あたたかな疲労
さすがの私も疲れた。
振り付けもぐんぐんと進むので恐ろしい。かじりついていかないと。
帰り道、今日はお月さまが分厚い雲に隠れつつも、光をかすかにこちらに届けていてくれた。
うれしいなぁ。
こんなふうに疲れた体には本当にうれしい。
ありがと…
…と思ったらなんだ、パチンコ屋のサーチライト(別に“サーチ”じゃあないか)だった。
なぁんだ。
知らなければよかったよ。
でも今日は空気がやさしい。
ぐいぐい、前に進めそうな。
明日はもっと進化できそうな。
そんな、前向きな気持ちを後押ししてくれた。
再会のようなはじめまして
電車でコトコト、いつもとは逆方向に乗って。
あ、こんなところに大きな川が流れていたんだ。
改札を出たらすぐに立っているあの人がそうだ、わかって、確認もせずに声を掛ける。
まるで久しぶりに会うみたいに。
「元気だった?」って。力強い笑顔。よかった、なんだか、うん、大丈夫だ。
はじめまして、と赤ちゃんのほっぺをうにゅうにゅ。はは、可愛いの。かわいー。
人見知りだから緊張するかなと思ったけれど…少しはしたけれど…大丈夫だった。やっぱり長年の友達みたいに、でも実際とのギャップが少し変な感じだけれど。
照れちゃって、なんだか赤ちゃんの顔ばかり見た。可愛いから、でもあるんだけど。
やわらかい小道を通って辿り着いたおうちで話す。赤ちゃんと、3人で過ごす時間はとても素敵。いつも2人はどんなふうに、この時を過ごしているんだろう。そこにすんなり溶け込ませてくれて。
何を感じ、何をどんなふうにみてるんだろうね、と…時の流れがいつもと違うみたいだった。
なんてすべすべなんだろう。ふわふわで、でもきっちり詰まってる。
きらきらの瞳で迫ってくる。
なによなによ。そんなひとみをされたら、わくわくしちゃう。大人でいられなくなっちゃうよ。
雷が鳴ったり、晴れてきたり。
薄い明るさに包まれていつのまにかたくさんの時間を過ごしてしまった。
もっと色んなことを聞いたり、話したり、するつもりだったような気もした。
でも何だか一緒にあそこにいるだけでぽわんと満足して、親密になれた気がする。
なんだか遠いいとこに会ったみたい。
大事な人が、また増えた。
リハ初日
ぎしぎしするし少し熱を帯びている。
だけど心地よい。
体全体が少し小さく引き締まった感じ。
繊細な表現力よりも、バランスの妙や重心の移動の速さを要求されている気がする。
まだちょっと苦しい。私のベストポジションと、コンテンポラリーのそれが噛み合わない時が多くて。
そして振付のひとがちゃんと動かないとその動きをうまく理解できないのも苦しい。
勘が働かない日だったのもある。
自分の庭じゃないからというのもある。
気弱な私。
でも落ち込んでいるわけではない。
もちろん。
ぜーんぜん。
わくわくは変わらないしファイトも沸いてきた。
これに費やす覚悟も。
東京湾花火大会 その壱
念願の花火大会にやっと行けた。
本当は上司とその息子たちと女の子で行く予定が、上司の息子の具合が悪くなり女の子(人?)と2人で行くことに。
上司に任せっきりで最寄駅や会場のことも何にも調べていなかったから大変。
教えてもらった通り豊洲駅、6番出口、と呟きながら2人で歩く。
あっ、その前に。
実は夏休み最後の日だからって浮かれてしまった私たちは会社の近くの骨董品やさんででかい買い物をしていたのでした。
2万円相当のものが5千円。
このお店のモノなら間違いないよね、とお昼休みに買ったのだけれど…これが重い。上司の車を当てにしていた私たちは急遽有楽町駅のコインロッカーにそれを詰め込み…
そして豊洲についたのでした。
もうすごい人。浴衣ばっかり。カップルも多いなぁ。
素敵な柄の浴衣を探したり、ドトールのマンゴージュースを買ったりうきうきしながら地上に出ると。
雨だった。
傘を持っていない人は浴衣なのにびしょびしょになりながら歩いていた。またあそこらへん、屋根も何もない。
でもこういう状況が楽しくて、「ねぇ、会場ってどのくらい歩くの?」とか自分達の用意のなさに笑いながら歩いた。
途中タコヤキを買ってアマヤドリしながら食べたり、現場にコンクリートを運んでいる工場を発見したり(工場、見るの大好き)、楽しかった。
大変なときほど笑っちゃうのは何故だろう。
私は逆境が好きだな、と我ながら可笑しくなる。きっとコナンに憧れていたからだ。
30分も歩いた頃、そしてだんだん状況も把握できてきた頃、会場に到着。…なんだか流されて溜りに辿り着いた…っていう感じだったけれど。
いつもはたぶん駐車場なのだろう、ものすごーく広い場所。なるべく花火に近い前の方へ。現場でブルーシートを借りてこなかったことを後悔しつつ、びしょびしょの地べたへ、有楽町で貰った広告入りのビニール袋を敷いて座る。
お台場や、橋がきれい。
左手には川を挟んでお台場。空が暗くなってくると共に夜景が綺麗になってゆく。
後ろに座った女の子が「トイレにいく前と帰ってきた時の夜景が違うからびっくりした~」と感動していたのが印象的だった。
うん、そうだよね、わかる。
たくさんの素敵な色を経ながら夜の青に変わってゆく空をおなかいっぱい満喫する。
東京湾花火大会 その弐
だんだん夜景が際立って、レインボーブリッヂに緑のライトが灯った頃、花火が上がった。
わぁ…
って、もう単純な単語でしか話せない。
綺麗だねー…
すごい!
とか、もうほんとにそんなことばかりしか言えない。
お腹に響く音も、焼き付く光の帯も、全部見たくて目をいっぱいに開ける。
そして手にはデジカメ。見ながら撮るのは難しい。
花火は本当に花なんだなぁ。
菊みたいのや、牡丹みたいのや、ポピーみたいの。ハイビスカスみたいの。コスモスみたいの。菖蒲みたいの、百合みたいの。それからすすき。
花火職人かっこいい!と、惚れなおした。
火薬をちゃんと計算して入れてるんだろうけどすごいなぁ。
にこちゃんマークとか、なるとみたいな渦まき模様とかハートやミッキーもある。
観客が笑ったり「あ~!にこちゃんの目が飛び出てる~」とか喜ぶ様子を、きっと想像しながら作るんだろうな。
かわいい。
近年、藤色みたいなラベンダー色みたいな微妙な色の花火をよく見かけるけれど昨日は紅色のものもあった。始めてみたその色に感激。綺麗なんだもん。
ひとつ提案なんだけど、にこちゃんとかみたいな調子でカタツムリもできないかな!角がしゅーっとなるやつで、殻の部分は円い花火(ちょっとねじりが入って)。
できないかなぁ。
傘と一緒に打ち上げるの。
やっぱりいろんなキモチになった。
一緒にこうして花火を見にくるはずだった人のこと。これから来る夏のこと。
いつも何かしら、その不在を突き付けられる。
何を見ても、どこに行っても。
それから周りにいたまだ学生の女の子たちの、なんでもできることを想った。
きっとあのひとがこんなように世界を見ているんだということ。
隣に友達がいるのにそんなことばかり思う、私は失礼だな。
クライマックスは本当にすごかった。
光の柱が、え、あんなところにまで?!って心臓がどきどきするくらいにまで高く昇って、昇って…
で、豪華に花が咲く。
花火を最後まで見ないなんて、本当にもったいない。
何だかこれから夏が始まるみたいな気持ちになる。
よかった。念願叶ってよかった。こんなたくさんの人たちと同じ物を見て一緒に歓声を上げて手を叩いて。
素敵なことだな。
そうだよ。
だから、まっすぐ前をむいてやりたいようにしよう。
これから、夏は盛り上がるんだから。
「夏に付き合うのっていいよね~」と後ろの女の子。
思わず、微笑んだ。
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▼gum さんへ。同じものをみていたんだ・・・と、なんだか不思議な感動です。







