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しつこくイ・ソンジェつながりで、「アタック・ザ・ガス・ステーション」。

「クニャン」という理由で四人の若者がガソリン・スタンドを襲うだけの、下手をすれば、昭和によくあった虚無的な破壊と暴力の美学、みたいな純文学風になりそうな話を、とんでもないエンタテインメントに仕上げた、オフビート・コメディの最高峰。勿論、四人には、野球、音楽、絵画、疎外とか、それぞれのトラウマがあったりはするんですが・・・

ともかく俳優は後の大物ばかり。まず襲撃者には、野球の上手いリーダー格「デイジー」イ・ソンジェ、シリトリの好きな「チャンピオン」「多黙 安重根」ユ・オソン、歌の巧い「人生の逆転」「サム」カン・ソンジン、絵の巧い「オールド・ボーイ」「美しき野獣」ユ・ジテ・・・ガソリン・スタンドでは、社長「ボリウルの夏」「ハッピー☆クリスマス」パク・ヨンギュ、従業員には、「男、生まれる」「なせば成る」チョン・ジュン、「子猫をお願い」「サプライズ」イ・ヨウォン・・・暴走族の出前持ちにはキム・スロ、「王の男」大鐘助演男優賞ユ・ヘジンと『グリーン・ローズ』「ミスター・ソクラテス」イ・ジョンヒョクの二人のチンピラは歌とダンスを披露してくれますし、ボスにキム・ハクチュルの顔も見えます。警官にはキム・ウンス。ともかく凄いメンバーです。

勿論、暴力と破壊に彩られたきわめて非教育的な映画ですが、なぜか「アメリカン・グラフィティ」の青春群像を思い出させる、とっても危険な青春コメディの傑作です。日本では早くからレンタルされていて昔見た方も多いでしょうが、ある程度韓国映画を見てから見直すと、また全然魅力を増してると思います。でもやっぱりとっても危険です。