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ペ・ドゥナつながりで、「青春~Private Lesson~」

「青春」と漢字で書かれたタイトルからして古めかしい感じがするのですが、20世紀を後2カ月余り残して封切られた意外に新しい映画で、青臭い純文学色と、生臭いエロ映画臭の微妙なバランスの上にある、いわく云いがたい青春映画です。

タイトルバック映像の通り、実際桜の美しい慶尚南道(キョンサナムド)河東(ハドン)の二人の高校生に、今や売れっ子キム・レウォンと「インタビュー」助監督役キム・ジョンヒョン。キム・ジョンヒョンが恋い狂う女教師に「連理の枝」では珍しくコミカルな演技を見せたチン・ヒギョン、キム・レウォンの初体験相手の女子高生に「春の熊は好きですか?」でもペ・ドゥナと共演したユン・ジヘ、慶州(キョンジュ)の大学生になったキム・レウォンと関係する看護婦に名優ペ・ドゥナ、その母には、これまた名優「お母さん」コ・ドゥシム。

延々とセックス話が続く中で、時折、純情だったり残酷だったりするエピソードが紛れ込む、といった日活ロマンポルノとATGをミキサーにかけたみたいな話の流れは、相当、生臭く青臭い感じで、見ていて身の置き所に困る感じです。

ただ、きわめて偏見に満ちた見方かもしれませんが、ペ・ドゥナとコ・ドゥシムの主演シーンだけはかなり輝いています。以前も書きましたが、ペ・ドゥナがこの作品の出演に迷っていた時、実母で演劇女優のキム・ファヨンは「裸が怖くて女優がやれるか」と一喝したそうですが、なるほど、全裸で凄いセックス・シーンを見せています。ただ他の登場人物が薄っぺらいのに比べ、彼女だけは、活き活きとした女性像を演じています。コ・ドゥシムもちょっとしか出ませんが、「玉をぶら下げてるんだろう」といった迫力ある啖呵で画面を引き締めたりしています。

俳優の通過点として見る以外に、映画的価値は余り感じませんが、キム・レウォンとペ・ドゥナの裸だけは十二分に堪能出来ます。