中学受験講師ブンブンのブログ

中学受験講師ブンブンのブログ

中学受験の塾講師とプロ家庭教師をしています。指導のあり方、入試情勢、教えて思うことなどについて、書いていきます。

私立中学への通学時間ですが、短い方が望ましいです。
学校まで徒歩10分だと、ギリギリまで寝ていて緊張感が無い!なんて、うらやましいセリフとは、多くの方は無縁でしょう。
そこで、私立中学までの通学時間に関する話。
 
【1】30分以内で通える私立中は、かなり少ない
通学時間を30分以内にできれば理想的ですが、実際30分以内の場所は、かなり少ないです。
仮に、品川駅から徒歩5分という非常に便利な場所のマンション住まいとしても・・・
《開成中》
開成中の最寄り駅の西日暮里までは、山手線で乗り換えなしで27分です。
でも品川駅まで徒歩5分、電車待ち2分、西日暮里から3分で、通学時間に37分かかります。
《麻布中》
距離はかなり近い麻布中学ですが、案外時間かかります。
品川駅まで徒歩5分、山手線で恵比寿まで11分、乗換に5分、日比谷線乗り換えて3分、広尾駅から坂道を上がって徒歩公称10分の計34分かかります。
《女子学院中》
女子学院中の最寄り駅は、JR市ヶ谷、地下鉄麹町駅などです。
山手線で有楽町まで11分、有楽町線乗り換えで麹町まで5分です。ただし、品川駅まで徒歩5分、乗換に7分も麹町から学校まで3分かかりますから、合計31分となります。
混雑する朝ラッシュ時は、階段も混雑しますから、隣のホームに乗換のため移動するだけで更に時間がかかることもあります。
交通至便な品川駅近くでも、通学30分以内の学校は限られます。神奈川・千葉・埼玉の郊外だと、30分以内の学校は2~3校に限定されると思います。
 
 
【2】中1の時期が大変
長時間の通学で、大変なのは入学したての中学1年でしょう。
比較的空いている列車と車両は、1~2週間で慣れて対応しやすいです。
「京浜東北線の東京方面行きなら大船発は混雑するが蒲田発・鶴見発は比較的空いている」「2両目の車両が比較的空いていて、下車駅の階段にも近い」といった事情は、短期間で気づいて対応できます。
とはいえ中1の頃は、まだ体力がついていません。
長時間立っていると体力的に厳しいです。
そして、運動部に入ると、日ごろの練習も加わります。
通学時間は短いに越したことはないでしょう。
もちろん同じ70分でも、始発駅からの乗車で、座っていけるなら問題ないかもしれません。
 
【3】高校3年も付属校以外ではキツイかも
高校3年は、志望校合格に向けて必死に頑張る時期です。
睡眠時間を短めにして、日々学習するのですが、片道90分の人は片道30分の人と比べると、1日に通学時間が2時間多いのです。電車に立ちながら、英単語集を眺める受験生もいますが、自宅で勉強した方が効率は良さそうです。
私の教えていた塾の先生には、高校3年の1年間だけ、定期代がバカ高い路線バスで通学して、通学時間を短縮させた人もいました。
なお、推薦率が高い大学付属だと、高3でもあまり気にならないようです。
 
 
【4】距離でなくて時間
学校までの距離は遠くても、通学時間は短いこともあります。
私が感じるのは、武蔵野線は快速運転しなくても駅間の間隔が長くて、距離のわりに時間は短いです。
南浦和周辺の多くの人は、都心に向かうことは多くても、西国分寺や新松戸に移動することは少なく、感覚がつかみにくいと思います。
距離的に近くても、乗換が多いと、予想外に時間がかかることもあります。
 
【5】都心と郊外では事情が異なる
この種のSNSで「通学時間は何分までにすべき!」という書き込みがありますが、個々の事情で大きく変わります。
特に住んでいる地域を考慮する必要があります。
先ほどの「品川駅まで徒歩5分」にお住まいの方でしたら、多くの私立中学は通学時間が60分以内になります。
幅広い志望校から選べることになります。
ところが、郊外にお住まいの方だと大変です。
「稲毛駅までバス25分」「川越駅まで徒歩で25分」の場所にお住まいですと、自宅からの通学時間を60分以内の範囲だと、稲毛駅・川越駅から35分の学校に限定されてしまいます。
千葉県や埼玉県は、昔よりは私立中は増えたものの、東京都より圧倒的に少ないです。
ですから、千葉県・埼玉県にお住まいの方ですと、通学時間は片道80分もやむを得ないと感じます。
一つの目安は、東京23区は60分以内、その周りの地域は80分以内でしょうか。
 
 
 
【参考】千葉県内の私立中学までの所要時間
★10年以上前ですが、千葉県内の私立中までの通学時間を調べました。
★当時と所要時間はほとんど変わっていませんので、参考のため出すことにします。
★これに、自宅から駅までの時間を加算してください。

都内でも、日暮里周辺からなら、常磐線沿線の専修大松戸や芝浦柏に通いやすいです。更に京成線利用で、東邦大東邦などにも通えます。
品川からなら、何とか通えても、横浜だと厳しいですね。
 
 
★注意点★
★この所要時間は、接続がけっこう良かった時の時間です。
乗り継ぎ1回3分、時間がかかりそうな「京葉線の東京駅乗換」「京成船橋とJR船橋」は6分で計算しました。
ですから、冒頭の「品川駅から徒歩5分」の場所にお住まいの方が、渋谷幕張中に通うには、一覧表の58分プラス品川駅までの5分で、接続がかなり良ければ63分という通学時間になります。十分通えますね。
 
 

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今までの記事を3つご案内します。

 

 

 

 

私は中学受験のプロ家庭教師で算数と理科を教えています。

今年は珍しく、11月になっても時間に余裕があります。

問い合わせはあるのですが、「指導曜日・時間帯が合わない」場合は対応できません。

(土曜日曜の午前から午後4時くらいまでと、月曜日は空いています)

そして目立つのは対応できない指導の依頼です。たとえば「残り3か月で偏差値を10伸ばして志望校に合格させたい」といった無茶な案件が多く、なかなか引き受けられません。

お問い合わせと詳細はこちらへ

衆議院選挙が終了しました。

今回は、学習塾と政治家・お役所との関連の話。

 

【0】学習塾の業界団体って?

学習塾は、お役所から許可をもらわなくても、開業して教えることができます。

そういう事情もあって、学習塾だと同業者団体・組合に加盟しなくても、全く問題なく営業できるわけです。

同業者団体・組合の類は、公益社団法人全国学習塾協会はじめ数多く存在していますが、加盟塾(組織率)は10%にも達しません

行政から学習塾に対して、規制もなければ、補助金などの優遇措置もないですから、学習塾が一致団結して要望しようとはならないのです。

よく言えば自由、悪く言えばバラバラな業界なのです。

ちなみに、学習塾の業界団体の役員をしているのは、多くは高校受験主体の古くからある地域密着塾です。中学受験で御三家に2ケタ3ケタ合格させている大手塾が「この指とまれ!」と塾業界をリードしようとすると、他の多くの塾は、1つの大手塾が発言力を持ちすぎて暴走するのを警戒してまとまらないのです。

 

私は20年前くらいの若いころ、知り合いの先生に誘われて、学習塾の団体に関わったことがあります。

合同相談会を開くとなると数日前から配布資料を袋に入れる力仕事、新年会を開くなら当日は受付に立つ、というわけです。

そうすると、お役所や政治家と接することが、何度かありました。

今回は、お役所や政治家と接した話。

 

 

【1】経済産業省の会議

学習塾は、文部科学省とのつながりは、ほとんどありません。

たまにあるのは経済産業省とのつながりです。

ある日、塾団体の会長が私に「経済産業省の会議にカバン持ちとして付いて来ないか?」と頼んできました。

会長と言っても、多くの塾団体の会長は中小塾の塾長から選ばれ、秘書なんていません。

交通費すら出るか微妙な話でしたが、会長は「秘書同行だと会長らしく格好がつく」、私は「お役所の会議も何か面白そう」と利害が一致して、霞が関に出かけることになりました。

経済産業省の入り口では、警備員に金属探知機で厳重にチェックされて、経産省の会議室へ。

この時の内容は、消費者保護のための特定商取引法で、学習塾でもクーリングオフを適用させたいので、塾業界の意見を聞きたいということでした。業界との摩擦を最小限にするための「根回し」でもあるのです。

現在は、学習塾の申込みでは「(契約)書面を受け取った日から数えて8日以内」にクーリングオフができるとされています。

1週間の短期講習を、開始前日に申し込んで、最終日にクーリングオフを申し出たらどうなるか等、一時期は塾業界では大騒ぎでした。(まあ中学受験塾には、ほとんど影響はなかった模様ですが。)

このように、特定商取引法に学習塾やエステサロンが適用される際には、経済産業省が業界の意見を聞いた上で決定したのです。

キャリア組以外の、現場で頑張るノンキャリア(らしき)公務員が目立っていたのが印象的でした。

 

 

【2】千葉県庁への陳情

千葉県庁への陳情に、同行することになりました。

15年前、20年前の学校や教育委員会は、学習塾と接すること自体がタブー視されていました。

東京都と違って、千葉県は塾業界を敬遠する意識が強いのです。

東京都なら、塾の人間に「昼間に学校で非常勤講師をしませんか」と声かけるほどで、私も小学校に約4年間教えに行きました。ですが、千葉県はまだまだでした。

学習塾の団体で、私立高校を紹介する受験合同相談会を開催する場合でも、「教育委員会後援」とあるだけで、会場の確保や宣伝活動がスムーズになります。できる限り連絡体制を取りたいので、千葉県庁に陳情に行ったのです。

合同相談会などのイベントに参加する私立高校の校長と一緒に行くということで、事前にアポ取って、塾側からの陳情を聞いてくれることになっていました。ところが、ドタキャンされました。私立高校の校長も同行してましたから、会ってもらえると思っていたのですけど、課長は何を恐れたかドタキャンで、現場の職員が一方的に話を聞くだけでした。

今は、当時より敷居は低くなっているような気がしますが、今はどうなんでしょうね。

 

【3】新年会・忘年会

学習塾の業界でも、忘年会や新年会を開催します。

新年会・忘年会が開催されると、政治家は顔を出しまくるのが基本です。

ただし、塾業界は許認可団体でなく組織率も低く、出かけても正直言ってカネにも票にもなりません。

塾経営者には、「世の中はこうあるべき」という主張を持つ人も多く、政治に対する考えもバラバラで、まとまった集票活動は無理な業界です。

ですから、議員さんは、ほとんど来ません。でも毎年のようにお越しいただいたのは、下村博文衆議院議員(板橋区)です。

もともと下村氏は学習塾の経営者ですから、都議会議員時代から、つながりはあったのです。下村博文議員が文部科学大臣になった時は、とうとう塾の人間が大臣になる時代が来たかと驚きました。

中津川ひろさと議員(江戸川区・当時は民主党)も塾の経営者でしたから、与野党バランス取れていて、気兼ねなく政治家と話できた時代でした。

他に新年会で記憶があるのは、小林興起衆議院議員の当時秘書だった秋元司氏(のちに国会議員)です。

 

 

今回は、中学受験指導には、直接関係ない話でした。

 

 

【関連記事】

●合同相談会の手伝いもしていました↓

 

●私立高校の校長から愚痴を聞く役だった話↓

 

 
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今日から10月です。

6年の中学受験生にとって、10月(そして11月)は入試が近づきあせる時期です。

「焦りの10月」「スランプの10月」が来たのです。

 

この時期は、どうして焦るのか。まとめてみました。

【1】第一志望校を断念するか迷う時期

多くの受験生は、第一志望校の合格ラインに届いていません。

模試で合格可能性80%を連続して叩き出している受験生は10人に1人です。

その大きな理由は、より難しい中学を希望しているからです。

偏差値50の受験生がいて偏差値54の学校を第一志望校にしていたとします。頑張って成績を上げて偏差値55が安定した出せるようになったら、より高い学校、たとえば偏差値58の学校を狙いたくなるものです。第一志望校に「合格可能性80%」が連続して出せたら、第一志望校をより高い学校に変えるのです。

 

むしろ圧倒的に多いのは、第一志望校を「下げる」受験生です。

偏差値60の学校に向けて頑張ってきたけど、現在偏差値53前後。

かなり合格は厳しい状態です。

悩みながら毎日の勉強頑張るのは、気分的にスッキリしません。

私は2月1日以外は、偏差値が7不足しても第一志望校を変えずに挑戦するのを勧めます。

この話はこちら↓

 

 

【2】過去問で点数が届かない

本格的に過去問を解き始めるのは、この10月頃です。

過去問で、なかなか点数が取れないと思います。

この時期は安全校、いわゆる「滑り止め校」でも、合格最低点に達しないことが珍しくありません。

誤解している保護者もいるのですが、他の受験生と同じだけ学力が伸びた場合、偏差値は変わりませんが過去問の点数は上がるのです。

偏差値は、勉強のペースを下げると他の受験生に抜かされて下がりますが、過去問の点数は力がついて上がるだけです。

2月1日の入試当日に100点満点で60点取る受験生は、10月初めで40点、12月初めで50点と力をつけていき、2月1日に60点取れる傾向があります。最後の100日には、算数なら試行錯誤で解いていた問題が、「あっ!先週解いた問題と同じパターンだっ」と気づくなどで、早く正確に解けるようになります。学力がつくのに加えて、時間配分など傾向に慣れることで、得点力が上がるのです。

10月には「合格最低点まであと40点」、12月に「あと18点」となれば、合格ラインに達していなくても、あと一歩!と合格に近づいている手ごたえがつかめます。

偏差値が下がり気味で自信を無くしている受験生に対して、元気づける方法として、6年4月の模試を解かせる方法があります。

首都圏模試の6年9月の偏差値が下がった受験生は、「夏期講習とか非常に頑張ったのに力ついてない」と自信を無くし気味です。そんな時には、首都圏模試の6年4月の過去問を注文して解いてもらうのです。半年前に比べると大きく実力は付いているはずです。9月に偏差値45と低迷しても、半年前の4月の過去問だと偏差値50を超えて52とか55に相当する点数になっている可能性大です。

 

 

【3】毎週の課題が追い付かない

6年秋の受験生は、非常に多忙です。

日曜日は特訓授業、模試も月に2回くらい、塾の授業の宿題も増える、そして受ける学校の過去問も解く必要があります。

時間が圧倒的に足りなくなります。

兄・姉を中学受験させた御家庭なら、結構冷静な判断ができます。

「塾の先生は『第一志望校の過去問は5年以上解け!それも2回3回と繰り返せ』というけど、そんな時間あるわけない」

「復習小テストに時間取れないから、得意教科の国語の漢字と社会の地理は、復習しないで小テスト受けよう」

「説明が下手な××先生の理科は、半分以上授業を休んじゃえ」

1人目ですと、真面目に正面から受け取って、取捨選択しようとしない保護者が多いのです。

 

本来は、中学受験で困ったことがあれば、相談に乗るのが中学受験塾です。

でも、「課題が多すぎて解ききれないのですが・・・」と塾に相談できないのが現実です。

セカンドオピニオンが聞けない保護者が多かったら、塾は対応を変えなくてはならないのですけどね。

↑勉強の進め方を質問できるコーナーもある合同相談会もあります

 

 

【4】具合が悪くなりがち

この時期は、体調を崩しがちです。

急に涼しくなってきて、気候の変化に体が付いていきにくいのです。

もともと睡眠時間を減らし気味で、体力を削りながら毎日頑張っているのです。

今までなら一晩寝れば治るくらいでも、体力が低下していますから、なかなか回復しません。

ですから、

10月から12月の3か月の間に、過半数の受験生が1度は寝込むのではないでしょうか。

「うわ~、寝込んだら勉強が遅れてしまう!」と考えるのではなく、「ウチの子も、1回寝込んで2~3日休む時期が来たか」と冷静に受け取りましょう。

 

寝込んだ2~3日のあいだ、ヨコになってもできる社会の暗記をすべきと考える先生もいますが、私は反対です。

カラダも疲れていますが、アタマも相当疲れているハズです。

何となく全体的に脳みそが疲れ切っている状態ですから、2~3日だけ勉強停止してアタマに休息を与えて、気分的にスッキリさせるのが良いと思います。

 

 

■保護者が気を付けること■

「焦りの10月」ですから、親子とも焦るのは仕方ないことです。

でも親は「焦る表情を出すのは毎日5分以内」に押さえて、普段は表向き冷静でいましょう。

保護者が毎日ずっと焦って不安の固まりだと、その表情をずっと見ている受験生はシンドイです。

 

 

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(首都圏模試で偏差値50以下でしたら週2回は必要です)

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