素人恋愛小説RISK -3ページ目

RISKを書こうと思ったきっかけ

このストーリーの原案は思えば私が小学生のころから出来上がっていたように思えます。
キーポイントはちょっと家柄のいい女の子とワイルドなタイプの男(の子)との恋愛ストーリー。
小学生の頃から漫画雑誌をよく読んでいた私は、いろんな恋愛ものに親しみましたが、なんて言うか、面白いけれど、どちらかと言うと品の良い男の子が多かったのよね。
自分はやっぱり、この主人公のように、家柄もまあまあ(今は極貧だけど)。
だけどどこか、自分とは違う世界の人に憧れていた面がありました。
今でも充分自負するけれど、陰のあるタイプに弱いのかも(^^;)。

そういう男の子が登場する漫画って余りなかったから、将来プロ漫画家になってそう言う話し書いて見たいって、ずっと思っていました。
この「RISK」のような話しを、白昼夢のように想像している時が、
人生で一番楽しかったな。

この「RISK」のような話しを書くにはどんな絵柄に(当時はマン画家志望だったので)しようか、どんなストーリーにしようか、どんなことキャラたちにさせようか…
本当に友達も親も、誰も知らない、私だけの楽しみだったように思います。


結局、この熱さだけは誰にも負けない思い込みのお陰で、某有名出版社で少女漫画家デビューは果たしました。もう10年前の話しデスが。
だから、話しの展開がちょっと漫画ぽかったりするのはそのせいだと思ってね。

しかし、ここでは「RISK」のような話しを書かせてくれる機会はありませんでした。

それでも「RISK」のような話しをいつか書くぞと思って、編集の言う事を良く聞き、何本か作品も載せてもらいました。

結婚してからも、何本か作品は書きましたが、とある作品でプロットとネームに1年以上かけた挙句、完全に没にされたことがきっかけで、主人に「もうこれ以上漫画はやめて欲しい」と言われてしまったのです。

家庭もあるし、仕方ないと思いました。ついでに言うと、そこでは「RISK」のような話しは書かせてもらえそうになかったし。

もう私の書きたいものを書く機会はないのかも。そう思って、日頃関心もあった語学学習に力を入れ始めました。
子どもも生まれ、某所で別ブログを開設して、ブログの交流も活発になり、書きたい話しを書くことなどすっかり忘れていました。

そのはずなのに・・・それが、ふと急に、書きたい話のことを思い出してしまいました。

そこでふと考えたのが「ブログでやってみようかな?」ということだったのです。
子育てに勉強、家事、やらなくては行けない事山積みだけど、この作品をブログで書いていくことは、私の人生の集大成になるかもしれません。

でも、ブログって便利よね。
パソコンさえあれば、ソフトを買い足す必要もないし、一番お金がかからない趣味なのかも。
極貧生活の私にとっては、ありがたい発表の場になりそうです。

第16話

元気のないリコにサエが声をかけた。


「どうしたのよ?新村クンとは会ってるんでしょ?」

「うん・・・」返事にもさえないリコだった。

「なーに?、喧嘩でもしたの?」

「全然、そんな事!!」サエの質問にリコは慌てて打ち消した。


(そんなんじゃない、でも・・・)


新村とは、上手く行っている。しかし・・・


サエは自分が慎也と会っている事を知らなかったし、言えなかった。



週が変わり、ようやく慎也が戻ってくる日が来た。

リコはいても立ってもいられず、仕事の後、まっすぐにバイクショップに向かった。


いつも店先でバイクを磨いている、あの慎也の姿が戻ってきていた。


慎也はリコに気がつき、ゆっくりとリコの方を見つめた。

「いらっしゃい・・・」

「あの・・・」リコは慎也に声をかけた。慎也はバイク磨きに戻っている。

「あたし・・・二股とかじゃないから・・・」

リコは思いきって慎也に言った。

慎也は答えなかった。

「ホントよ!信じて!」リコは語気を強めていった。自分の言葉にはっとして気まずい顔

をした。


しばらく二人を沈黙が襲った。やがて、

「違うって証拠でもあるの?」慎也がおもむろに尋ねてきた。

リコは答に窮してしまった。

しかし、しばらく考えた後、とっさに、慎也の磨いている手を取った。

慎也は驚いてリコを見た。


「あたし・・・」それ以上、言葉が出なかった。慎也もリコを見つめた。


「分かってくれるまで、帰らないから・・・!」

自分でも驚くような言葉が、リコの口から出た。


そのまま、二人は互いを見詰め合った。


驚いた顔の慎也と、自分の気持ちをわかって欲しくて真剣なまなざしのリコ・・・。

リコは更に、慎也の手を強く握り締めた。慎也ももはや、「汚れる」といって払おうとしなかった。


やがてゆっくりと、慎也は手を掴むリコの手をとり、リコから離れ、言った。


「今日は早めに終わる・・・、そしたらちょっと付き合ってくれねえ?」

慎也はリコにそう言った。


第15話

昨日慎也に誤解された事がリコの頭からずっと離れなかった。


このまま、慎也は自分から離れてしまうのか・・・?そう思ったら胸が苦しくて仕方なかった。


(どうしよう、どうしたらいいの・・・?)

このまま誤解されたままでいるのはイヤだった。

考えても仕方ない、もう一度、慎也のいる店に行ってみよう・・・。

リコはもう一度、慎也の店へ行ってみることにした。

思いきって店を訪ねてみると、慎也は留守だった。

「いらっしゃい、お、この間の・・・」

店長もすっかりリコの顔を覚えたようだ。リコは店長にお辞儀をして尋ねた。

「あの・・・尾藤君は・・・?」

「ああ、シンなら出張だよ。お客さんでバイクのレースやってるのがいて、茂木のサーキットにメンテナンスに行っているんだよ。来週帰ってくるけどな」

そう店長に告げられた。

「そうですか・・・」リコはがっかりして店を後にした。

慎也に一週間以上会えないのは辛かった。早く慎也に会いたかった。

第14話

電話で約束した時間と場所でリコは和樹に会った。

「どうしたの?浮かない顔して」和樹に言われた。

「ごめん・・・」リコは本当の事が言えなかった。

折角の慎也との時間・・・しかし、それはリコの思い通りになるとは限らない。

二股同然の事をしているのは、間違いなく自分のせいだ・・・。

「沈んでいるなんて、君らしくないよ。いいところ連れてってあげる」

沈んでいるリコの事を気にして、和樹がそう言ってくれた。

(いいところ?)




そう言って、連れていかれたのは、ライトアップのキレイなモニュメントのところだった。

「わあっ!!!」

リコは思わず、目を奪われた。

鋼鉄製のバーを編みの目状にアレンジし、周囲を幾つかのライトがさまざまな色で、かわるがわる音楽に合わせて点滅する。


ちょっとした幻想の世界がその場に出来あがっていた。


「この間リニューアルオープンで新しく広場に出来たんだって」

リコはまるで深海の中にいるかのような気分でオブジェに見入った。

うっとりモニュメントを見つめるリコの手を、和樹はさりげなく握ろうとした。

だが、リコははっとして手をよけてしまう。


一瞬気まずい空気が二人を襲った。


「ゴメンなさい・・・」リコは謝った。

「・・・いいよ、こっちこそゴメン」和樹は笑顔を取り戻して言った。


和樹はいい人だ、優秀なようだし、自分にも気を遣ってくれる。こんなにいい人なのに。


なぜ・・・?


リコは自分が分からなかった。



第13話

リコは慎也の方を見つめた。慎也は無表情でリコを見つめた。


「アンタ、カレシいたんだ?」

慎也の冷たい問いかけに、リコはズキっとなった。

「あたし・・・二股とかじゃない・・・」

リコの言葉に慎也は答えなかった。

「ホントよ!信じて!」

リコは思いっきり叫んでしまった。自分の言葉にはっとし、気まずい顔をした。


「・・・」何も答えず、相変わらずバイクを磨いている慎也。

リコは言葉につまり、考え込んだ。そしてとっさに、慎也の磨いている腕を取った。


「あたし・・・」

それ以上、言葉が出なかった。慎也もリコを見つめた。

慎也はふぅっとため息をついた。

「放せよ、アンタの手が汚れる・・・」さりげなくリコの手を振り解き、

慎也は奥に行ってしまった。


「尾藤君・・・」リコは呆然と立ち尽くした。