アマヤドリ -28ページ目

スコールのあと2/カンボジア





長いこと話し込んでいた。







建築か美術かの学校の生徒だと思う。

懸命にスケッチをしていた。



一番上の写真みたいなところに座って彼女たちを眺めたり景色を見たり、またまたこの階段は急すぎて下りられないね、なんて言っているあいだにいつのまにか彼女たちのスケッチの対象が私たちに移っていた。

手を振ればよかったな。







首がなかったり、腕がなかったりする像は何故か縛られているみたいに見える。

けれど決してただ痛々しいのではなくて、それを静かに受け入れる安穏も同時にそこにある。

なにかを言おうとして、その瞬間だけが永遠に流れているみたいな。







妖精のような子鬼のような衣装をまとった彼女たち。

踊り子さんたちだろうか、とわくわくして写真を撮ろうとしたらどうやら観光客向けの、お金を払えば一緒に写真を撮ってくれるというものだった。

彼女たちにまったくサービス精神はなく、始終ぶすっとしていた。



別に彼女たちはとってないよ、みたいな顔をしながらはしっこをとらえる。

ヴァイオリン×踊り

ヴァイオリンとの構成が決まってきた。
ほんとうはもっと前から練りたかったのだけれど本番間近にならないと見えてこないものもたくさんあって結局本番1週間前のつめこみに。
けれどお互いここのシーンに対する景色や心情は感覚が一致していたので創りだしたらすぐだった。
Mちゃんがもってきてくれたいくつかの旋律がほんとうによくて、導入部のアイデアを話すとすぐにどんなふうにつなげてゆけるかがまとまった感じ。
まだ動きのほうがきちんとできていないのだけれど、軽く通してみたときはお互いぞわぁっと鳥肌がたつくらい、ぴったりきた気がした。

あとは、動き。
物語はできた。
音も、景色も、感情と呼吸の流れもできた。
だからもうひとつそれをすべて抱くように感じて動きをつめていこうと思う。

稽古場であれこれ動いてみているとMちゃんがじいっと見ながらあれこれ音を探ってくれている。
私にはその音からすぐ動きを!みたいな即興の感覚が鈍くて、どうしても頭で練らなきゃ動けない。

素直なところで。
どう動きたいかなぁ?
この音に追い立てられるざわざわを、何に変換できるか。
私がいるところにはどんな風が吹いていて、足の裏が触れているところはどんな温度で、私に見えているもの、見えていないもの、見たかったものはなんなのか。


ひとつ別のストーリーが生まれそう。
この物語が一人歩きしてもしかしたら別の練り直しをして、小さな独立もあるかもしれないな、という嬉しい予感も。


私のまわりにはたくさんの才能がちいさく、おおきく、確かに呼吸をしていてなんとかそことからまりながら素敵なものができないものか、とぼんやり夢みていました。
好きなひととしか一緒にものを創ることはできない、という我儘はフリーでやっているからこそできること。反対の見方をすれば好きでいてもらえないと一緒にやってもらえないということなんだけど……。
でも今回Mちゃんとひとつの世界を創ることができてほんとうに嬉しい。

私の突然のアイデアを面白がってくれてこの機会を設けてくれた演出家のNさん、どうもありがとう。




恋におちたシェイクスピア第9回公演
『ポケットパーク』

作・演出:長内那由多
出演  :浅井麻理・朝弘佳央理・鮫島一裕(劇団DECKCHOP)・西島聡子・栗明美生・長内那由多
日時  :2008年8月15日(19:30)
              16日(15:00/19:30)
              17日(14:00/18:30)
会場  :pit北/区域
      東京都北区王子1-13-18不二泉ビルB1,2
      (JR京浜東北線王子駅北口 徒歩2分
       東京メトロ南北線王子駅5番出口 徒歩0.5分
       都電荒川線王子駅前 徒歩5分)
チケット:前売り2200円・当日2500円


※チケットのお問い合わせは
 Chloe_bitter_sweetあっとyahoo.co.jp(あっとを@に変えてください)
までメッセージお願い致します。


交差、ユニソナル、喧嘩


失くしたかもしれない とずっとずっと気掛かりだったものにふと思いがけずまた出会えた。
私に二度と変わることのない景色を刻み付けるはずだった。
幸せを祈ったさくらや、耳を澄ませた低いうなり。
よみがえってはいちいち胸を刺すのに反芻せずにはいられない。

新しい景色に塗りなおされることもおそらくないだろう。
けれどそのことに苦しむことはもう、前ほどはないのかもしれない。


その時になにを選べばいいかなんてわからない。
情に流されやすいくせにやはり自分の興味の対象にしか本気になれないわたしは、一瞬いっしゅん自分のこころに聞いて選択するしかない。
選択を誤ることもあるし求めていることがちゃんと見えていなくて間違うこともある。
けれどそれが導きだす終点のようなものはもしかしたらなんでもいいのかもしれない、と思う。
日々あらゆることが粉雪のようにつもっていって、もしかしたら蒸発しちゃったものがもう一度降ってきたり根雪になったりしながらもそうしてつくりあげてきたわたしが、どこに向かおうが、たぶんどうでもいいのだ。
目的がなくていい、ということじゃあなくてね。
今見いだしたいゴールはたぶん実際歩いていったら終点ではない、ということ。

***

オリンピックの開会式をビデオで。
最初のデジタル太鼓みたいなものに突然胸のなかをかき回される。ひとのちからってすごい、ということと、微生物と宇宙の関係みたいに緻密さと壮大さが同時に含まれていること、そして太鼓の音がじかに響いてきて。
激しい太極拳をやりながら地面に図形を描いたり体の上下で立体をあらわしたり…人間なのか、プログラムなのかだんだんわからなくなってきた。
私なんか舞台で他の4人くらいの列にも合わせられないというのに…2千人がびったり。

***

電車で目の前のカップルがずっと険悪だ。
女のひとは日本のひとで、男のひとは南米かなぁ…スパニッシュか。
ずっと男のひと、困ってる。
困ってるけど目付きがものすごく鋭くて最初は彼女に殴りかかるんじゃないかというくらいの迫力だった。
今はずっと困ってる。
女のひとは無視をして本を読み始めた。

なぜか悲しくなってくる。
胸のなかにじゃーって雨が降るみたいに。

大きなおとこのひとがほんとうに困った顔をしていると、泣きたくなる。

スコールのあと/カンボジア


永遠に続くみたいな回廊。

限られた場所から抜ける世界を見る、というのは最近得た視線のように思っていた。
けれど実際は私の記憶や、知らない記憶のようなものにも含まれてる。
影からひなたを見ることや、深海から遠い空を見ることや。


この女の子、ずっとここで勉強をしていた。
雨を避けながらガイドさんはずっとこの近くで話をしてくれたんだけど、邪魔してないかなあと思う私たちにはびくともせずにずっと本に集中していた。
ガイドさんも気を遣う様子はまるでない。
こんなところが近所にあったら、ここで本を読むのもいいなあ。
スコールの後は涼しい。


スコールのあとの水溜りで遊ぶ子たち。
いいなあ。私もざぶざぶしたい。
カメラを向けたらどっと寄ってきた。
写真を撮られるの、好きみたい。
みんな少し照れてるんだけれど好奇心の方がうんと上回っていて、うれしそうに撮られてくれる。
撮ったあとに見せてあげるとすごく喜ぶ。


とてもキュートだった女の子二人。
女の子みんな綺麗だった。
可愛いんだけど、どことなく色気みたいなものがある。色気というか、どこかが大人びている。
なんなんだろう、あれは。
ちゃんと生活するということを知っているからかな。
カンボジアの子はどんなに小さくても家族の中で仕事を持っているから。

『ポケットパーク』/お芝居に出演します

おととしの12月に『ストロベリーチョコレートの味』でコラボレーションさせていただいた劇団、恋におちたシェイクスピアさんに再度出演させていただきます。

前回はまったく動きだけだったけれど今回は少ーし、お芝居のようなことも。
実は大学生のときに友達と劇団を作って脚本を書いて振付をして…ということをしていたのですが、踊りいっぽんに絞ってしまった今、芝居が私にできるのか…という不安はあったのです。
が、そこはさすが演出家、からだの印象でみせるという方法で芝居をつけてくれています。

前回のストロベリーチョコレートの味が白日夢の連続のような印象だったのに対して今回ははっきりとしたサスペンスです。

そしてかねてから念願であったヴァイオリンとの共演。
弦楽器と一緒に踊ることはずっと夢ではあったのだけれど、なによりもこの友人とともに創ることができることがうれしくてたまらない。

是非ぜひ、観にいらしてください。
チケットは私がご用意することもできますので
Chloe_bitter_sweetあっとyahoo.co.jp(あっとを@に変えてください)
までご連絡ください。




恋におちたシェイクスピア第9回公演
『ポケットパーク』

作・演出:長内那由多
出演  :浅井麻理・朝弘佳央理・鮫島一裕(劇団DECKCHOP)・西島聡子・栗明美生・長内那由多
日時  :2008年8月15日(19:30)
              16日(15:00/19:30)
              17日(14:00/18:30)
会場  :pit北/区域
      東京都北区王子1-13-18不二泉ビルB1,2
      (JR京浜東北線王子駅北口 徒歩2分
       東京メトロ南北線王子駅5番出口 徒歩0.5分
       都電荒川線王子駅前 徒歩5分)
       http://www.h7.dion.ne.jp/~babylon/index.htm
チケット:前売り2200円・当日2500円