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ソル・ギョングつながりで、「私にも妻がいたらいいのに」。

21世紀韓国最高の俳優二人が共演する、穏やかなラブストーリーの佳編。

ハンミ銀行主任で結婚を夢見る32歳独身男に、ソル・ギョング。銀行の向かいにある学習塾の教員でソル・ギョングに思いを寄せる女性に、チョン・ドヨン。ソル・ギョングが夢中になるかつての同級生に、「青春」のチン・ヒギョン。ソル・ギョングに結婚式の招待状を渡すチョイ役で「風の伝説」で華麗なダンスを披露するムン・ジョンヒの顔が見えたりもします。

後に「人魚姫」「逆転の名手」「愛してる,マルスンさん」を撮るパク・フンシク監督のデビュー作ですが、二人の演技力に支えられた短いエピソードをつないでいく、というちょっと青臭い手法に頼ったこの作品は、かなり好き嫌いが分かれると思います。ソル・ギョングが披露する三回の達者な手品、防犯カメラ、雨と傘、眼鏡といった小道具の使い方も、見ようによっては古くさいですし、ソル・ギョングとチョン・ドヨンの二人の演技に心酔せずして、映画としてだけ楽しむのには相当無理があるでしょう。

個人的には、胸が張り裂けそうな孤独感や切なさを水面下に秘めながらも、穏やでほのぼのした感じが好きですが、他の俳優が演っていたら、こき下ろしていたかもしれない一本です。

ちなみに、ソル・ギョングとチン・ヒギョンがドライブ・インで見ている(正確には別のことをしてるのですが)映画は、「少女たちの遺言」のクライマックスの部分です。