昨日の 「性欲のスイッチ(3)」 の続きです。

 

昨日の記事では、「セ/ックスを深める」 ためには、まず二人で 「セ/ックス」 を話し合う場が必要であり、話し合うための 「空気の醸成」 が大切であることを説明しました。

 

では、その場で何を話し合うのか?

 

それは、お二人が、お二人の 「セ/ックス」 に何を求め、何を期待しているかによります。

双方に 「セ/ックス」 やお相手に対する 「不満」 もあるかも知れませんし、ご自身に心配事や悩み事もあるかも知れません。

また、「もっとこういう セ/ックス をしたい」 といった 「願望」 もあるでしょうし、中には、「セックスがキツイ」 とか 「もっとしたい」 というような話が出てくるかも知れません。

 

二人の仲が良好なときは、まだ良いのですが、体調が優れないときもあれば、結婚生活というもの毎日が薔薇色であるはずもありません。

これは、「セ/ックス」 に限った話ではありませんが、むしろ、お互いの関係が上手くいっていないときこそ、どのように対峙するのかが重要になってきます。

 

そして、「セ/ックスを深める」 上で、二つ目に重要なこと。

それは、「セ/ックス」 をある程度系統付けて把握することです。

 

「セ/ックス」 は、今まで 「秘め事」 として扱われてきました。

学校での性教育は、1992年が 「性教育元年」 呼ばれ以降10年間、内容も充実(過熱)?した時期もありましたが、そもそも、まともな 「セ/ックスの教科書」 もありませんし、「セ/ックス学」 みたいな学問すら存在しないことが問題なのです。

これは残念なことに日本に限らず、米国などでも同じです。米国などでも、「性」 の話となると途端に研究予算の獲得が難しくなるらしいのです。

 

「セ/ックス」 の知識を得る

 

(1) セ/ックス 温故知新

 

日本も、はるか昔 「江戸時代」 には、「閨中紀聞/枕文庫(けいちゅうきぶん/まくらぶんこ)」 など、幕府に禁止されてはいた 「発禁本」 ではありましたが、当時の 「セ/ックス教本」 とも言える、かなり濃厚な内容の 「春画(艶本)」 がいくつも発刊されていました。

 

これらの本は、中国の 「房中術」 の影響を受けているのかも知れませんが、少なくとも、日本にも、インドの 「カーマ・スートラ」 や、中国の 「房中術」 に類する 「性典」 が存在したということ。そして、こういった春画は、大名などの 「嫁入り道具」 として、持たされたりもしたようです。

 

 

 

ちなみに、「性典」 として名高い、インドの 「カーマ・スートラ」 の章立ては、次のような構成になっているようです。

  1. 導入部(全四章) 一般的な愛について。
  2. 性交について(全十章) 接吻、前戯、性的絶頂、 88手の性交体位のリスト、 オーラルセックス、スパンキング、 変態性欲、三人婚、インド版九状(玉茎の動かし方)、性器の種類と大きさ。
  3. 妻を得るには(全五章) 求愛 と 結婚
  4. 妻について(全二章) 妻の適切な行為
  5. 人妻について(全六章) 主に婦女誘惑の方法。
  6. 娼婦(妓生)について(全六章) 妓女必須の64芸に巧み。特に演劇に詳しいことを求める。最高位はガニカー。
  7. 他人を惹き付けるには(全二章)

 

(2) 「セ/ックス」 に関わる知識

 

狭義の意味での 「セ/ックス」 は、単なる大まかな流れや手順だけで終わってしまうかも知れません。

しかし、ここで仮に 「セ/ックス」 をひとつの運動競技と捉えてみると、「セ/ックス」 には相手が存在することから、「二者競技(個人競技)」 ということになり、競技を有利に進めるためには、「セ/ックス」 に関連するさまざまな 「知識」 が求められることが分かります。

 

まずそこには 「暗黙」 ではあるかも知れませんが、「ルール」 が存在します。

昨今は、夫婦においても、「セ/ックス」 を強要出来ないという意識が根付いてきていますし、「セ/ックス」 に際しては、明確な同意を取り付ける必要があると考える新たな風潮も出て来ています。

また、当然ですが、衣類や身体を衛生的に保ち、爪を切り揃えたり、口を衛生的に保つといった 「マナー」 も含まれますし、妊娠を望まない場合は、「避妊」 が前提となります。

 

少なくとも、広義の意味で 「セ/ックス」 を考えると、「社会的」 には、「ルール」 や 「マナー」 が求められますし、(今現在のレベルを知りませんが)学校で習うような 「性教育」 レベルの 「生物学的?」 な知識以外にも、男女の性差など 「生理的」 な話、「恋愛」 や 「人との関係性」 を築くための 「心理的」 な話も必要ですし、週刊誌レベルの話や、「セ/ックス」 指南的なレベルの話。そして今後は、「個人差」 の話として、「LGBT」 の話や 「性癖」 など 「多様性」 の話、また 「オーガズム」 にも個人差が見られることなど、「セ/ックス」 には、いろいろな知識や知見が関わっていることが分かります。

 

「保健衛生」 的な観点からは、単に 「性病」 の怖さやリスクを煽るだけは意味ありません。子供に恐怖を植え付けるのが目的なのであれば、国民病とも呼ばれる 「糖尿病」 や透析を必要とする 「腎疾患」 の怖さこそ煽れと言いたくなります。(苦笑)

大切なことは、「性病」 ばかりでなく、「セ/ックス」 に関わる保健衛生上のリスクと 「予防」 をきちんと教えること。

例えば多くの人が、「自/慰(じい)」 あるいは 「オ/ナニー」 と呼ばれる行為を経験しますが、これにしても、間違ったやり方は、男性であれば 「膣/内射/精障害」 や 「オルガズム障害」、女性であれば 「女性オルガズム障害」 という障害を招く可能性があるわけですから、リスクのある方法を取らないよう、正しい方法をきちんと教える必要があるわけです。

 

また、「道徳的」 には、相手の意思を尊重せず、「セ/ックス」 を無理強いすることがいけないのは当たり前のことですが、しかし、現在の教育は、異性との 「関係性」 を確立するために、具体的にどのようにどのようにアプローチしたら良いのかを、きちんと教えていません。そして、社会には一定数、こういったアプローチが出来ない人や、苦手な人達がいます。

一昔前までは、学校で学ぶことは、ほんの一部分に過ぎず、「社会勉強」 などと称して、いろいろと 「人伝(ひとづて)」 で学んだもんですが、北欧などのように、「愛」 や 「人間関係」 を踏まえて包括的に 「性教育」 を実施している国もあると聞きます。

「セ/ックス」 は、言葉を超えた 「心と身体のコミュニケーション」 であることを理解するためにも、「セ/ックス」 を 「人との関係性」 の構築、「コミュニケーション」 の一環として捉えるような教育が今後は求められると思いますし、理想だと思っています。

 

また女性の 「オーガズム」 についても最近では、「Gスポット」 なども解剖学的には 「スキーン腺」 が確認されたりと、徐々に解明されつつあり、「ク/リトリス」 が、女性を 「オーガズム」 に導く唯一の器官とする 「ク/リトリス神話」 も崩れつつあります。

「ク/リトリス」 の刺激による 「オーガズム」 を 「ク/リイキ(外イキ)」 に対して、膣内の刺激でイクことを 「膣イキ(中イキ)」 と呼ばれています。また、それ以外の部位への刺激もしくは全く肉体的な刺激のない状態でイクことを 「脳イキ」 を呼ばれていますが、こういった 「オーガズム」 は 「都市伝説」 ではなく、現実に存在します。

 

もし、信じられないという方は、アメリカのサイエンス・ジャーナリストである 「メアリー・ローチ」 氏の TED での講演をご覧ください。

 

メアリー・ローチ「あなたの知らないオーガズムに関する10の事実」

 

 

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全てが科学的あるいは医学的に解明されるに越したことはありませんが、医学においてでさえ、人の身体は未解明なところだらけです。

非科学的あるいは現在解明されている医学と矛盾がないのであれば、「漢方」 ではありませんが、経験則に基づく方法論や仮説があっても、特段のリスクや副作用がない限りは、似非情報と区別する意味でも 「民間知識」 として持っていても悪くはないと思っています。

 

(つづく)

 

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