素人恋愛小説RISK

登場人物紹介

リコ(本城梨子):  横浜の大手銀行に勤める25歳のOL。ひょんな事で慎也と知り合い、
     惹かれるようになる。

尾藤慎也: 平沼橋のバイクショップに勤める25歳。ひょんな事からリコと知り合う。
     昔は暴走族で有名だった。

新村和樹: IT関連企業の営業部長。25歳。近いうちに会社を起こして独立するつもり。
     有名私立大学卒。やり手。

仙崎: 慎也の昔の暴走族仲間。現在は暴力団員。

リコの父: 某大手銀行の重役。和樹の会社と取引をする事になっている。

店長(おやっさん): 慎也のバイクショップの店長。慎也の族の過去を知っている。

サエ: リコの短大時代からの友人。同じ銀行にめる同僚でもある。

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第25話

25

(負担って何?今までの優しさは何だったの?わからないよ、尾藤君)

リコは泣きながら走っていった。

短い間だったが、慎也との楽しい思い出がよみがえる。

一緒にお昼を食べたこと、美しい夕日を川原で眺めたこと、初めて夜遅くまで食事をして、そして、その後関係を持ったことも・・・。リコにはそればかりが思い出された。

リコが去ってから、慎也はうつろな表情で仕事に戻った。

その背中に店長が話しかけた。

「お前、本気でそう思ってんのか?」

「え?」

「ホントにリコちゃんのことが負担になったのかって聞いてんだよ」

「・・・」慎也は視線を落とした。

「俺は仙崎に付きまとわれています。もしものことが、リコの身に遭ったら・・・」

「そんなことにびびってんのか?」店長は言った。

「あのスーツの男に何言われたのか知らねえけど、お前がリコちゃんのこと本気で好きなら、自分の全身全霊をかけてやろうってオモワネエのか?」

店長の言葉に慎也は唇を真一文字に結んだ。

仕事が終わると、慎也は愛車の750ccを飛ばした。

新子安の第一京浜を見下ろす高架橋のところに来ると、バイクを止め、下を走る大通りを見つめた。

『お前がリコちゃんのこと本気で好きなら、全身全霊をかけてやろうって思わねえのか?』

慎也は心の中で店長の言葉を繰り返した。

何が起きても、彼女を受け止めていられるか・・・。自分の全てをかけて、彼女を愛せるか・・・

高架橋を流れる車を眺めながら、慎也の気持ちは少しずつ固くなっていった。

再開しました

みなさん、長い間、止まったままでスミマセンでした。

今まで書いていたストックが、パソコンを買えたとたんドキュメントが見れなくなってしまい、

しばらく落ち込んでいました。


それと、私自身子育て中ということもあり、別サイトにてアフィリエイトの立ち上げに忙しかったというのもあります。

私の個人的事情により、楽しみにしていてくださった方にご迷惑をおかけして、申し訳なく思っています。


読者登録をしてくださった方、公開設定するのが遅くなって申し訳ありませんでした。

本日設定しましたので、よろしくお願いします。

また少しずつですが、書いていきたいと思います。

もしよろしければお付き合いくださると嬉しいです。

第24話

24

次の日の夕方、リコが慎也の店を訪れた。

「おう、いらっしゃい」奥からリコに声をかけたのは店長だった。

慎也はリコを一瞥すると、背中を向けてバイクの修理を始めてしまった。

「尾藤君・・・?」慎也の様子が違うことに、リコは気が付いた。

「どうかしたの?」気になったリコは慎也に声をかけた。

「・・・俺が族上がりだってのは知ってるだろ?」

「どうしたの?急に?」慎也の言葉の意味がリコには理解できなかった。

「俺は昔、この辺をならしまくった悪で名が通ってた。それと、今でもその仲間内と繋がりはあるからな」

「尾藤君?」

「その仲間内ってのは、今は仙崎興業っていうヤー公の頭やってる。つまり、俺はヤクザと繋がりがある男ってことだよ。」

「・・・」

「そういう、ヤクザ同然の俺とは、お前は離れた方がいい・・・」

「・・・いや!」

リコは信じられないと言う顔をして、否定した。

「尾藤君は足を洗ったんじゃない!もう関係ないはずでしょ!?」

「俺はいまだに、その仙崎に付きまとわれている・・・」

リコは言葉に詰まった。

店長は二人のやり取りを聞いていないかのように、奥でパーツの修理をする。

「でも・・・」

(それでも私はあなたを愛している)リコはそう言いたかった。

「お前みたいないいとこのお嬢さんは俺には負担なんだよ」

そういわれてリコは泣き出した。

「尾藤君のバカ!」リコは思わず慎也の頬をたたいてしまう。

そして泣きながら店を出て行ってしまった。

慎也は呆然と視線を下に落としたままだった。


第23話

明くる日の夕方、慎也のバイクショップに場違いな客がやってきた。

「いらっしゃい」慎也は入ってきた客に声をかけた。

「アンタが、尾藤慎也?」

客はいきなり慎也に声をかけた。

慎也には見覚えのない、自分と同い年くらいの男だった。しかし、男の方は昨日慎也を遠くから見ていた。和樹である。

「・・・はい・・・」

慎也は怪訝な顔で男を見た。

「本城梨子って知ってるよね?」

リコの名前を言われ、慎也は怪訝な顔をした。

「ちょっと話があるんだけれど」

和樹は下目使いで慎也を見下げた。


和樹は慎也を相模鉄道の高架橋の下に連れ出した。

「アンタとリコはどういう関係なの?」

和樹は背広のボタンを外し、ズボンのポケットに手を入れながら、まるで尋問するかのように慎也に尋ねた。

「どう言う関係って?」

「恋愛関係って言うか・・・まさか身体の関係にまでなってないよね?」

和樹にそう言われ、慎也は内心ビクっとなった。

「それが、アンタに何の関係があるんだよ?」慎也は不機嫌そうに言った。

和樹はわざとらしくフウっとため息をついた。

「俺は今、彼女のお父さんと仕事の面で繋がりがある。起こした会社が立つか立たないか大事な時期なんだよ。彼女のお父さんが是非僕との結婚をと進めてくれている。」

「結婚!?」

意外な事実に慎也は驚き、和樹の方をみた。

「資金も人材もいい状態で進んでいるから、このまま行けばおよそ1年以内に収益は10倍に上がると見込んでいるよ。彼女の父親も僕を信頼してくれているし・・・」

「・・・・」慎也には全く寝耳に水の話しであった。

「聞くところによると、君はもと暴走族なんだって?」腕を組みながら和樹が突然聞いてきた。

「!?」慎也は驚いて和樹を見る。

「しかも、もと仲間は暴力団に所属。今だ君ともコネクションがあるみたいじゃない?」

「何でそんな事を…」

「まあね、いろいろ情報の『つて』って奴があるからさ」

和樹の言葉に、慎也は呆然となった。

「そんな明日も分からない、危ない橋を渡りっぱなしの君にリコを引きとめておくことってどう思う?君のせいで彼女にもしもの事があったら・・・?」

遠くから電車の近づく音がする。

「・・・」

「君の存在事態が、彼女を危険にさらしていると思わないかい?」

和樹は慎也に顔を近づけた。その時二人のいる高架橋の上を電車がけたたましい音を立てて通過する。

「・・・」慎也は和樹を見据えた。

「梨子の幸せを思うんなら、彼女から身を引いてくれないかな?」和樹は慎也から身を引きながら言った。


慎也は下唇をかみ締めた。

何もかも奴にはお見通しだ。

バイクの事以外世間の事をなにも知らない同然の自分に、太刀打ちできるはずがなかった。

「・・・分かった」悔しさを押し殺し、かすれた声で慎也は言った。

和樹は得意げにふんと鼻を鳴らし、ぽんと慎也の肩をたたくとその場を去った。

残された慎也は呆然とする。そして強く、こぶしを握り締めた。

「シン、お客さん来てるゾ」奥から店長が声をかけ、慎也はわれに帰った。

力なく店に戻る慎也の背中を店長は見つめた。



第22話

慎也とようやく結ばれたというのに、どうしてこんな事になるのだろうか・・・

リコは気落ちしたまま仕事の後、慎也に電話した。

「もしもし、尾藤君・・・?」

「リコ、どうしたんだよ、元気ネエじゃん」

「うん・・・あの・・・ちょっと、会える?」




慎也はわざわざ横浜駅まで来てくれた。

「どうしたんだよ・・・?」慎也はリコに尋ねた。

「私ね・・・結婚させられるかもしれない・・・」リコの言葉に慎也は驚いた。

「結婚?」慎也は信じられないという顔をした。

「前に言っていた、例の『カレシ』って人、お父さんのお客さんだったの。」

リコは自分の父が会社の重役職であること、和樹と取引をする話しをした。

「昨日始めて父の前で二人であって。お父さんすっかり気に入っちゃったみたい・・・」

「そんな・・・」慎也は驚いた。

「あたし、尾藤君のそばがいい!」そう言ってリコは慎也に抱きつく。

「リコ・・・」

「私は新村君より尾藤君を選んだんだもん、今更戻れないよ!」

リコは更に慎也にしがみついた。

慎也も戸惑いつつ、リコをしっかり抱きしめる。


その二人を、遠くから和樹が見てしまった。

「あれ、尾藤先輩じゃないっすかね」怪訝な顔をする和樹の背後にいた後輩が、言った。

「あいつの事、知ってるのか?」和樹が驚いて後輩に尋ねた。

「高校の時の先輩ッすよ。昔族でならして知らない奴いませんって。喧嘩も滅法強いし・・・」

和樹は驚いて後輩に言った。

「奴の事、もっと詳しく教えてくれないか?」




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