スコールのあと2/カンボジア
長いこと話し込んでいた。
建築か美術かの学校の生徒だと思う。
懸命にスケッチをしていた。
一番上の写真みたいなところに座って彼女たちを眺めたり景色を見たり、またまたこの階段は急すぎて下りられないね、なんて言っているあいだにいつのまにか彼女たちのスケッチの対象が私たちに移っていた。
手を振ればよかったな。
首がなかったり、腕がなかったりする像は何故か縛られているみたいに見える。
けれど決してただ痛々しいのではなくて、それを静かに受け入れる安穏も同時にそこにある。
なにかを言おうとして、その瞬間だけが永遠に流れているみたいな。
妖精のような子鬼のような衣装をまとった彼女たち。
踊り子さんたちだろうか、とわくわくして写真を撮ろうとしたらどうやら観光客向けの、お金を払えば一緒に写真を撮ってくれるというものだった。
彼女たちにまったくサービス精神はなく、始終ぶすっとしていた。
別に彼女たちはとってないよ、みたいな顔をしながらはしっこをとらえる。



