今回の欧州ジャーニーの最後の夜は、フローレス主演の「連隊の娘」です。このドニゼッティのコミック・オペラは、話が急展開して、強引にまとめている感じがあり、オペラの物語としては好みではないのですが、トニオのハイCやマリーのアリアなど音楽としての見どころ満載のオペラです。トニオ役のハイCとして現役最強のフローレスとマリー役のプリティ・イェンデが出演する連隊の娘ですので、DVD化すべきレベルで素晴らしい公演が予想されました。ですが、12/30の同公演で、フローレスが体調不良でキャンセルしたので、今日の公演も出演できるか心配でしたが、1/1のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで、フローレスと息子さんがおりまして、本人に直接聞いたら、「明日は歌うぞ」と仰るので安心して会場に行けました。


内容としては、オーソドックスな演出で、セリフのジョークもふんだんに挿入されていて、年末年始の観光客含めた全ての観客を魅了するものでした。

ですが、例のハイCのフローレスのアンコールに期待しておりましたが、今日はそのアンコールがありませんでした。マリー役のイェンデはリリコ・コロラトゥーラと聞いてますが、音域が広く、パワフルな声量で、ここウィーンではかなりの人気です。2021年の9月のウィーン国立歌劇場のオープニングで椿姫でも絶叫するほど素晴らしい声でした。私にとっては、キャスリーン・バトルとジェシー・ノーマンをミックスした存在で(ルックスと声楽面です)、今後、日本でも歌って欲しい逸材であることは、間違いないです。日本のオペラカンパニーは是非、頑張って頂きたいです。残念ながら、2022年は新国立劇場のチケットは納得できるものがなく、一度も買いませんでした。21年のトスカやカルメンは素晴らしかったですが、昨年はどうしたのでしょうか。日本でも本当に世界レベルのオペラを聴いてみたいです。ちなみに、世界のオペラ界で、NYのMETが経営難で弱っている中、ウィーン国立歌劇場はいま、一番絶好調だと思います。この1月には、A.ネトレプコ、E.ガランチャ、J.カウフマン、L.サラシという世界最強のキャスティングによる「アイーダ」があります。これは、ファン必聴ですね。


(評価)★★★★

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*今後、五段階評価でレビューしようと思います

★★★★★: 一生の記憶に残るレベルの超名演 

★★★★:大満足、年間ベスト10ノミネート対象

★★★; 満足、行って良かった公演

★★: 不満足、行かなければ良かった公演 

★: 話にならない休憩中に帰りたくなる公演

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かなり選定してコンサートに行くことにしてるので、★★と★の公演にはまず行かないと思います。


現在、人気沸騰中のプリティ・イェンデ



ハイC後のフローレス



フローレスはアンコール無しで進行してしまいました!


Musical DirectionMichele Spotti
Inszenierung und KostümeLaurent Pelly
Stage DesignChantal Thomas
Lighting DesignJoël Adam
ChoreographyLaura Scozzi
dialogue versionAgathe Mélinand
Marie, junge MarketenderinPretty Yende
Tonio, junger BauerJuan Diego Flórez
Marquise de BerkenfieldStephanie Houtzeel
Sulpice, SergeantAdrian Eröd
Duchesse de CrakentorpMarianne Nentwich
HortensiusMarcus Pelz