イギリス文学 おすすめベスト10 | 文学どうでしょう

文学どうでしょう

立宮翔太の読書ブログです。
日々読んだ本を紹介しています。

第1位 蠅の王


蠅の王 (新潮文庫)/新潮社

¥740
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ウィリアム・ゴールディング『蠅の王』(新潮文庫)

たとえ子供でも集団で無人島に行ったら仲良くすごせるはずがないと、ジュール・ヴェルヌの『十五少年漂流記』へのアンチテーゼとして書かれた作品。食料を手に入れるためには動物を殺さなければなりません。過激さを増していく狩りに出かけたグループ。子供たちの間では対立が生まれていき……。人間心理の恐ろしさを描いた衝撃作。

第2位 高慢と偏見


高慢と偏見 上 (ちくま文庫 お 42-1)/筑摩書房

¥998
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ジェイン・オースティン『高慢と偏見』(上下、ちくま文庫)

そこそこの家柄の娘で、頭の回転がはやく、必要とあらば辛辣な言葉で相手をやり込めることも辞さないエリザベスは、町の社交場にやって来た、大金持ちの貴族ながら無愛想で傲慢な態度のダーシーが気に食いません。意見の相違から何度も衝突する、まさに水と油の二人でしたが……。オースティンの観察眼が光る、極上のラブストーリー。

第3位 大いなる遺産


大いなる遺産 上 (河出文庫)/河出書房新社

¥998
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チャールズ・ディケンズ『大いなる遺産』(上下、河出文庫)

鍛冶屋の徒弟のピップは、突然、莫大な遺産を相続することになり、ジェントルマンとしての教育を受けることとなったのですが……。これでもか! というほど、とにかく劇的な筋で紡がれていく物語。もう面白いのなんのって。ストーリーが魅力的で、特に後半はあっ驚く怒濤の展開が続きます。あまり前情報を入れずに読むのがおすすめ。

第4位 人間の絆


人間の絆〈上〉 (岩波文庫)/岩波書店

¥987
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サマセット・モーム『人間の絆』(全三巻、岩波文庫)

片足が不自由なことにコンプレックスを感じながら生きるフィリップはカフェのウェートレス、ミルドレッドを意識するようになったのですが……。ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』と並ぶ、半自伝的小説の傑作。「人生のすべてを解く鍵がある」と言われて老詩人から手渡された、ペルシャ絨毯の切れ端の挿話もとても印象的。

第5位 動物農場――おとぎばなし


動物農場―おとぎばなし (岩波文庫)/岩波書店

¥693
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ジョージ・オーウェル『動物農場――おとぎばなし』(岩波文庫)

卵も産まず自分たちをこき使うだけの人間ほど非生産的なものはないと話し合った動物たちは反乱を起こして……。リーダーになった二匹のぶたに翻弄される動物の愚かさを描き、ソヴィエトを諷刺した寓話ですが、物語として面白い作品。こちらは短くて読みやすいので、ハマったら次は、同じテーマを近未来社会で描いた『一九八四年』を。

第6位 ジェイン・エア


ジェイン・エア(上) (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥860
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シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』(上下、光文社古典新訳文庫)

養育院で様々な技能を身につけた〈私〉ジェイン・エアは、ロチェスター様が養育している娘アデルの家庭教師になりました。やがていつしかロチェスター様に想いを寄せるようになったのですが……。身分違いの恋が描かれるだけに夢中になって読める作品。かなりタイプが違う妹エミリー・ブロンテの『嵐が丘』と読み比べるのも一興です。

第7位 ドリアン・グレイの肖像


ドリアン・グレイの肖像 (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥780
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オスカー・ワイルド『ドリアン・グレイの肖像』(光文社古典新訳文庫)

いつまでも若く美しい姿のままのドリアン・グレイ。しかし肖像画の方は年齢を重ね、悪いことをする度にその顔は悪意に満ちて歪んでいくようで……。もしも嫌なことを全部背負ってくれる肖像画があったなら、みなさんはどうしますか? 美と悪徳について描かれた幻想的な小説。ユニークな設定の小説が読みたいという方におすすめです。

第8位 木曜日だった男 一つの悪夢


木曜日だった男 一つの悪夢 (光文社古典新訳文庫)/光文社

¥680
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G・K・チェスタトン『木曜日だった男 一つの悪夢』(光文社古典新訳文庫)

無政府主義の組織に入り込み「木曜日」に任命されたガブリエル・サイム。ところが、議長である「日曜日」の印象は人それぞれで違い、顔も名前もよく分からず……。組織の狙いも議長もよく分からないという抽象的で曖昧で、観念的な小説ですが、それが抜群に面白いのです。「ブラウン神父」シリーズで有名なチェスタトンの隠れた名作。

第9位 鏡の国のアリス


鏡の国のアリス (新潮文庫)/新潮社

¥578
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ルイス・キャロル『鏡の国のアリス』(新潮文庫)

ふと行けるような気がして、鏡をくぐり抜け、向こう側の部屋に飛び降りたアリス。やがて不思議な世界で、奇妙な存在と出会っていって……。ディズニー・アニメになった『不思議の国のアリス』はファンタジー色が強い作品でしたが、姉妹編の『鏡のアリス』はシュールかつナンセンスな物語。洗練されたジョーク集のように楽しめます。

第10位 ねじの回転


ねじの回転 (新潮文庫)/新潮社

¥460
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ヘンリー・ジェイムズ『ねじの回転』(新潮文庫)

天使のような少女フローラと可愛らしい少年マイルズの家庭教師になった〈わたし〉。しかしやがては屋敷で不気味なものを目にするようになり、子供たちも純粋とは思えないようになって……。幻想性が強い物語で、怪談話としても面白い作品ですが、この小説の最大の魅力は真相が曖昧なこと。みなさんそれぞれの解釈を見つけてください。

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