前回の記事 「性欲のスイッチ(2)」 の続きです。

 

前の記事では、70歳のご夫婦の話より、「夫婦の関係性の深まり」 そして 「セ/ックスを深める」 ことが重要であるという話をしました。

 

このケース。全く 「前戯」 すらなく、「セ/ックス」 しているというのも驚きでしたが、自分的には、むしろそれ以上に、70代になっても夫婦で 「セ/ックス」 が続いているという方が驚きでした。

 

医師としては、老夫婦の当初の来院目的でもあった 「オーガズム問題」。そして、それに絡み、ご夫婦の 「セックス改善」 が図れれば、それで良い(必要十分な)わけですが、この老夫婦の場合、今までの 「セ/ックス」 において一切 「前戯」 をしていなかったという事実。そして、旦那は長いこと 「前戯」 をしたいとは思っていたものの、相手が受け容れてくれないと勝手に思い込んでいたという事実から分かること。

それは、それまで 「前戯」 がそれほどポピュラーなことと知らなかったことからも言えることなのですが、自分で積極的に調べようとしていないし、誰にも相談していないということ。

 

女医は、「夫婦の関係性」 や 「セックスを深める」 ことの意義について言及していました。この女医が言っていることは正しいと思います。しかし、このお爺ちゃんの場合はそれ以前の問題だと思いました。それは、思い込みや決め付けが激しく、「問題の自己解決能力」 もないに等しいこと。

 

専門医の立場から、「セ/ックスを深める」 という意識の必要性を説くことは適切だと思いますが、この老夫婦の場合を 「ケーススタディ」 するとしたら、「夫婦関係を深め、セ/ックスを深める」 ことの重要性も大切ですが、もうひとつは、やはり 「信頼のおける第三者」 に相談することの重要性でしょう。

 

上記のいずれも、もう、この70代の夫婦に今更それを求めるのは酷というものだと思います。

このご夫婦に関して言えば、このお婆ちゃんが行動に出たお陰で、「女医」 という信頼できる相談相手と出会うことが出来たわけですから、「結果オーライ」 と言えます。

 

では、この意外と深良い 「セ/ックスを深める」 とは、具体的にどのようにしていったら良いのでしょうか。

 

「セックス」 を深めるということ

 

そもそも、「セ/ックスを深める」 ということは、いったいどういうことなのでしょうか。

 

まず一つ目に言えること。それは 「繁殖活動」 としての 「セ/ックス」、すなわち 「妊活」 ではないということです。

「セ/ックス」 には、もうひとつ、お互いの 「愛を育む」 という意味があります。

 

昔、ヒトがまだ 「鮭」 だった頃、「セ/ックス」 とは、「本能」 に導かれ、そして、ゴールまで生きて辿(たど)り着くことが出来た 「選ばれし番(つが)い」 同士の 「愛の営み」 かつ 「繁殖活動」 でした。

この頃はまだ、「繁殖活動」 と 「愛の営み」 は一対のもので、分離していませんでした。

 

「セ/ックスを深める」 とは、「愛を深める」 という言葉と同じような意味合いを持つように感じます。

ここでは、仮に 「夫婦もしくはカップルの 『より良い関係性』 を目指して、二人で 『より快適なセ/ックス』 を模索すること」 と定義しておきます。

 

「セ/ックス」 を話し合う機会をつくる

 

まず大事なことは、「セ/ックス」 について話し合う場や機会を作るということです。

しかし、何も、堅苦しいものを想像する必要はありません。

女性が 「セ/ックス」 の話をしたり、男性を 「セ/ックス」 に誘うことに、「恥ずかしい」 と感じ、躊躇(ためら)いを感じる女性も少なくありません。

 

お互いの 「セ/ックス」 に対する思いを二人が真摯に話し合える場所、空気の醸成が必要だということです。

 

話し合う場ですから、相手を貶(けな)す場所でも傷付ける場所でもなければ、喧嘩する場所でもありません。どちらか一方の 「我」 を押し付けるのでもなく、お互いに相手が何を考えているかをきちんと受け留めて、二人で寄り添って一緒に考えることが大切なわけです。

 

これは、一番大切なことです。

 

***

 

自分も 「SM」 でではありますが、これと同じような 「場」 を設けています。

 

自分などは、行為中であっても、相手の表情や身体の反応だけでなく、呼吸や脈、血管の膨張度合いで血圧を見るなど、いろいろな観点から、常に相手の女性を観察しています。

しかしそれでも、当たり前ですが、相手の心の中までは、十分には読めないものです。

 

ですから、それを補い、相手の心情の発露を察するために、「調教日誌」 という形で、本人がプレイでどのようなときに、どのように感じたか、何を考えていたかなどを書かせています。

 

確かに、「SM」 における 「調教日誌」 も、目的はさまざまです。

 

女性に自分達の赤裸々なプレイの様子を 「調教日誌」 という形で書かせて公表させ、一種の 「露出プレイ」 目的で使用する人もいれば、主が如何に魅力的で優れているかを 「調教日誌」 に書かせて、愛奴募集のための 「広告」 として利用する人もいます。

勿論、女性が 「露出願望」 もしくは 「承認欲求」 を満たすために自ら書く人もいます。 

 

自分の場合は、相手の気持ちを知るための 「交換日記」 的な運用をしているということ。

相手にきちんと向き合いたいから書かせているので、真実でなければ意味ありませんし、嘘やフィクション、綺麗事は意味がないということ。

 

但し、自分の場合は、「要望」 は書かせません。「要望」 的なことは、別途、SNS などで話をしています。それは何故かというと、相手は 「奴隷」 とは言え 「女性」 ですから、どうしても他の女性と比較して 「クレクレクレ」 になりがち。

そのようなときは、「主」 とは、「奴隷」 に奉仕し、「『奴隷』 を気持ち良くする存在ではない」 と説明しています。当たり前でしょう。(苦笑)

プロの場合は、支払われた 「お金」 の対価としての 「サービス」 ですので、その限りではありませんが、「SM」 とは、必ずしも 「相手が欲っするもの」 を与えるわけではなく、飴と鞭を使い分け、「必要なもの」 を与えるプレイなわけです。

 

話が横道に逸れてしまいましたが、

 

夫婦であれカップルであれ、まずは、きちんとお互いの 「意思疎通」 を図れる場が必要であるということです。「きちんと」 という意味は、恥ずかしがらず、卑下せず、怒らず、感情的にならず、押し付けず、という意味です。

 

(つづく)

 

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