牙山市 外岩民俗マウルを出発し、さらに国道を南下して‘부여군(扶余郡/プヨグン)’を目指します。
バスでちょうど1時間で到着。
この時16時半。
日が傾いてくるとぐっと冷え込みます。
扶余は百済最後の都。
この頃には多くの寺や仏像が建立されたり、これまでにない工芸技術が出てきたりと文化・芸術・技術が一気に発達したと言われています。
訪れたのは
‘국립부여박물관(国立扶余博物館/クンニプヨパンムルグァン)’
敷地内にはいたるところに遺跡の展示があり、屋外からすでに楽しめます。
石像や石塔、亀さん(←言い方)などなど。
様々な場所に残されていたものをこちらに集めてきたそうです。
野外展示を見ながら階段を登り、奥に進むと博物館があります。
ここには約25,000点の百済の遺物が保管されていて、1,200点余りを観覧することができます。
入るとまず広いロビー。
そこの中央に堂々と鎮座していたのは百済の宮殿で使われていたであろう「扶余石槽」(貯水槽)。
*以前は野外展示されていましたが、最近展示内容が全面リニューアルされ、現在はロビーにあります。
博物館内は4つの展示室に分かれています。
・第1展示室=扶余の先史、古代文化
・第2展示室=泗沘 * 百済と、百済金銅大香炉
・第3展示室=百済の仏教文化
・第4展示室=寄贈により輝く文化財への愛
*泗沘(さび)=現在の扶余。
今回は閉館時間が迫っていたため、特に見ておきたい第2展示室と第3展示室のみを観覧しました。
第2展示室では主に、政治、宗教をはじめ百済の人々の暮らしを垣間見ることができる遺物が展示されています。
そして何と言ってもこちら!!
「百済金銅大香炉」(国宝287号)
1993年に扶余 陵山里寺跡から、奇跡と言えるほど良好な状態で出土されたもの。
鳳凰、龍、42匹の動物、5人の楽士(音楽隊)、17人の人物、そして蓮の花が繊細な技法で表現されています。
こんな大発見が、たった24年前にあったとは!!
百済、、、これからまだまだ色々なことが明らかになるかもしれません。
レプリカを色々なところでご覧になった方も多いかと思いますが、こちらは本物です!!
本物をこんなに近くてじっくり360度見られるというのもすごいですね。
でも今回写真がうまく撮れず、、、。
どこに何がいるのか目を凝らして探すのも楽しくて、すっかりこの大香炉に魅了されました。
もともと、こういう細かいところを見るのが好きなもので、、、。
見れば見るほど、人物の表情や動きがユーモラスだったりして、発見するたびにどんどんハマっていきます。
(周りに人がいたのであまり表には出しませんでしたが、けっこう興奮していました。)
これはまた必ず、ゆっくりと堪能しに行きたいです。
そして隣の第3展示室は寺院がテーマとなっており、仏像や建築関連の遺物が展示されています。
こちらでも必見は国宝の
「金銅観世音菩薩立像」(国宝293号)
全体的に優雅な曲線美を持つ、とてもやわらかい印象の菩薩様です。
手には宝珠を持っています。
他にも、(以下、展示順と関係なくランダム掲載です。)
像の足で支えられた硯(すずり)。
↓当時の建築物の特徴がわかる「青銅小塔片」。
↓「瑞山龍賢里磨崖如来三尊像」。
↓細かいデザインが施された瓦は本当に種類が豊富でした。
写真はありませんが花模様の瓦が特に多かったです。
扶余 陵山里古墳群東下塚「白虎図」。
博物館のリーフレット。
一見6つ折りの普通サイズのものですが、
開くと、どーん!!!
裏一面で大きく「百済金銅大香炉」の大解説が!!
(しかも表面の博物館案内図にはない、豪華なフィルムコーティング加工がされています。)
こういうところにも、この大香炉への人々の「誇り」が感じられました。
時間の都合で今回は全てを観覧することができませんでしたが、広すぎずにちょうど良い規模の博物館ではないかと思います。
敷地内にはこども向け博物館やイベントホールもあり、「国立」といえども親しみやすい施設です。
何と言っても「国宝の実物を近くでじっくり見られる」というのがポイント高い!!
(日本ではこういうものの観覧はかなり制限がかかるので、、、)
日も暮れてきて、バタバタながらも国宝を生で拝見できた後は、夕食タイムです。
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‘국립부여박물관(国立扶余博物館)’
住所:忠清南道 扶余郡 扶余邑 東南里山16-1
(충청남도 부여군 부여읍 동남리 산16-1)
<道路名住所>
忠清南道 扶余郡 扶余邑 錦城路 5
(충청남도 부여군 부여읍 금성로 5)
TEL/FAX:+82-41-833-8562
HP:buyeo.museum.go.kr(言語選択可)
コネスト様HP紹介記事・地図
*こちらの紹介記事は以前のものです。現在はリニューアルされ、展示内容やレイアウトが変わっています。
休館日など基本情報はほぼ変更ございません。(10/17現在)
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プランネット様HPから「韓国・忠清南道のトラベル応援マガジン〜CN story〜」がご覧いただけます。
*トップページのメニューバーから「WORKS」をクリック。
↑こちらのvol.1では、今回ご同行くださった加来(ジャヨンミ)さんが色々な百済の遺物を取材されています。
加来紗緒里(ジャヨンミ)さんブログ
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【忠清道】視察旅行レポート
(1日目)
(2日目)
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