きたかった電気自動車について書いてみます。今、電気自動車のベンチャーや取り組みが活気付いています。しかも10年先の未来の話ではなく、数年先、2・3年先に市場導入というニュースが増えています。ベンチャーも増えており、現在世界には30もの電気自動車ベンチャーがあります 。着目を浴びているのはテスラ・モーターズですが、以前このブログでも書いたように 今年すでに最初のスポーツカーを売り出しています。

日本でも先進的な動きが見えてきました。今月はじめには日本では郵便事業会社が所有するすべての自動車約2万台を順次電気自動車に変えていく と発表しました。トヨタ・ホンダに環境対策で先行されていた日産は、追い上げのために電気自動車を日米欧で2010年から発売 すると表明しています。

自分が注目しているのは Project Better Place というシリコンバレーのベンチャーです(関連記事:Economist , Forbes )。ルノー・日産が提携を結んでいるこのベンチャー、電気自動車の充電・交換スポットを契約者に提供するのがビジネス・モデルです。自動車にはガソリン・スタンドというインフラが必要なように電気自動車も電気補充のためのインフラが不可欠です。Project Better Placeは充電スタンドのほかにも電池の交換スタンドも提供します。電気自動車の問題の一つは充電に長時間かかることですが、充電池を取り出して充電されたものに取り替えるのなら交換時間は非常に短時間ですみます。

(Project Better Placeのホームページには分かりやすいアニメーションがあるので是非ご覧ください。トップページ から"Video"をクリックしてください)

Project Better Placeの最初のターゲットはイスラエルやデンマークといった小さな国ですが、徐々に日本や米国といった大市場にも広がる可能性があります。未来の技術と思われていた電気自動車も、もしかしたら数年のうち、よく見かけるようになるのかもしれません。

MJ



大競争時代

先日スタンフォードビジネススクールで、クライナー・パーキンスのパートナーの一人トレイ・バッサロ氏と話す機会がありました。彼女は、現在同VCでクリーンテックならびにIT分野の投資担当をしています。

彼女は、スタンフォード大学で機械工学を専攻後、PalmのPDAをデザインしたデザインファームIDEOで活躍、その後スタンフォードビジネススクールで、クライナー・パーキンスの役員、ジョン・ドー(John Doerr)氏にその才覚を認められ、自分でテクノロジー開発に関するスタートアップ企業を興した後に、クライナー・パーキンスに参画しています。技術を理解するだけでなく、それがどのようにビジネスとして発展していけるかというマネージメントの視点で、埋もれているすばらしい技術を発掘するのが自分の仕事だと、彼女はいいます。


同VCが投資ターゲットとしている地域として、アメリカ、ヨーロッパ、中国、インドを上げていることについて、日本への投資が視野にあるかどうかという質問をしたところ、非常に外交的に「でも、今は中国やインドの成長パワーが無視できないですから」という返答がありました。インドの風力発会社スズロン の目覚しい伸びや、中国のサンテックパワー などの太陽光発電会社の成功は、その技術だけでなく、膨大なエネルギー需要にこたえるため再生可能エネルギーへの転換を打ち出している政府の政策のあり方にも影響されています。この新しい市場に参入するのに、国としての支援体制があるかどうかは、大きな判断材料になるというのです。


またクライナー・パーキンスでは、世界の大学の研究室と直接接触するチームがあり、新しいクリーンテックの技術のインキュベーションにも力を入れているとのこと。具体的に、清華大学やインドの技術系の大学が開発している技術との資本提携の話もしているとのことでした。


こうした現状の中、日本の技術で付加価値を付けた商品やサービスが市場の支持を獲得して勝ち残っていくには、技術の優劣だけでなく、どんな体制やインセンティブをもってそれが応用されていくのかといった、政策を伴った総合的な環境作りが欠かせないのではという思いをますます強くします。

デュターム