当ブログでは、あまり特定のコンサートのオススメ告知をしないようにしておりますが、今年の上半期で最注目のコンサートが明後日(2/4)のスーパースター歌手・フローレスとイェンデのコンサートです。テノールのフローレスはご存知の方が多いですが、彼の独特の透き通った甘い声はずば抜けており、例えば、イタリアン・レストランでベルカントがBGMで流れていると、パヴァロッティとフローレスだけは圧倒的な声質の特徴があるので、彼らによる歌であるかの判別ができます。フローレスはヨーロッパでは引っ張りだこで、毎年夏のザルツブルク音楽祭の大劇場でのリサイタルは大人気で、今年も出演する予定です。

もう1人の初来日のソプラノ歌手、プリティ・イェンデは南アフリカ出身の歌手ですが、初めて聴いただけでファンになります。ジェシー・ノーマンとキャスリーン・バトルの中間的な声質・体格・キャラクターで、抜群の存在感の歌唱力があります。イェンデは日本ではあまり知られていませんが、筆者はコロナ禍の2021年9月のウィーンでの「椿姫」を鑑賞して感銘し、その後、イェンデの追っかけとは言いませんが、イェンデ公演を聴きに23年の1月に「連隊の娘」(フローレスとの共演)、23年5月に「マノン」を聴きにウィーンに行きました。明後日のコンサートでは、フローレスとイェンデによる「連隊の娘」がプログラムに入っているので絶品だと思います。どちらも素晴らしい歌唱で、ウィーンの聴衆からも認められています。


その人気の証として、イェンデは23年5月にはウィーン国立歌劇場の多くの観客を相手に、ソロのリサイタルを公演しています。ウィーン国立歌劇場でソロのリサイタルをできる歌手は、ネトレプコやフローレスなど限られますが、この点でイェンデはウィーン観客からの人気を獲得していますし、なかなか日本に来日する機会が無い中での貴重な来日公演です。ちなみに、日本で既に人気のグレゴリアンは、遅ればせながら、今年の5月にウィーン国立歌劇場でのリサイタルがあります。筆者としては、このイェンデがいち早く来日して欲しかったのですが、明後日の公演がとても楽しみです。お時間のある方は、是非、行かれてみてください。歌手の体調不良や東京フィルのミスが少なければ、間違いなく名演になると思います。  

このウェストミンスター寺院でのイェンデの歌唱は素晴らしいですが、アフリカ系歌手が国王の戴冠式で歌うのは英国史上初だそうです。彼女の波瀾万丈の人生を振り返ると、涙が出そうになります。その点は明後日のブログで取り上げます。


ちなみに、筆者はステマ的な某音楽評論家とは異なり、大したことのないコンサートを推したりしません。昨年は、例えば、デタラメな音楽評論家の煽りの告知で酷い都響のブルックナーを聴いたことがありました↓。この方は様々な主催者から招待され、写真も提供されてるからか、何でも忖度して褒めているのが特徴です。

加えて、海外での鑑賞履歴の少ない日本の音楽評論家は世界基準で相対化できないのでしょう。基本、このような評論家の記事はスルーで良いと思っておりますが、特にこの評論家は、リハが都合で1日しか取れなかった国内オケのコンサートを大絶賛してました。もはや、驚くレベルでしかないです。そのブログがこちらです。


一方で、当ブログは純粋な感想となっておりまして、デタラメな音楽評論家のように忖度したオススメ記事は書きません。NHKドラマの「正直不動産」のように嘘がつけないんです(^^)。

2021年のウィーン国立歌劇場シーズン開幕公演の「椿姫」のカーテンコール(プリティ・イェンデ主演)