2015年 4月12日(日)
開場14:15 開演15:00
兵庫県立芸術文化センターKOBELCO大ホール
佐渡 裕 指揮

Weber - 『舞踏への勧誘』作品65(ベルリオーズ編)
Chopin - ピアノ協奏曲 第2番 ヘ短調 作品21
Evgeni Bozhanov (p)
Brahms - 交響曲 第 2番 ニ長調 作品73

佐渡さんが指揮をされる際は、演奏前にお話をされるのが常ですが、今回も楽曲に対してのご説明だけで、期待していた聴衆マナーに関してのお話はしていただけませんでした。
まぁ、兵庫県立芸術文化センターのWebに一度聴衆マナーに関して書き込んだだけですので、期待する方が間違っているとも言えますが...。

さて、今回の定演には私の今期のお気に入りのトロンボーンのコアメンバーの方の姿がなく、ちょっと残念でした。
だからと言う訳ではないのですが、今回の演奏は全体的にまとまりに欠ける印象がありました。
やはり定演も3日目にもなるとお疲れも出るでしょうし、良い緊張感も薄れてくるのかも知れません、特に管楽器群は精彩を欠いていたような気がします。

ボジャノフをソリストに迎えたショパンの協奏曲、ある意味ユニークさを感じる演奏でしたが、オーケストラとの意志の疎通に少し難があるように感じられ、それは響きの融合感の不足に見え隠れしていたように思います。
ボジャノフは技術の高さは凄いのですが、少し情感が低くソリッドな感触を受けます。
特にショパンの楽曲には余り合わないと思うのですが、2012年にボジャノフのリサイタルに足を運んだ際にも似たような印象だったと思います。
アンコールにショパンのワルツ作品34-2を弾いてくれ、驚くほどの早い出だしで指さばきの華麗さはとても印象的でしたが、何となくショパンっぽくないとも言えました。

メインのブラームス、第2番は良く言われるように田園的な出だしですが、楽曲のそこここにブラームスらしい悲痛さはうっすらと感じられ、それが見事に昇華してフィナーレを迎えるブラームスの交響曲ならではの展開を巧く表現していたと思います。
特に弦楽合奏の場面での響きの美しさ、アンサンブルの見事さは素晴らしく、今期の弦楽陣はとても良いとの印象を再度確かめる事が出来ました。
しかしながら管楽陣が加わると全体的なまとまりやアンサンブルに綻びか感じられます。
フルートを除く木管には鮮やかさが足りていませんし、トランペットとトロンボーンのコアメンバーを除く金管群にも音色や響きにやや粗さを感じます。
佐渡さんが指揮の時には気を引き締めた演奏をしていたと今まで感じていただけに、今回の演奏は従来に比べると聴き劣りを否めませんでした。

PACオケはこの定演の後に全国ツアーに出るらしく、そこで披露する予定の『すみれの花咲く頃』をアンコールとして演奏してくれました。
途中、佐渡さん自身がピアニカでソロを吹くという趣向もあり、終盤には聴衆も自然に手拍子を始め、良い意味で庶民派のオーケストラ、指揮者だなぁと感じました。

庶民派である事は良いのですが、アンコールにもあのような楽曲を披露すると、マナーを知らない聴衆はますます酷い聴取態度になってくるのではと不安に思ったりもしましたが、今回も私の周りの聴衆マナーは決して良いとは言えませんでした。
関西特有なのか、あめ玉おばちゃんの数の多さは驚くほどで、ウェーバーとショパンの楽曲の間には、周りで一斉にあめ玉ごそごそのノイズが沸き上がり驚きました。
演奏中にはそこまでではなかったのですが、まるであめ玉を舐めていないと死んでしまうのかと思われるほどです。

以前演奏中に『ぱきっ』とペットボトルの栓をあけて水を飲んでいた方は、今回はそのような行為はなく、あめ玉ごそごそもされていませんでした。
分かっていただけたのか、今回たまたまなのかは分かりませんが...。
20150413


John Eliot Gardiner指揮
English Baroque Soloists(イングリッシュ・バロック・ソロイスツ)
Monteverdi Choir(モンテヴェルディ合唱団)
Brigitte Geller (S), William Towers (C-T), Mark Padmore (T), Julian Clarkson (Bs)

教会カンタータ 第 12番『泣き、嘆き、憂い、慄き』 BWV12
教会カンタータ 第103番『汝ら泣き叫ばん』 BWV103
教会カンタータ 第146番『われらあまたの苦難をへて』 BWV145

ガーディナー&モンテヴェルディ合唱団、イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるバッハ教会カンタータ全集のDisk17です。(全集は56枚組みBox)

Disk1 教会カンタータ 第 63番 / 第191番
Disk2 教会カンタータ 第143番 / 第41番 / 第16番 / 第171番
Disk3 教会カンタータ 第153番 / 第58番 / 第65番 / 第123番
Disk4 教会カンタータ 第154番 / 第124番 / 第32番
Disk5 教会カンタータ 第155番 / 第 3番 / 第 13番
Disk6 教会カンタータ 第72番 / 第73番 / 第111番 / 第156番
Disk7 教会カンタータ 第26番 / 第81番 / 第14番 他
Disk8 教会カンタータ 第83番 / 第82番 / 第125番 / 第200番
Disk9 教会カンタータ 第144番 / 第84番 / 第92番
Disk10 教会カンタータ 第18番 / 第181番 / 第126番
Disk11 教会カンタータ 第22番 / 第23番 / 第127番 / 第159番
Disk12 教会カンタータ 第182番 / 第54番 / 第1番
Disk13 教会カンタータ 第4番 / 第31番 / 第66番
Disk14 教会カンタータ 第6番 / 第134番 / 第145番
Disk15 教会カンタータ 第150番 / 第67番 / 第42番 / 第158番
Disk16 教会カンタータ 第104番 / 第85番 / 第112番もご参照下さい。

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

このDisk17は比較的厳かな雰囲気の楽曲が集められているように感じます。
とても清澄な合唱が美しく感じられるモンテヴェルディ合唱団、今更ですがバッハの教会カンタータ全集を選ぶに際して、ガーディナーのものを選んだ事に間違いはなかったと満足できます。
このアルバムもアルトはカウンター・テナーですがウィリアム・タワーズの歌唱に違和感は全くなく、男声ならではの賜物か、テノールとのデュエットでも心なしか融和性が高いようにも思ったりします。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ややマットな印象はあるものの、いつもながらの素晴らしい録音だと思います。
ソリストへのフォーカス感は良好ながらも浮いた感じではありません。
何よりも左右に美しい広がりを見せる合唱が、個々人の表情が見えるかのような精緻さで再現されている事に録音品位の高さを感じます。
器楽の音色にも良好な音の輪郭が感じられ、演奏同様に高いレベルをどのDiskでも実現していると思います。

現在、ボックス・セットはHMVでは取り寄せ不可のようですが、Amazonでは購入出来るようです。
J.S.バッハ : カンタータ全集 ~ 巡礼 (2000) (Bach Cantatas / .../SDG
¥38,435
Amazon.co.jp

残念ながら単独のアルバムは既に廃盤で入手できないようです。


20150409-3

Hilary Hahn (vn),
Paavo Järvi指揮
The Deutsche Kammerphilharmonie Bremen(ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン)

Mozart - ヴァイオリン協奏曲 第 5番 イ長調『トルコ風』K.219
2012年録音
Vieuxtemps - ヴァイオリン協奏曲 第 4番 ニ短調 作品31
2013年録音

レーベル:Deutsche Grammophon

演奏 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ヒラリー・ハーン、何となく成熟を感じさせる演奏です。
線の細さが繊細さに、そしてデリケートで柔らかな柔和さに感じられます。
軽やかで楽しそうなのは如何にもハーンらしいところで好感が持てますし、技術と音程の確かさは従来通りの折り紙つきです。
オーケストラの演奏も素晴らしいと思いますが、ハーンの軽やかさに対して、室内管としては多少重厚さがあるようにも思えます。
ヴュータンの協奏曲もハーンが演奏すると軽やかで爽やかです。

録音 ☆☆☆☆ (評価は5つ星が満点です)

ヴァイオリンへのフォーカス感は浮き立たず埋もれずで絶妙だと思います。
音の輪郭は特筆するほど鮮やかなわけではありませんが、音場にはちゃんとした見通し感があり、定位も良好な録音です。
左右への広がりも室内管としてはワイドな方だと思いますし、上方向への広がりも感じられますが、奥行き感はもう少し欲しい気もします。
ヒラリー・ハーンの大人になりつつある表情が感じられるかのような実在感が伝わってくる好録音だと思います。

(画像をクリックして頂くと、HMVの当該サイトにリンクしています)