いらくさ
それが放出できないでいた。
それに気付くまでずっと、
息をひそめるように、目を細めるように、
ちょっとずつ世界を見失っていった。
たまに深呼吸を与えてくれるのはあなたじゃなかった。
そのことがずっとここにわだかまっていた。
私はよく涙を零した。
熱い涙はその分
私を冷やしてくれるような錯覚をくれた。
たくさんたくさんちょうだいとは、
言ってないつもりなんだけど。
たぶん立体交差のように、
違うところを見ているのだ。
見上げることはできるのに。
一番かなしいのは
もうすぎてしまったさまざまな気持ちが
あなたに罰を与えてくれたらいいと思う
この私のあさましさなのだ
雲…月。
何が明るいんだろう。
何が私を照らしているんだろう。
ふと振り返ると、お月様がいた。
半分より少し大きなお月様。今日は雲がちぎれながら速く飛んでいるので隠れたり、その光を和らげたりしている。
すごく大事な友達がいる。
月みたいに
いつもは近くにいない。
でもふと、心のとっても上空からぽこっと私を照らしてる。
大丈夫、と私は思う。
私はまともだ。
人の気持ちを時にとても遠く感じる。
であったことの奇跡を喜んだり、仲良くなれたり愛し合いされた時の幸せを感じることよりも、もしかしたら頻繁に。
でも、それでも繰り返し私はカーテンを開く。
そしてそこにぽっかりと、私を照らすお月様を見るのだ。
月の下を一緒に歩こう。薄く影の落ちる湿った土を踏んで。くもの巣が絡まったってかまわない。細い草で脛に切り傷ができても気にしない。
歩こ。
お月様が見守ってるから。
何が私を照らしているんだろう。
ふと振り返ると、お月様がいた。
半分より少し大きなお月様。今日は雲がちぎれながら速く飛んでいるので隠れたり、その光を和らげたりしている。
すごく大事な友達がいる。
月みたいに
いつもは近くにいない。
でもふと、心のとっても上空からぽこっと私を照らしてる。
大丈夫、と私は思う。
私はまともだ。
人の気持ちを時にとても遠く感じる。
であったことの奇跡を喜んだり、仲良くなれたり愛し合いされた時の幸せを感じることよりも、もしかしたら頻繁に。
でも、それでも繰り返し私はカーテンを開く。
そしてそこにぽっかりと、私を照らすお月様を見るのだ。
月の下を一緒に歩こう。薄く影の落ちる湿った土を踏んで。くもの巣が絡まったってかまわない。細い草で脛に切り傷ができても気にしない。
歩こ。
お月様が見守ってるから。
『ストーカー』
タイトル: ストーカー
静かな町に訪れたら何でも願いの叶う“ゾーン”が生まれる。様様な欲望や祈りを持った人々がそこを目指すが、辿り着く為には危険を潜り抜ける能力を持つ「ストーカー」と呼ばれる案内人が必要だった。
監督:アンドレイ・タルコフスキー
もう何年も前に観たもの。大切すぎてなかなか書けなかったのだが挑戦しようと思い、書き始めた。
私にとっては『惑星ソラリス』に続いてタルコフスキー作品の2本目。
ちょっとでも道を外れるとそこには未知の危険が待っているという不思議な空間。死んでしまったり、消えてしまったり。何が起こるかわからないというのは、まるで神様か悪魔のいたずらのよう。しかし人々は色々な思いを持って真剣にそれに挑む。“なんでも叶う”というその噂の真偽もわからないのに。
SFに分類されるのだろうが、そしてあらすじから冒険話と思って観ると裏切られる。とても静かな作品。説明もないし多分監督が描きたいのは、そこに辿り着いたら何があるのでしょう、っていうことじゃないから。(これは原作を読んでもそうだったけれど)
深く深く自分の中に潜っていくような散策場面。トロッコの単調な音、湿った匂いがしてきそうな画面が延々と続く。
どんな力が生じてか、大きな車がぺしゃんこになっていたり、音がかき消されたり、その“ゾーン”の描き方が感覚に異質なざわざわ感を与える。途中画面に不思議な色処理がされていて観ている側も長い旅をしている感覚になってくる。
依頼人が望まなければストーカーはその場所に行くことが許されないらしい。なぜ“ゾーン”の危険を察知できる能力があるのか説明はない。
ストーカーは本当にただの男だ。妻と娘と細々と生きている。愛する娘は足が悪くて歩くことが出来ない。
誰も辿り着いたことのなかったその“ゾーン”へ、男は辿り着く。ストーカーである、ということだけのその男が得たものは何だったのか…私にはまだうまく言葉にすることができない。誰でも何かひとつだけ、できることがある。そういうことだろうか。
わからない。
わからないけど、私の胸はいっぱいになった。
部屋の中に雨が突然降るシーンは素晴らしかった。
灰色の山へ
どきどき落ち着かないのは、時が過ぎていってしまうからじゃなくて期待が大きすぎるからだろうか。
いつも自分よりとっても大きくて遥かな望みを抱いてしまう。
まだ自分が真っ白のような気がしているのか。
橋から見下ろした川がどこまでも流れていくように、どこか遠くへ行きたい。去年ふと電車にくぎ付けになって遠くまで行ってしまったように。霧のおりる山まで行き着いてしまいたい。
見るものは空や緑や水で、想うのはこころの中の色々。だんだん空に白く霞んでゆく山を、ベンチに座ってただなんとなく眺めたい。
とりこむことばかりに必死な今をすてて、たまには全部流してしまいたい。
すがることもなく。
いつも自分よりとっても大きくて遥かな望みを抱いてしまう。
まだ自分が真っ白のような気がしているのか。
橋から見下ろした川がどこまでも流れていくように、どこか遠くへ行きたい。去年ふと電車にくぎ付けになって遠くまで行ってしまったように。霧のおりる山まで行き着いてしまいたい。
見るものは空や緑や水で、想うのはこころの中の色々。だんだん空に白く霞んでゆく山を、ベンチに座ってただなんとなく眺めたい。
とりこむことばかりに必死な今をすてて、たまには全部流してしまいたい。
すがることもなく。
かたつむり
新しい生活をしたいと思うことがたまにある。
私がいちからつくった、
私だけの暮らし。
知らない町並みをあるいて
商店街の小さなお店をみつけたり
図書館で新しい利用者カードを作ったり。
ミルクを温めてココアを作ったり
畳に広がる夕日に気付いて
洗濯物を取り入れたり。
私だけが使うシャンプーを補充したり。
思えば私は
完全にひとりだけで過ごしたことがそんなにない。
いつか誰かの帰ってくるおうち。
ひっそり、
寂しくなることもありながら組み立てる毎日。
あたたかい卵の殻に包まれたように
それにうっとり憧れる。
でも
私はずっとそんな小さな幸せに
うとうとしていられるだろうか。
この、波のある私のこころが
いつもこわい。