以下の動画の2:40頃をご覧ください。
2010年に沖縄美ら海水族館のイルカショーで、イルカの「クル」が水槽から飛び出す事故がありました。
観客は呑気に笑っています。
心配そうに見つめる仲間たち。
クルは、その後クレーンで持ち上げられ、プールに戻されました。
そしてクルは、この事故の翌年に死亡しました。
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2010年に沖縄美ら海水族館のイルカショーで、大勢の観客の前で水槽の外に飛び出したオキゴンドウのクルは、その後どうなったのか。
翌年死んだそうです。
沖縄美ら海海水族館の人は「死因は水槽から飛び出したことではなく、別の病気だ」といわれていました。
死んだのは、水族館へきて7年目だったということです。
水槽から飛び出したのも、病気で死んだのも、同じ原因のように思えます。
はげしいストレスは肉体を侵食し、死に至らしめます。
イルカは海を自由に泳ぎ回るのであって、ぐるぐると水槽の中を泳ぐ生き物ではありません。
100キロ平方メートルもの行動範囲を持ち、時速4、50kmものスピードで泳ぐイルカにとって、水族館はいったいどれくらい狭かったでしょう。
ある水族館は、イルカ類の飼育には「深さより、表面積が必要」と言っています。しかし100平方キロメートルもの表面積を用意できる水族館はありません。
自然界でのイルカの寿命は30年以上。
しかし水族館でのイルカの寿命は7年とも5.5年とも言われています。
全国で、一番たくさんイルカを飼育している、太地町立くじらの博物館(36頭飼育 2013年度データ)でのイルカの寿命は4 年3 カ月と算出されました。
(太地町立くじらの博物館のイルカの平均寿命は、2000年~2006年の詳細な記録を基にエルザの会が算出したもの)
また2009年の太地町議会での一般質問で、2008年度のくじらの博物館のイルカ死亡率は27.3%であることが明らかになっています。
4頭に1頭が死亡していることになります。
飼育されているときだけではありません。
野生から捕獲されるときも、イルカは激しいストレスにさらされます。
多くのイルカは海から連れてこられます。水族館で生まれたイルカは少ないです。
全国の水族館で産まれたバンドウイルカは、約10日以内に死亡するケースがとても多く、1年以上の生存率は約3割とまで言われています(須磨海浜水族園サイトより)
死んだクルも海で捕らえられた野生のイルカです。
捕獲された野生のクジラ目の動物は、その捕獲方法にかかわらず、きわめて高いストレスを引き起こしやすいそうです。
『捕らえようとして追いかけ、また、追跡することは、その結果として、クジラ目の動物にストレスに関係した死をもたらす可能性がある。
度をすぎた激しい運動が筋肉組織や心臓の組織の損傷を招き、ショック、麻痺、死、あるいは長期の病的状態を引き起こす可能性があるのだ。』(2003年のIWCの報告)
他のイルカが、水槽の外に飛び出してしまったクルのそばに集まっています。
心配しているように見えます。
同情心は人間だけに限定されるものではありません。
ゴンドウイルカは仲間意識が強く、飼育員が仲間に餌をあげているのを見て勘違いして、飼育員に噛み付くこともあるそうです。
ハワイの海洋公園ではバンドウイルカのキコとホクが飼育されていたそうです。
ホクが死んでしまったあと、キコは目を閉じて何も食べなくなったそうです。
メスイルカは、他の母イルカの子供の乳母の役をすることも知られています。
母イルカが狩に出ている間、乳母役のイルカが子イルカの世話をするのです。
イルカは、海藻で仲間とキャッチボールをします。
海底の若いオスのイルカの死体の周りに、20個体ほどのイルカが行ったりきたりしている様子も観察されています。
日本では600頭のイルカが水族館で飼育されています(「日本の施設で飼育されているイルカたち」より)
私たちは、私たちと同じように感受性があり社会生活を営む動物を、野生から引き離し閉じ込め、商売の道具にすることをやめていかなければなりません
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水族館側は、「死因は水槽から飛び出したことではなく、別の病気だ」と主張しているようですが、そりゃそう言うでしょうね。
水槽から飛び出したことが原因であっても、認めると色々と都合が悪かったはずです。
仮に病気で死んだとしても同じこと。
水族館というイルカにとって不自然な環境が、ストレスを招き、病気につながったと考えられます。
プールから飛び出す現象は世界の水族館で見られ、イルカの自殺行為と考える人もいます。
クルが水槽から飛び出したのも、精神を病んでいたことが原因かもしれません。
少なくとも水族館という場所が、イルカショーというものが、クルを水槽から飛び出す事故を招いたのは間違いないわけです。
この水族館は、どうやら2013年にも同様の転落事故を起こしているようです。
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"イルカのモモ、落ちちゃった 海洋博公園"
海洋博公園で人気のイルカショー「オキちゃん劇場」で20日、イルカ1頭が水槽の外に転落した。
同公園によると転落したのはオキゴンドウのメス、モモ。
同劇場はショーを中止したが、モモは事故後も食欲はあり問題はないという。
同劇場では2010年にも同様の事故があったという。
同公園動物管理チームによると、モモは飼育10年目で、体長は3メートル85センチ、体重は430キロ。
午後4時に始まったショーの最中、他のイルカとじゃれ合っていたが勢い余って観客席側のガラスの壁を乗り越え、
約1メートル50センチ下にある緩衝用マットの上に落ちたという。転落後、職員が別の水槽に移して体調を見ている。
イカやシシャモなどを食べ、食欲もあるという。
同チームでは「エスカレートし、トレーナーの指示を聞かなくなった」と話している。
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海洋博公園とありますが、海洋博公園の施設の中の1つが、沖縄美ら海水族館です。
イルカの「モモ」が水槽から転落しました。
おそらくHPで紹介されている、この子だと思います。
また名古屋水族館では、イルカショーの練習中に、イルカの「サラ」が水槽から飛び出し、死亡しました。
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6月4日、名古屋港水族館でイルカショーの合間の練習中に、カマイルカのメスが水槽から飛び出し、死亡したそうだ。
死んだのは、太地で捕獲され、2008年に名古屋港水族館に入れられた
「サラ」(推定17歳)で、翌2009年にメスを出産、このときも一緒にショーに
出ていたようだ.
何とも痛ましい話だ。
もともと、カマイルカは外洋性のイルカの中でも特に活発だといわれる。
泳ぎ方も早いし、ブリーチングを頻繁に行い、自然界でも空中で回転を行ったり宙返りを行う(マーク・カワーディーン著「クジラとイルカの図鑑」)。
カマイルカは、体の鮮やかな白黒の模様と活発な動きで、水族館で人気があり、2008年に捕獲が許可される前は、定置網にかかった個体を「保護」名目で水族館飼育することが常態化し、水産庁が捕獲を後付けしたと思われる種だ。
こうした活発なイルカを狭いコンクリートの水槽に閉じ込めつつ、本来大好きな宙返りや回転をさせるわけだから
事項が起きてもそう不思議はない。
させる水族館だけでなく、「豪快」なショーを見たがる人たちがいることが残念だ。
一応名古屋港水族館の水槽は日本でも最大級なのだから、他の水族館でも事故はいつでも起きうる。
これまで、内密に飛び出し事故の情報は何件か送られてきていたが、
「さすが」名古屋港水族館、こうした情報も一般公開するようだが、同水族館だけに対して不備を責めるのは間違いというものだ。
昨年7月に、美ら海水族館でオキゴンドウがやはりショーの最中に飛び出したという動画は海外のサイトで
見つけられるし、
また、アメリカでも2008年、オーランドのディスカバリーコーブという水族館で、ショーの最中
2頭が空中衝突してしまい、そのうちの1頭が死亡したという記事が出ている。
狭い飼育施設への閉じ込めと、その「ストレス解消」と称するショーにより、イルカたちが災難を被っていることを
せめてこの不幸な事件の教訓としたいものだ。
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ちなみに、名古屋水族館では今年4月10日に
ベルーガの「タアニャ」がプールの人工岩に激突して死亡しています。
名古屋水族館は分かっているだけでも事故で2匹殺しています。
水族館という狭く不自然な環境に閉じ込め、
イルカショーという不自然な動きを強制し続ける限り、このような事故はなくならないでしょう。
モモは不明ですが、クルとサラは、元は野生のイルカで、捕獲されたイルカでした。
イルカは、太地町のイルカ追い込み猟によって捕らえられます。
バンガーと呼ばれる、この鉄の棒を
カンカンと叩いて、イルカの不快な音を海に大音量で流します。
イルカは聴覚がすぐれているため、この音から逃れようとします。
猟師たちはこの性質を利用し、どんどん入り江に追いやっていきます。
そして 入り江まで追い込まれ、捕まってしまうのです。
追い込まれたイルカは、水族館向きか、そうでないかが選別されます。
水族館に不向きのイルカ達はその場で殺されます。
殺すときは、イルカのせきずいを尖った棒で刺し、ねじり込みます。
そして、長きにわたって苦しんだ後、絶命します。
イルカがパニックで岩に激突した後や、殺された後の海は、血で真っ赤に染まります。
水族館に不向きのイルカはこうして殺され
水族館向きのイルカは、生体販売用として捕らえられます。
そして、まずは太地の生け簀で、餌でコントロールされながら、頭や体を踏まれたりしながら調教されます。
そして、水族館に売り飛ばされ、永遠にせまいプールに閉じ込められ、芸をさせられます。
そして、この水族館向きか、そうでないかの選別作業を行うのは、イルカトレーナーです。
トレーナーたちは、自分達に選ばれなかったイルカが殺されることは知っています。
命を犠牲にすることに慣れきったトレーナーたちは、
選別作業の際も緊張感はなく、笑いながら和気あいあいと作業を行っています。
タアニャも、元は野生のベルーガで、ロシアで捕獲されました。
ベルーガは、北極海など寒い海域に生息しており、日本では捕獲できないため、ロシアから輸入します。
ベルーガは、巻き網猟によって捕らわれます。
27:35あたりから、捕獲され、苦しむシロイルカの様子が映っています。
メディアの影響で、太地町の追い込み猟は「伝統」であり、「食文化」のために行われていると洗脳されている人が多いと思いますが、それは嘘です。
4:57頃から。
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イルカ猟は、1969年に、太地くじらの博物館がイルカを生体展示して客を呼ぼうとして、始まった猟。
今年で53年目。
日本政府や太地町が言っている400年の歴史があるというのは嘘。
400年前に古式捕鯨というのをやってたらしいが、その古式捕鯨の伝統は受け継がれていない。
古式捕鯨というのは、ふんどしをしめた男たちが、手漕ぎのボートで、
太地町沖を回遊しているクジラを、銛で刺して、網を張って行く手を阻んで捕まえていた。
そんなことやっている人は今誰もいない。
太地町の捕鯨船は「第七勝丸」というのが1そうあるだけで、基本的に北西太平洋とかかなりの沖の方でやってる。
第七勝丸の先っぽには、ハープーンといって、手元のスイッチで爆発して銛が飛んでいき、クジラを刺し殺す。
昔の古式捕鯨というのは、伝統的に受け継がれていない。
追い込み猟も、その方法とは全然違う。
だから、伝統とか文化とかそういうものではなく、1969年に始まった新しい生体販売のビジネス。
1960年代は、アメリカのホームドラマの「フリッパー」が大ブームになった。
これが世界中で広がり、イルカ売れば儲かる、イルカ展示すれば客がくるということで、
水族館やイルカショーが始まった。
そのため、1960年代~70年代に、日本でも水族館ができた。
食肉用のイルカは、1頭あたり、1万5000円~5万円。
生体販売するイルカの場合は、1頭あたり、100万円~150万円の間で取引される。
今シーズン殺された498頭のイルカは、5万円で計算すると、合計で2490万円。
生体販売用に捕獲された65頭のイルカは、150万円で計算すると、合計で9750万円。
つまり、生体販売のためにやっていて、いらないイルカを殺して食肉にしているだけ。
猟に出た時に、燃料代や人件費がかかってるから、見つけたイルカはとりあえず追い込んで殺しているが、メインは生体販売。
今年津波があって生け簀が壊れて、イルカが逃げたり死んだりした。
生け簀が壊れてから4~5日間、猟に出ていない。
なぜなら、イルカを見つけて追い込んでも生け簀がなかったら入れるところがないから。
イルカを見つけても殺して食肉にするしかなく、儲からないから、生け簀を作っていた。
そして、生け簀を作ってから猟に出た。
つまり、追い込み猟が生体販売のためであるという証明。
もし、誰も水族館に行かなくなり、生体販売がなくなればどうなるのか。
今シーズンは
食肉の2490万円と、生体販売の9750万円。
合計で、1億2240万円の収入。
猟師は12人だから、12で割ると、1人あたり1020万円。
追い込み猟は6か月だから、6で割ると、1か月あたり170万円が給料。
結構な儲け。
だから6か月だけ働いて、あとの6か月は仕事しないで、旅行に行ったり趣味をしたりする。
ところが、もし生体販売がなかったら、食肉の2490万円の収入だけ。
12で割ると、1人あたり207万5000円。
6で割ると、1か月あたり34万5833円が給料。
この34万の給料から、組合の雇っている補助の猟師を雇ったり、燃料費を出さなければならない。
元イルカ猟師に聞くと、燃料費(軽油)は、1日50~60リットル使う。
軽油は安めに見て、1リットル104円。
1か月で、104円×60ℓ×30日=18万7200円
だから、月収34万5833円-燃料費18万7200円=15万8633円
の収入にしかならない。
これでは猟はやっていけない。
つまり追い込み猟は、生体販売が重要な猟。
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「追い込み猟」は、イルカを生きたまま捕らえるための、生体販売が目的の猟です。
食用に捕らえることが目的なら、別に、「突きん棒猟」といって、泳いでいるイルカを上から突き刺して殺す猟があります。
以下は、イルカではありませんが、サメを上から突き刺している動画です。
食文化だと言うのであれば、突きん棒猟の方が、最初から殺して食用に捕獲する猟であるため、筋が通っています。
それに海の上で行う猟ですから、誰にも見られず批判されることもありません。
しかし、太地町の猟師たちは、あえて追い込み猟を行っています。
それは、生きたまま捕らえたいから。
すなわち、生体販売をしたいからです。
なぜなら、生体販売をすれば儲かるからです。
つまり、追い込み猟は伝統でも文化でもなく、金儲けのために行っているんですね。
つまり、儲からなくなれば、ただちに追い込み猟は終わります。
つまり、水族館がなくなれば、追い込み猟は終わります。
つまり、この追い込み猟によるイルカ達の虐殺を支えているのは、
やはり水族館に行き、イルカショーを見るあなた方なのです。
一部の人間の金儲けのために、イルカは追い込まれ、殺されます。
仮に選ばれても、餌でコントロールされながら、体を踏まれたり、
臓器に負担がかかるにも関わらず、陸にあげられたりしながら、芸を調教されます。
そして、狭い水族館で、人間好みの芸をやらされる一生を送ります。
1日65kmを泳ぐイルカが、家族と引き裂かれ、狭い場所に閉じ込められ、延々芸をやらされるわけです。
選ばれて殺されなかったとて、ただの奴隷でしかなく、幸せでも何でもありません。
犬猫の生体販売反対とか言いながら、水族館に行って、イルカの生体販売の支援をしていませんか?
悪徳ブリーダーを非難しておきながら、
水族館に行って、悪徳水族館、悪徳トレーナー、悪徳猟師たちの支援をしていませんか?
生体販売をなくさない限り、猟師たちは儲かるので、追い込み猟がなくなることはありません。
そして、水族館がある限り、生体販売は行われます。
すなわち、消費者がこの問題に気づかず水族館に行く限り、イルカ達の地獄は永遠に続きます。
今期の追い込み猟は終わりましたが、また9月になれば再開します。
イルカを殺しているのは、水族館に行くあなたです。
水族館に行くのをやめてください。
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