シガー・カタログ<トリニダッド・ロミオ&ジュリエッタ・ダビドフ・コイーバなどの一般ブランド>   -6ページ目

ROMEO Y JULIETA(ロメオ・Y・ジュリエッタ)

最も有名なハバナ・ブランドの一つで、特にイギリスでは人気が高い。ロメオ・Y・ジュリエッタのシガーには40種類以上ものサイズと形状が存在し、その多くがアルミチューブ入りで売られている。また機械製のサイズも多数ある。種類が非常に多いことから、すべてのサイズが高品質であることは期待できないが、それでもロメオ・Y・ジュリエッタには非常に優れたシガーがあり、その多くが、同一サイズの中では最高と呼べるものだ。


このブランドの初期の成功は、ロドリゲス・フェルナンデスの努力の賜だ。「ペピン」の愛称で知られたフェルナンデスは、ハバナのカバナス工場でマネージャーを務めていた。しかし、工場がアメリカン・タバコに買収されることになると、これを嫌った彼は1903年に職を辞し、自身で事業を立ち上げることにした。彼は蓄えを使って無名の工場を買い取った。この工場は1875年から、キューバ国内向けにロメオ・Y・ジュリエッタという名前のシガーを作っていた。だが彼の野望はもっと大きかった。そこで従業員の士気を高めるため、利益の30%を各部門の責任者に還元する一方、自らのブランドを売り込むため世界中を回った。2年も経たないうちに従業員数は1400名に増え、より大きな工場へ移転することが必要になった。


フェルナンデスは顧客の王族や国家元首向けに、彼ら専用のバンドを巻いたシガーを提供した。一時、ロメオ・Y・ジュリエッタの工場では2万種類ものバンドが作られていたという。 ペピンは生産にわたって自らのブランドに強い愛情を持ち続けた。それはほとんど取り付かれていたと言えるほどで、所有する競走馬にジュリエッタと名付けたり、シェークスピアの戯曲「ロミオとジュリエット」の舞台となったヴェローナのキャプレット邸を買い取ろうとしたこともある。これは失敗に終わったが、有名なバルコニーの下に立つことを許された。そして、このブランド名の由来となった不幸な恋人たちをしのんで、1939年まで、キャプレット邸を訪れるすべての人に無料でシガーが提供されることになった。フェルナンデスは1954年に死去した。


有名なロメオ・Y・ジュリエッタのチャーチルは、チューブ入りでも販売されている。これは素晴らしい芳香を持つ、きわめて上質な作りのシガーだが、チューブ入りの製品は作られてから時間が経っていないものが多く、ボックス入りに比べると熟成が足りない場合もある。とは言っても、金色のバンドが特徴(他のシガーはセドロス・シリーズを除いてすべて赤いバンド)のチャーチルは、クラッシックなミディアム~フルボディのシガーだ。コロラド・マドゥロのラッパーに包まれたコロナは、作りは良いが、味にはばらつきがある。セドロス・デラックスNo.1(ロンズデール)は口当たりの良いミディアム・シガーだが、このサイズを好む人にとっては物足りなく感じるかもしれない。オイリーなラッパーを用いたエキシビションNo.4は、しっかりした食事の後に最適な深い味わいで、シガー通の間にファンが多い。セドロス・デラックスNo.2は、個性豊かな非常に良いコロナだ。ペティ・ジュリエッタは、このサイズとしては最もフルボディかつ最高のシガーの一つ。


いくつかのチャーチル・サイズの間に大きな違いはない。ただし、プリンス・オブ・ウェールズはチューブ入りのものより軽いと言う人もいる。チューブ入りのNo.1~No.3デラックスを、同じくチューブに入ったNo.1~No.3は、ハンドメイドながら、同ブランドの中では最も安い部類に入る。これは、使用する葉が厳選されたものではないためで、したがって、質も他のシガーとは別物だ。


ロメオ・Y・ジュリエッタという名前のドミニカ共和国産シガーも存在する。これらは、ビンテージ・シリーズにはコネチカット・シェード・ラッパーが使われ、スタンダード・セレクションにはカメルーン・ラッパーが使用されている。両タイプとも良質な作りの優れたシガーで、特にビンテージ・シリーズは繊細な味わいが特徴だ。

PUNCH(パンチ)

非常によく知られた、広く流通しているハバナ・ブランド。人気が高く、ほかのブランドに比べて価格が安いことから、初心者やライト・ファンにはお馴染みのシガーだ。そのため、シガー愛好家はこれといった理由もなくパンチを避ける傾向がある。サイズのバリエーションはきわめて豊富で、その多くがラ・コロナ工場で作られている。同一サイズの機械製もあり、またエクスクイジートスやパルマス・レアールといったサイズは機械製のみとなっている。


パンチは現在も生産されているシガーブランドとしては2番目に古く、1840年にイギリス市場をターゲットとしてまぬえる・ロペスにより創設された。シガーを手に満足した顔を見せるパンチ氏の絵が、今もボックスの上面を飾っている。 ホンジュラス産のパンチもあり、これらにはスタンダード、デラックス、グランクリュの3つのシリーズが存在する。中でもデラックスとグランクリュは際立って良質な作りのシガーだ。スタンダード・シリーズは、ホンジュラスらしい、いたって普通のフルボディ・シガーだが、ほかの2つのシリーズはマドゥロ・ラッパー(かなりの熟成期間を経ている)にも関わらず、あまり類を見ない繊細な風味を味わうことができる。ビラゾンのフランク・リャネザの熟練の技と専門知識がこれらのシガーを陰で支えている。


キューバ産は非常に多くの種類があることから、すべてのシガーに最高の品質を期待するのは無理だが、ダブル・コロナなどの大型サイズは、作りも良く、信頼性が高い。これらは心地よい香りと独特のスパイシーな芳香を持ち、重すぎないフルボディの味わいの中にわずかな甘みを感じさせる。同じサイズのシガーが国によって違う名前で呼ばれていることがあり、混乱のもととなっている。例えば有名なパンチ・パンチ(コロナ・ゴーダ)は、ロイヤル・セレクションNo.11とか、セレクション・デラックスNo.1などという名前で呼ばれていることがあり、ペティ・コロナ・デル・パンチはセレクション・デラックスNo.2ないしプレジデントなどと呼ばれているのだ。この一級品のマイルド~ミディアム・シガーを選ぶときには、信頼できるシガー・ショップに相談したほうがよいだろう。


キューバ産、ホンジュラス産の両方に、ロイヤル・コロネーションをはじめとするチューブ入りのサイズがある。

FONSECA(フォンセカ)

キューバのフォンセカのボックスには、ニューヨークの自由の女神とハバナのモロ城の絵が描かれていて、2つの都市の関係が今よりもずっと密接だった時代に生まれたブランドであることを物語っている。


1965年以来、フォンセカはドミニカ共和国でも作られている。当初はカメルーン葉をラッパーに使用していたが、今ではコネチカット・シェードが主に使われている。これにメキシコ葉のバインダーとドミニカ産フィラーを合わせたシガーは非常にマイルドで、作りもしっかりしている。


キューバ産フォンセカは白い薄紙に包まれている。当地の味のわかる人々により大量に消費されている。味はマイルド~ミディアムで、かすかな塩気がアクセントになっている。