昨日の記事 「性欲のスイッチ」 の続きです。

 

女性の方であれば、この女医が言っているように、まずはレディースコミックから初めても良いと思います。そして、どんなときに興奮したとか、そういう話を自分のパートナーとすることも悪くないと思っています。

自分のパートナーを理解し、お互いの共通点を探すことはとても大事なこと。

他の家庭と同じかどうか、そんなことはどうでもいいわけです。

二人で一緒に歩むのであれば、「セ/ックス」 であってもひとつの道になると思っています。

 

以前、「ス/ワップ」 パーティーに参加したときに、一組のご夫婦にお会いしました。

その奥さん曰く、自分は セ/ックス は好きではないけど、旦那がやってみたいと言ったので、奥さんも一緒に参加するようになったとのこと。

一瞬、どう返事を返したら良いのか困惑してしまいました。

自分が好きでなかったり、特段望まないことなのであれば、断ることも出来たはず。勿論そこに強要はありません。しかし、彼女は断る方ではなく、旦那と一緒に行動する道を選んだのです。「変態的行為」 であるとはいえ、夫婦で一緒に活動を共に出来るということは、多分 「ス/ワップ」 に限らず、これからも他のことであっても、二人は一緒に歩くんだなと思うと、ある意味羨ましく、微笑ましく思いました。

 

***

 

多くの人がこれを読んだら、もしかしたら 「違和感」 を覚えるかも知れません。

「違和感」 を覚えた読者の方が、今現在、自身の 「セ/ックス」 に十分満足されているのであれば、何も他から情報を仕入れる必要はないわけですし、お隣の家の 「セ/ックス」 と比較する必要もないわけです。

ここでは、自身の 「セ/ックス」 を向上させるために何等かの 「ヒント」 を探されている方や、「セ/ックス」 の問題改善を模索されている方に向けて書いています。

読者の方に、自身の価値観を押し付けるつもりは毛頭ありませんが、「そのような考え方の人もいて、そのような考え方もある」 という視点でお読みください。

 

「セ/ックス」 の軽薄化

 

結婚に際しては、相手の 「性格」 もそうですし、自分との相性も大きな関心事項だと思いますが、「セ/ックス」 はどうなのでしょう。

結婚においては、「セ/ックス」 もとても大事な要素のひとつですし、身体の相性を重要視するひともいますが、「結婚」 の難しさは、決してそれのみで決定するわけではないということ。

 

そして、相思相愛であろうとなかろうと、お互いの 「性癖」 までを理解して 「結婚」 に至ることは全くないとまで断言出来ませんが、あまりないということです。

 

独身者の多くは、やはり 「結婚したい」 という願望があります。

「結婚」 は、プライベートにおける最大の事件である以上に、「公」 としての性格も強い人生における一大事件。

だからこそ、「結婚」 が現実的になりつつある相手に対して、その関係に水を差し兼ねないようなことは、なかなか出来ないのでしょう。

そもそも、英語では自分の伴侶のことを、「(Much) Better Wife」 や 「(Much) Better Husband」 などと呼びます。最良ではないのです。

100点の相手を探そうにも、探せないし見つからないから、80点で決断するのです。

 

ある意味、「セ/ックス」 とはベターな伴侶を見つけた後に、二人が試行錯誤し、模索していくものなのかも知れません。しかし、それは 「夜の時間」 がとても長く、夜にすることと言えば、それしかなかった遥か昔の時代のこと。

今の時代は下手をすると、十分な睡眠時間を確保するのでさえ困難な時代。

昔は 「夜の営み」 と呼ばれた 「セ/ックス」 も、カップヌードルではありませんが、どんどん 「軽薄短小」 化し、貧しくなっているのかも知れません。

 

「日本人」 の 「セックス」 は貧しい?

 

この記事も最近のネット記事ではありますが、元ネタは、2012年に週刊文春に掲載された記事。

 

「オーガズム人体実験でわかった女性の性欲――ヒトは何歳までセックスできるのか?」

 

記事の中には何故か、70代の老夫婦の話が書かれています。

本当か嘘かは分かりませんが、ある日 「レディースクリニック」 に訪ねてきたという70代の女性の話。

 

「世間でいうオーガズムとは、何ですか?死ぬまでに一度でいいから、そういう最高のセックスというものを体験してみたいんですが」

 

そして、その女性はカウンセリングを受けるべく、あらためて夫婦で再診に来たのでしょう。

そして判明したことは、その夫婦は、今まで全く 「前戯」 をしてこなかったという事実。夫は、「前戯をしてみたい」 という思いはあったものの、お互いに意思疎通をはかる手段もなく、まさか妻が前戯をして欲しいと思っていたとは思いもよらなかったそうです。

この記事の出版当時で70代なら、「団塊の世代」 の人達。当時の本屋には、ワニブックスからは奈良林祥著の 「HOW TO SEX」 といったベストセラーの新書が出回っていましたし、川上宗薫や宇野鴻一郎、団鬼六といった官能小説家の全盛期でもあります。

これが事実なのだとしたら、「本当にこの人達は何をしていたの?」 と思ってしまいます。

 

この話題が提議するものがあるとしたら、いみじくも、この女医が言っているように 「問題は、夫婦の関係性の深まり」 にあり、「セックスを深めるということが、夫婦の中の重要事になっていない」 ということ。

ここで大事なのは、「セ/ックスを深める」 という言葉の意味です。

 

この夫婦は、事あるごとに自分達の 「セ/ックス」 については話し合っていたと思います。

しかし、この夫は、きちんと手立てを立てるわけでもなく、その場しのぎで誤魔化してきたのでしょう。

もしかしたら、この妻は長いこと 「専門家に相談しよう」 と夫に相談していたにもかかわらず、いつまでたっても首を縦に振らない夫に痺れを切らして、一人でこのクリニックに訪れたのかも知れません。

 

幾つになっても、「一生に一度はオーガズムを味わってみたい」 という思いが女性にあるとしたら、それは大変感慨深い言葉です。自分はそれは女性としての自然な願望だと思っていますし、決して恥ずかしいことではないと思っています。

 

「三十させ頃 四十はし頃 五十でゴザ掻き 六十碌に濡れずとも」

 

という狂歌がありますが、昔、「大岡越前」 という時代劇で、「加藤剛」 扮する 「大岡越前」 が母親に 「女性は幾つになったら欲求が無くなるのか」 と尋ねると、母親は無言で火鉢の灰をかき混ぜてたのを見て、「灰になる迄」 と察したなんて話もあります。

 

「食」 と 「睡眠」 は、個体の生命を維持する上で必要不可欠なものですし、「性」 も種を存続させる上で必要不可欠なものですが、これらの 「生理的欲求」 は、自分が 「生きている」 という 「生の喜び」 を実感する瞬間でもあるということです。

 

話が横道に逸れてしまいましたが、もう一言付け加えるとしたら、このご夫婦だけではありませんが、「聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥」 ということ。

女性の持つ 「プライド」 が、その女性が 「オーガズム」 に達することを妨げる場合も良くあることですが、この夫婦の場合は、旦那の 「プライド」 が、奥さんの 「オーガズム」 の夢の成就を妨げていたことになります。

 

貧しい日本の 「性教育」

 

そしてこちらも、最近のネット記事ではありますが、元ネタは同じく、2012年に週刊文春に掲載された記事。

 

「性欲のスイッチはこう入る! 解明された『脳の性的メカニズム』――ヒトは何歳までセックスできるのか?」

 

この記事は冒頭で、「『日本人の性欲』に異変が!」 などと煽っていますが、2008年と 2010年の端境期で考えられるのは、若者では、「性教育」 の陳腐化が起こったこと。

性教育では、1992年が 「性教育元年」 と呼ばれ、それから10年は、小学校の段階から 「性」 について本格的に教育が行われたそうですが、2003年に都立七生養護学校の性教育が過激であると政治で取り上げられ、メディアもこれに追従した結果、当時の性教育はバッシングを受け、2004年に指導要綱が委縮的に改訂されて以来、中学においても 「セックス」 や 「性交」 という言葉が用いられなくなったようです。

「日本が性教育の「後進国」になりつつあるのをご存じですか」

 

世代的には、「ゆとり教育」 世代が、ほぼこれに重なります。そして、2004年は、「ゆとり世代」 の初代である 1987年生まれで 17歳。このくらいであれば、まだ小中学校で濃密な教育を受けているので大きな影響はないかも知れませんが、ここから3~4年若いと中学において、6年以上若くなると、小中の時代から陳腐化された性教育の洗礼を受けることになります。

つまり、多くの 「ゆとり世代」 は、具体的な 「性」 については教えてもらえず、性病の怖さやリスクばかりを教わるわけです。

1987年生まれは、2008年で21歳。16~19歳で男性の 「セックスに関心がない+嫌悪している」 の比率が、17.5%から36.1%に異常に増えているのは、どんどん陳腐化された性教育の洗礼を受けた子供が増えていたからに他なりません。

 

 

では、2008年と 2010年でそれ以外の世代でも、「セックスに関心がない+嫌悪している」 人達が増えているのは何故か。

それは、もう 「リーマンショック不況」 の影響であるとしか言いようがありません。(^^;

ストレスはどんどん増え、お金を削られれば、性欲どころではありません。(苦笑) 

 

(つづく)

 

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一緒でも別々でも構いませんが、お二人が同じ記事を読まれることをお薦めします。それにより、お二人が 「性について」 話す時間も生まれますし、お互いの 「性」 に対する考え方や理解、性癖や価値観を話すキッカケにもなります。多くの方が、幸せで気持ちの良いセ/ックスを経験し、有意義な時間をおくれるようになると良いなと思っています。老若男女を問わず、質問や相談も受け付けています。アメーバーのメッセージもしくは コチラ からお問い合わせ下さい。イイね や コメント は大変励みになりますので、どうぞお気軽に。

 

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