クリーンテック(CleanTech) -12ページ目

カリフォルニアのグリーンリーダー

145年の歴史を誇る地域紙、サンフランシスコクロニクルがその記念の一面に、ベイエリアで活躍するグリーンリーダーを特集しました。もちろん、オバマ氏アドバイザーのDaniel KammenUCバークレー大学教授(MJさん前述)も載っています。

民主党支持者の多い、いわゆる「青い州」のカリフォルニアでは、独自の炭素排出量規制条例を州として打ち出してブッシュ政権に拒否されたわけですが、オバマ政権になってこうしたこれまでの独自リーダーシップが日の目を見るようになった安堵感と誇りがそこかしこに見られます。

70年代に経済の成長とともに公害の広がったカリフォルニアでは、当時日によっては、10メートル先がスモッグで見えなくなる日もあったといい、グリーンハウスガスの排出規制に対する強い姿勢は、その時代の遺産だとスタンフォードの同僚が話してくれたことがあります。

ベイエリアにこうしたGreen Leader が多く育っている背景には、クリーンテックへの投機的関心ではなく、地域の教育的遺産があるということを感じさせる特集でした。

デュターム

アメリカ、エネルギー関連就職事情

アメリカ大学院生の後輩が今研究職の仕事を探しているのですが、クリーンテックに関する人材の話が面白かったので公開させてもらうことにしました。

(以下引用)


僕も次5年は確実に環境エネルギー関係の仕事していると思いますよ。魅力的に見える仕事がエネルギー環境に集まっているんです。

企業は、リソースをエネルギー分野に移すにはどうすれば良いかを必死で考えてますよ。2年前くらいから市場は少しずつ気付いていたので、徐々に動いてましたけど、例の金融危機で一気に加速した感があります。

研究者レベルでの人の動きを見ていると結構面白くて数年前まで半導体の先端研究をやっていた研究者が最近は太陽電池の製品化研究やっていたりします。で、ああいう人たちがやると、次の1-2年で結構な品質のものが出てくると思いますよ。

日本のメーカも意外に数年でポコッと追い抜かれる可能性高いかもしれないですね。車載向けリチウムなんかは参入障壁もある程度高いから暫く大丈夫だと思いますが、太陽電池は多分今の優位性を保てないと思います。

結局、この不況だと消費者は商品買わないので、買い替えが必須になるとこを伸ばすしかないわけです。家電も、ドットコムバブル以来、オリンピックと地上デジタル放送のおかげで液晶で稼ぐ時代がここ5年くらい続いたんですが、そこに終わりが見えてきたので・・・次はリチウムと太陽電池が鍵でしょうね。後は、自動車向けの環境触媒かな。

この必ず来る5年サイクルが、この業界の面白いとこなのです。古くはシリコンサイクルなんてよく言いましたが・・・言葉も変わるかも知れませんね。工場立ち上げるのに数億と2年はかかるし、技術者のリソースって意外にも限られているので、投資し間違えると偉いことになるわけです。で、誤った投資を数十年に渡って繰り返すと、デトロイトが出来上がるわけで、上手くコントロールするとインテル、IBM、GEみたいに常に強い会社が出来る気がします。

ちなみに、個人的にはインテルがこの状況にどう対応するか見守っております。Andy
Groveが「リチウムイオン電池で新たなスケーリング則を作れ」って言っているのを、今の経営陣がどう受け止めるか。あの企業は、半導体の中でも人材の「質」が違う会社なので、どう転換するか業界全体にとって注目の的な訳です。



(引用終わり)
新聞はオバマの連邦レベルの政策の報道でにぎわっていますが、見えないところで研究者という人材の流れも変わってきているようですね。

MJ

オバマ大統領とクリーンテック

就任式からしばらくしましたが、いよいよオバマ政権始動です。私は就任式を深夜テレビでいましたが、200万人とも言われる人がモールを埋めているのを見て、オバマ大統領への期待の大きさを感じました。自分と同年代のアメリカ人の友達によれば、1984年の大統領選から記憶をたどってもこれほど盛り上がったものはなかったそうです。デュタームさんによれば、カリフォルニアでもすごい盛り上がりで、そこかしこのレストランやバーで、ブッシュ政権の終了とオバマ政権の誕生を祝うパーティーがランダムに開かれているとのことです。

就任のパーティーの夢が覚める間もなく、オバマ大統領当人は早速仕事に取り掛かっています。当面の景気対策にも関心が集まりますが、雇用創出に加えて新産業の創造を助けるという趣旨で、今後10年間で1500億ドルを環境エネルギー分野に費やすことを目標に掲げています。アメリカのクリーンテックの投資家・起業家・技術者はこの投資に非常に期待していると思います。

どれほどクリーンテックとオバマ政権は近いのでしょうか?例えば、1月23日の日本経済新聞によると、グーグルの最高経営責任者エリック・シュミット氏は昨年11月に政権移行チームの経済顧問に就任。オバマ大統領に「新エネルギー分野での産業育成こそ、不況打破の最善の解決策だ」と進言していたとのこと。グーグルとオバマ政権との距離はかなり近いようで、シュミット氏以外にもGoogle.orgの環境エネルギー分野の責任者、ダン・ライカー氏はエネルギー長官への就任が取りざたされた ほどです。

そのエネルギー長官になったスティーブン・チュー氏。中国系アメリカ人でノーベル物理学賞受賞者ですが、最近ではローレンス・バークレー国立研究所の所長として熱心にバイオ燃料や太陽エネルギーの研究に取り組んできました。彼も有名ベンチャー・キャピタリストのクライナー・パーキンズの環境技術評議会で審査員を務めたこともあるとのこと(同じく日経新聞)。

他にも、カリフォルニア大学バークレー校のダニエル・カメン教授はオバマ政権のアドバイザーを務めていましたが、2007年にエネルギー技術のイノベーションにおけるベンチャー・キャピタルの重要性を指摘する論文をEnergy Policyという学術誌 に書いています。

連邦政府のバックを受けたクリーンテック。ますます目が離せない一年になりそうです。

MJ