シガー・カタログ<トリニダッド・ロミオ&ジュリエッタ・ダビドフ・コイーバなどの一般ブランド>   -7ページ目

HOYO DE MONTERREY(ホヨー・ド・モントレー)

サン・フアン・マルティネスのブエルタ・アバホ村の広場を見下ろす位置に、「ホヨー・ド・モントレー:ホセ・ジェナー1860」という文字が刻まれた、古びた鋼鉄の門がある。この門の先にあるのは、キューバで最も名高い「ベガス・フィナス」(太陽の下で育てられるバインダー及びフィラー用のタバコ畑)だ。ホセ・ジェナーは、この場所の一等地(ホヨーとは地面がくぼんだ部分のことで、水はけが良いとして農民に好まれる)でタバコ栽培農夫としてキャリアをスタートさせ、やがて1865年にホヨー・ド・モントレーを創設した。


ホヨー・ド・モントレーのトレードマークであるダブル・コロナは、シガー愛好家の間では貴金属をはるかに上回る価値を持ち、友情の証として取引される以外に出回ることはない。その繊細な風味と豊かな味わいは、ラ・コロナ工場のブレンダーやローラーの技術の賜だ。しかし、機械製を含むホヨー・ド・モントレーのほかのサイズは、ダブル・コロナにはおよばないと感じられるかもしれない。これはある部分では真実だが、エピキュアNo.1及びNo.2、中でも50本を束にしたものは例外だ。ジノ・ダビドフが当初ホヨー・ド・モントレーのキャビネット・セレクション・スタンダード・サイズをもとにシャトー・シリーズを作り出したことも忘れてはならない。ダビドフがスイスで成功を収めると、ライバルのシガー・ショップのアイデアにより、1970年にル・ホヨー・シリーズが誕生した。このシリーズはよりスパイシーでどっしりした味わいを持つ。


しかしこれも、同じ名前を持つホンジュラス産シガー・ブランドの前では見劣りしてしまう。ホンジュラス産ホヨー・ド・モントレーは作りの面ではやや欠けたところがあるものの、味の素晴らしさはそれを補って余りある。中でもロスチャイルドやガバナーといった直径の太いサイズは、いわばシガーの「エスプレッソ」と言うべきものだ。これらを作っている人々は、明らかにタバコそのものの味を重視しているのだろう。


ホンジュラス産ホヨー・ド・モントレーのスタンダード・ラインを、エクスカリバー・シリーズと混同しないように。これらは、アメリカではホヨー・ド・モントレー・エクスカリバーという名前で販売されているが、ヨーロッパでは商標上の理由から単にエクスカリバーとして売られている。エクスカリバーは一応最高級のシガーで、味わいもスタンダード・シリーズとはかなり異なる。

PARTAGAS(パルタガス)

パルタガスは1845年創業の最も古いハバナ・ブランドの一つで、創設者はドン・ハイメ・パルタガスだ。当時の工場は、今もハバナのダウンタウンの国会議事堂近くに建っている。パルタガスは今も世界でよく知られているブランドだ。


パルタガスが大量に生産されていることもその大きな理由で、実に40種類ものシガーが市場に出回っているが、その中にはセロファンで包まれた機械製も多く含まれている。またドミニカ産も存在し、これらにはハバナ種の種から栽培されたカメルーン・ラッパーが用いられている。


ドミニカ産の生産を統括するのは、有名なキューバのシガー・ファミリーに属するベンジャミン・メネンデスとラモン・シフエンテスだ。ドミニカ産パルタガスはジェネラル・シガーで生産されている。キューバ産はラベルに「ハバナ」の文字があるのに対し、ドミニカ産は同じ場所に1845年と記されている。


パルタガスは2度の世界大戦の時期には大いに名を馳せ、シガー愛好家として知られたイーヴリン・ウォーの小説「ブライズヘッドふたたび」にも登場する。 キューバ産パルタガスの品質にはばらつきがある。ルシタニアスなどの大型サイズ、中でも50本入りキャビネットはきわめて高品質だが、機械製のものが多い小型サイズの中には、吸い込みに難のあるものが珍しくない。一般的にパルタガスは大地のような深い味わいを持つフルボディ・シガーで、特にシリーズDNo.4(ロブスト)のような直径が太いサイズではこの傾向が顕著だ。コロナ・グランデとダリアの2種類には8‐9‐8方式のパッケージが採用されている。パルタガス工場の最高責任者エルネスト・ロペスは、ダリアをブランドを代表するサイズと考えている。これは全体的によりまろやかだが、それでもフルボディの味わいは保っている。3つのサイズからなるコノスールシリーズも存在し、これらは限られた市場でしか入手できない。その一つ、No.1はコイ
ーバのランセロと同じ寸法だが、先端の「しっぽ」はない。一般的に、パルタガスのシガーはしっかりした食事の後に適している。


手作りのドミニカ産パルタガスは、作りは丁寧だが、特に大型サイズではラッパーの質にばらつきがある。最高品質のものは素晴らしいが、同時に比較的高価だ。大半はコロラド・ラッパーだが、6 1/4インチ×47のものにはマドゥロが使われている。フィラーはジャマイカ産、ドミニカ産、メキシコ産のブレンドだ。ドミニカ産パルタガスには全部で14のサイズがあり、その大部分は番号で呼ばれている。これらは口当たりの柔らかいミディアム~フルボディのシガーで、わずかな甘みがある。

H・UPMANN(H・アップマン)

ヘルマン・アッブマンはヨーロッパの銀行家一族の一員で、大のシガー愛好家だった。このため、1840年前後、彼が自ら志願してハバナに銀行の支社を開いたのも驚くべきことではない。本国に送ったシガーが大変好評だったため、彼は1844年に、とあるシガー工場に出資した。会社は銀行業でもシガー製造業でも順調にいっていたが、1922年にまず銀行が、次いでシガー事業が破綻した。そこでJ・フランコウというイギリスの企業がシガー部門を救済して工場を運営したが、1935年には新たに創設されたメネンデス・イ・ガルシア社がこれを買い取った。


1944年、ヘルマンが会社を創設してから100周年を記念して、オールド・ハバナのカーレ・アミスタッドにH・アッブマンの新工場がオープンした。H・アッブマンのシガーは2003年までこの工場で生産されていた。
ハバナ産アッブマンは、マイルド~ミディアムの非常に繊細で滑らかなシガーだ。全般的に満足のいく出来だが、一部の機械製では作りや燃え方に問題があり、過熱して若い後味を残すものもある。しかし初心者向けとしては良いシガーで、軽い食事の後にも適している。キューバ産アッブマンには30種類以上のサイズが存在し、その中にはほとんど同じようなものも少なくない。一部のサイズはチューブ入りで販売されているが、この中には機械製のものも含まれるので注意が必要だ。ただし、イギリスには手作りのものしか輸入されていない。


アッブマンの名前を冠したハンドメイド・シガーは、ドミニカ共和国のコンソリデーテッド・シガー社でも生産されている。これらにはカメルーン・ラッパーと中南米産のフィラーが使われている。ラッパーには通常、オイリーなコロラドで、マイルド~ミディアムのなかなか良いシガーだ。作りもしっかりしている。コロナ・インペリアレス、ロンズデール、コロナ、ペティ・コロナ、チャーチルなどのサイズは12本入りボックスで販売され、6サイズはチューブ入りでも売られている。ドミニカ産アッブマンのラベルには「H.UPMANN1844」と記され、一方キューバ産アッブマンには「H.UPMANN HABANA」と書かれている。


ちなみにケネディ元大統領がアッブマン好きであったことはあまりにも有名な話しだ。