水族館と野生のイルカの寿命の差、イルカはトレーナーを本当に好きなのか | チロ・ツグミ・メリー・マフユと 動物問題 ~ ヴィーガン ~

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主に、動物問題について書き記します。
超偏食&料理経験なしでしたが、畜産の悲惨な実態を知ってから、ヴィーガンになりました。

今年1月、東洋経済新聞オンラインにて、イルカ追い込み猟と水族館の実態を取り上げた記事が出ました。

 

日本人は、追い込み猟という名前を聞くと、

中身を知らないにも関わらず、伝統・文化だと思い込み、思考停止に陥っていました。

情報をコントロールされ、メディアの報道によって、国民が洗脳されてきたからです。

 

しかし、東洋経済新聞はその流れを断ち切り、真実の報道を行いました。

日本のメディアが初めて、イルカ追い込み猟と水族館の実態を取り上げたのです。

 

 

そして3日前、再び東洋経済オンラインから、

イルカ追い込み猟と水族館の実態を暴く記事の第2弾が出ました。

 

著者は、日頃からイルカ追い込み猟の調査を行っている、LIAのヤブキさんです。

第2弾もかなり読みごたえがあるので、ぜひご覧ください。

 

今回はその中で、

「水族館と野生のイルカの寿命の差」と、「イルカはトレーナーを本当に好きなのか」

の部分について引用させていただきます。

 

***************引用***************

 

私が今年初めに寄稿した記事水族館の人気者』イルカが迎える恐ろしい結末は大きな反響がありましたが、

反対意見もいただきました。

 

そのひとつが、「野生の生活に比べて安全で餌がもらえ、病気の治療も受けられる水族館のイルカは幸せではないか」というものです。

 

イルカの種類にもよるのですが、

たとえばアメリカ商務省下の組織NOAA Fisheriesは、

野生のハンドウイルカは少なくとも40年、メスや長寿のオスで60年以上生きることもあるとしています。

 

日本における数少ないイルカ研究者である粕谷俊雄氏は

著書『イルカ概論』の中で寿命について、

ハンドウイルカの場合、観察値で最高齢45歳、予測値で67歳としています。

 

一方、飼育環境下にあるイルカはどうでしょうか。

 

ある日本の水族館の元館長は、「寿命は平均で14年くらい」と証言します。

また別の水族館の責任者は「平均15~18歳」とやはり十数年と語ります。

 

鯨類保全チャリティWhale and Dolphin Conservation (WDC)は、

水族館で1年以上生きたイルカの平均生存期間は12年9カ月8日としています。

 

このように十数年というのが関係者から見られる数字です。

 

もちろん野生であれば、天敵がいるうえ、

混獲、船との衝突で命を落とすこともあるわけですが、

それでもこうしたデータを概観する限り、野生と飼育環境下では、これだけの寿命の差がある可能性があるということです。

 

実際、各地の水族館の公表などを見ると、若くして病気や原因不明の体調不良で死亡しているケースも散見されます。

 

たとえば、上越市立水族博物館「うみがたり」では、

2018年と2019年に7歳と8歳のハンドウイルカ2頭が死亡し、

2020年には、13歳のベルーガ2頭が相次いで死亡しました。

 

イルカが連続死したことを受けて、検証委員会による調査が行われました。

その結果、観客からの見栄えを良くしようとし、寒暖差が大きいなどイルカに負担を強いる環境で飼育していたことが死亡原因につながった可能性があると結論づけられています。

 

同水族博物館を所管する上越市教育委員会は、相次ぐ死亡を受けて、

日よけや防風設備を設置したり、健康状態の定期検査の頻度を上げるなどの対策を施していると、東洋経済の取材に対して回答しています。

 

こうして対策を取る水族館がある一方、どうぶつの健康状態について、意識が薄いと思われる水族館のケースもあります。

 

「私が水族館に勤務したのは1年少しの間ですが、その間、イルカが病気で何頭も死亡しました」

 

そう証言するのは、かつてある大手水族館でドルフィントレーナーをしていたAさんです。

 

「狭いプールの中で、餌の取り合いや喧嘩は日常茶飯事で、ストレスからと思われるイジメや争い事もよく目にしました。

多くのイルカの死に立ち会いましたが、獣医師からは、胃潰瘍が死因だと言われました。

イルカでも胃潰瘍になるんだと衝撃を受けました」

 

Aさんは、イルカが狭いプールに閉じ込められていたことにも心を痛めていました。

 

「野生では起こりえない、種類の異なるイルカを狭いプールで飼育しており、穏やかな気質の種類が餌をもらい損ねることもありました」

Aさんは結局、体調が悪いイルカでもショーをさせようとする経営者と意見がぶつかって退職し、

以後、ドルフィントレーナーの仕事にはついていません。

 

「好きで選んだ職業でしたが、私が思い描いていた業界ではなかった」とAさんは語っています。

 

 

太地町では「追い込み猟」という、世界的にも残酷と批判される方法でイルカを捕獲しています。

捕獲されたイルカのうち水族館での展示に適した個体が、地元水族館のドルフィントレーナーらによって選ばれ、

国内や海外の水族館へ生きたまま「生体販売」されます。

 

生体販売に向かない個体はここで殺され、食用になり、スーパーなどで出回ります。

水族館用に選ばれなかったイルカは屠殺され食肉加工される。(@Life Investigation Agency/Dolphin Project)

 

生き残ったイルカにも、試練が待ち受けます。

太地町のイケスにうつされ、人間のために芸をして生きるための厳しい訓練が施されるのです。

 

よく行われるのが、「死んだ魚を食べる訓練」です。

 

野生のイルカは生きた魚を食べますが、捕獲されると飼育員が与える冷凍の魚やイカの切り身を与えられます。

しかし、死んだ魚を食べたことがないため、捕獲当初はなかなか食べません。

そこで、口を手でこじ開けて喉の奥に入れるなどして慣れさせたりします。

ドルフィントレーナーにより喉の奥に手を入れられるハンドウイルカ(@Life Investigation Agency/Dolphin Project)

 

冷凍の魚には別の問題もあります。

生きた魚に比べて水分量が少なく、水族館のイルカは脱水しやすいことがあるのです。

 

その対策のため、飼育されているイルカが胃にホースで直接水を流し入れられたりします。

野生で生活していれば考えられないことです。

 

ある水族館の元担当者は「特に冷凍魚は血液などに含まれる栄養も流れてしまうので、補助的な成分も与えていた」と語っていました。

飼育されるイルカは水分不足に陥りやすく、ホースで胃に直接水分を注入されることも(@Life Investigation Agency/Dolphin Project)

 

そうして生活するイルカたちには、芸をしたら餌がもらえる、ということが教え込まれます。

そのため水族館のイルカは、ドルフィントレーナーが来たら、ジャンプなどをしてアピールするようになります。

 

日頃、水族館でイルカを見る皆さんの目には、「大好きなトレーナーが来てイルカが喜んでいる」と映るかもしれません。

しかし、イルカは餌を貰うために芸をしているのです。

 

太地町においては、ドルフィントレーナーがイルカの頭や顔を踏んでいる姿を何度も目撃しました。

ドルフィントレーナーに顔を踏まれるハンドウイルカ(@Life Investigation Agency/Dolphin Project)

 

犬や猫、馬など愛玩どうぶつには行わない行為ですが、

ショーの最中、お客の前では親しく触れあっているように見えるイルカへの日頃の対応の乱雑さには驚きを覚えます。

 

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野生のハンドウイルカの寿命は、少なく見積もって40年。

それに対し、水族館のハンドウイルカの寿命は、平均でわずか15年程度。

異常な差です。

 

↓ネットでちょろっと検索した程度の知識しかないのに、

水族館の方が寿命が長い、などといった嘘を平気で書く人もいます

 

日本には10歳イルカは普通におり、30年生きているイルカも世界には結構います。

とか書いていますが、

水族館大国の日本でわずか10歳程度のイルカしかおらず、わずか30歳ですら世界レベルまで広げなければいないのであれば、

水族館のイルカは死にまくっていると宣言しているようなものです。

 

実際、野生のイルカ、繁殖したイルカに関わらず、

水族館という不自然な環境に合わないイルカ達は、

ストレスから免疫力が下がり、病気になり、衰弱し、水族館の中で次々死んでいます。

 

こういう知識のない、倫理観のない記者気取りの人が多いから、日本は遅れてしまうのでしょう。

 

 

また、水族館のイルカがトレーナーにジャンプをしてアピールをしたり、言うことをきいて芸をするのは、餌がもらえるからです。

トレーナーを好きだからではありませんし、信頼関係があるからでもありません。

 

こちらは、太地くじらの博物館のイルカショーの様子です。

 

トレーナーを見てみてください。

イルカが芸をする度に、魚を口に放り込んでいる様子が観察できます。

魚をあげないと芸をしなくなるからです。

 

つまり、イルカがトレーナーが好きなどといったイメージは、虚像なのです。

 

 

そもそもですが、実はトレーナーもイルカ好きではないのです。

 

好きであれば、イルカを足で踏んづけたりなんて出来るわけがありません。

 

 

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こちらの画像は、完全な支配関係をどうぶつに擦り込むために、頭や顔を踏んでいるそうです。

「お前は人間の下だ!」「わかったか!」と、屈辱を与えるのです。

 

こちらは、新屋島水族館のイルカショーの様子です。

 

ふざけた格好をしたトレーナーが、胸に傷があるイルカに乗ってサーフィンをしています。

 

 

水族館のイルカは、和歌山県太地町のイルカ追い込み猟によって捕らえられます。

 

バンガーと呼ばれる、この鉄の棒を

 

カンカンと叩いて、イルカの不快な音を海に大音量で流します。

 

イルカはこの音から逃れようとします。

 

この性質を利用され、徐々に入り江まで追い込まれ、

 

捕まってしまうのです。

 

追い込まれたイルカは、水族館向きのイルカか、そうでないかを選別されます。

すなわち、生体販売用のイルカか、食用のイルカかが選別されるのです。

 

生体販売用に選ばれなかったイルカは、食用として殺されます。

 

殺すときは、こちらの金属性のピックを

ハナゴンドウ屠殺(イルカ殺害道具)

イルカのせき髄につき刺し、ねじり込みます。


のたうちまわり、痙攣し、やがて死に至ります。


先ほどまで一緒に泳いでいた仲間や家族が、目の前で殺されていきます。

 

追い込んだイルカが生体販売向きかどうかの選別作業を行うのは、イルカのトレーナーたちです。

 

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トレーナーたちは、若いメスのイルカを好みます。

その方が従順で調教しやすく、子供を繁殖させて、さらなる金儲けが期待できるからです。

 

トレーナーたちは、自分達に選ばれなかったイルカが殺されることは知っています。

しかし、彼らのほとんどは追い込み猟に反対していません。

 

所詮はイルカは飯のタネ。

それがトレーナーの本質なのです。

 

 

以下は、昨年9月20日にトレーナーが選別作業をしている時の様子です。

 

殺されたイルカの血で染まった真っ赤な入り江の様子を、トレーナーは何もせず眺めていました。

 

 

以下は、昨年11月19日にトレーナーが、猟師と共にイルカを追い込んでいる様子です。

ドルフィントレーナ達が一緒にイルカを追い込む

 

イルカ達がパニックを起こしたり、乱暴に運ばれるのを横目に、トレーナーたちは選別作業を行いました。

 

 

命を犠牲にすることに慣れきったトレーナーたちは、

選別作業の際も緊張感はなく、笑いながら和気あいあいと作業を行っています。

 

水族館の闇(LIA Youtube)。

 

 

以下は、生体販売用のイルカを運ぶ際、

イルカの頭を、足で踏んづけるトレーナーです。

 

 

 

 

野生のイルカは死んだ魚を食べません。

なので、 トレーナーたちは、イルカに死んだ魚を食べさせることから調教します。

 

 

その際、無理やりタオルで口をこじ開けられることがあります。

日本の映像です。

イルカが嫌がって鳴いている様子が見てとれます。

 

シャチなどの大型になると、鉄の棒でこじ開けることもあるそうです。

 

 

死んだ魚は水分を含んでいないため、口にチューブをさしこみ、水分を与えます。

動画

 

業界は補液などと呼んでいますが、こんな事をしなければならない時点で、

イルカたちにとって、水族館という環境がいかに不自然なのかが分かります。

 

水族館のイルカは薬漬です。

 

****************引用****************

 

日本のある水族館でイルカに使用している薬品等の種類は、61種類でした。


ビタミン剤 5種類
カルシウム剤 1種類
飼料(微量栄養素含有) 1種類
眼薬 1種類
胃腸 15種類
肝臓薬 1種類
尿 1種類
抗生剤(抗菌剤) 22種類
抗真菌薬(カビ) 1種類
抗炎症 解熱鎮痛剤 3種類
貧血 2種類
鎮痛剤 3種類
止血剤 4種類
不明 1種類

 


薬漬けです。


胃腸系の薬と、抗生剤が飛び抜けて多いことから、
イルカたちが胃腸の疾患と、細菌による感染症に苦しめられていることがわかります。

 

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死んだ魚を与えられることにより、ビタミン不足になり、

1日65kmを泳ぐイルカは、水族館の狭いプールの不自然な環境や、やりたくもないショーの調教などによって、常にストレスを抱え

体調を崩しやすく、免疫が下がり、感染症にかかりやすくなります。

 

そのため、ビタミン剤や、胃腸薬や、抗生剤などのあらゆる薬が必要になります。

 

また、プールの水の中には感染対策のために塩素が大量に入れられています。

 

水族館での出産1年後の赤ちゃんイルカの生存率は20%。

すなわち、死亡率は80%。

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いおワールドかごしま水族館のイルカの赤ちゃんの生存率は、なんと11%。

つまり、死亡率は89%です。

水族館 イルカの繁殖死亡率

 

水槽から転落したり、人工岩に激突する事故なども起きています。

水族館で起こる事故

 

 

これらから分かるように、イルカのトレーナーは、イルカ好きではないんですよ。

本当にイルカが好きな人たちは、このような矛盾に満ちた状況に耐えられず、トレーナーになるのを断念します。

 

こちらは、専門学校まで進んだにも関わらず、トレーナーが搾取であることに気づき、専門学校を辞めた女の子の話です。

 

こちらは、罪が大きいことを感じて辞めた、元イルカトレーナーのツイート。

 

 

こちらは、トレーナーの専門学校に通っている人に「やめた方がいい」と語る元イルカトレーナーの証言。

 

このように、本当のイルカ好きには続けられない仕事なのです。

 

トレーナーを続けている人は

イルカと触れ合う自分が好きなだけの人

イルカを利用してお金稼ぎをしたい人

罪悪感を感じつつも行動力がない人。

 

そういう人たちが割り切ったり、都合の悪い部分から目を反らしたり、言い訳したりして、続けていきます。

 

 

しかし、彼らを責めても特に意味はありません。

結局は、消費者が水族館に行き、イルカショーのチケットを買うから彼らが存在しているにすぎません。

 

彼らを責めて、誰かが辞めたとしても、儲かる以上は代わりの誰かがイルカトレーナーになります。

 

すなわち、根本的には、イルカの虐待、虐殺を支援しているのは、水族館に行き、イルカショーのチケットを買う人たちです。

 

水族館が儲からなくなれば、追い込み猟がなくなり、トレーナーもいなくなります。

 

逆に言えば、水族館がある限り、イルカ達の地獄は永遠に終わりません。

 

すべての動物問題は、消費をなくす以外に解決はありません。

 

イルカショーのチケットを買わないでください。

水族館に行かないでください。

 

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残念ながら、本日もイルカが追い込まれました。