直腸がんの特徴
❶直腸がんは何が問題なのか?
直腸は肛門の近くにありますので、がんの手術は結腸がんと違って、肛門・排便機能を残せるかが問題になります。
❷結腸がんとの違いは何か?
直腸の周りには、膀胱、子宮、尿道、自律神経などがあり、がんやその周りのリンパ節を上手にとるのが難しく、結腸がんより後遺症や局所再発がやや多いといわれています。
❸直腸がん手術の種類とは?
- 前方切除術(高位・低位)
- 括約筋間直腸切除術(ISR:アイエスアール)
- 直腸切断術(マイルズ手術・ハルトマン手術)
- その他
直腸がなくなってしまうことの症状
直腸は、便💩をためておく場所です。
直腸は拡張しやすいので、うんちをためておけますが、直腸がなくなると、ためておく容積が減り、頻繁にうんちが出たり、出し切れない感じが残ったりします。
また、便意もわかりにくなり、内肛門括約筋が機能しないと気が付かないうちに、うんちが漏れたりすることもあります。
対策としては、以下がおすすめ。
繊維の多い食事・下痢しやすい食事を避けること
野菜(ごぼう・セロリ・キャベツ)、芋類、こんにゃく、豆類、フルーツ(柑橘系・バナナ)、きのこ類、海藻、玄米、カフェイン、アルコール、牛乳
骨盤底筋体操
おしりをしめたりゆるめたりする運動
自律神経の障害による症状
自律神経は直腸を後ろから包み込むように存在しています。ですから、後遺症が多少は起こります。自律神経障害による後遺症の主なものは以下の通りです。
排尿障害
尿が出きらない(膀胱の中に尿が残ってしまう)
性機能障害
- 男性の場合:勃起できない、射精できない
- 女性の場合:性欲や感度の低下、性交痛
なるべく後遺症を減らして、完全に治せることがベストですが、がんの手術は、根治性とQOL(生活の質)のトレードオフになります。
放射線か?側方郭清か?
直腸がん手術の問題点とは
❶後遺症がでやすいこと
❷結腸がんより局所再発が5倍多いこと
これにどう対応するかですが、欧米と日本では治療に対する考え方が違うようです。
日本では、側方リンパ節郭清にこだわってきましたが、日本の手術に欧米の知見をどう取り入れるか議論になっているそうです。
とはいえ、放射線治療VS側方リンパ節郭清については、結論がでていないようです。
このあたりを動画で詳しく解説されていますので、興味がある方はどうぞ!
動画はこちらから!
直腸がんで手術と言われたら(手術説明編)
❶直腸がんは何が問題なのか?
❷結腸がんとの違いは何か?
❸直腸がん手術の種類とは?
直腸がんですと言われたら(後遺症編)
❶直腸がなくなってしまうことの症状
❷自律神経の障害による症状
直腸がんですと言われたら(放射線か側方郭清か!)
欧米と日本で対立する放射線治療VS側方リンパ節郭清の議論のゆくえ
人生は1度きり。だから思いっきり楽しむべきよ。
by ココ・シャネル