『水槽から飛び出したイルカ』 沖縄・美ら海水族館のクル | めー子のブログ

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転載:ふみふみさんブログより
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2010年に沖縄美ら海水族館のイルカショーで、大勢の観客の前で水槽の外に飛び出したオキゴンドウのクルは、その後どうなったのか。
http://www.dailymail.co.uk/news/article-1293379/Shocking-moment-dolphin-leaps-tank-marine-show.html#ixzz0tHf1aoiM
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翌年死んだそうです。
沖縄美ら海海水族館の人は「死因は水槽から飛び出したことではなく、別の病気だ」といわれていました。
死んだのは、水族館へきて7年目だったということです。
水槽から飛び出したのも、病気で死んだのも、同じ原因のように思えます。
はげしいストレスは肉体を侵食し、死に至らしめます。
イルカは海を自由に泳ぎ回るのであって、ぐるぐると水槽の中を泳ぐ生き物ではありません。
100キロ平方メートルもの行動範囲を持ち、時速4、50kmものスピードで泳ぐイルカにとって、水族館はいったいどれくらい狭かったでしょう。
ある水族館は、イルカ類の飼育には「深さより、表面積が必要」と言っています。しかし100平方キロメートルもの表面積を用意できる水族館はありません。
自然界でのイルカの寿命は30年以上。しかし水族館でのイルカの寿命は7年とも5.5年とも言われています。
全国で、一番たくさんイルカを飼育している、太地町立くじらの博物館(36頭飼育 2013年度データ)でのイルカの寿命は4 年3 カ月と算出されました。(太地町立くじらの博物館のイルカの平均寿命は、2000年~2006年の詳細な記録を基にエルザの会が算出したもの)
また2009年の太地町議会での一般質問で、2008年度のくじらの博物館のイルカ死亡率は27.3%であることが明らかになっています。4頭に1頭が死亡していることになります。

飼育されているときだけではありません。野生から捕獲されるときも、イルカは激しいストレスにさらされます。
多くのイルカは海から連れてこられます。水族館で生まれたイルカは少ないです。全国の水族館で産まれたバンドウイルカは、約10日以内に死亡するケースがとても多く、1年以上の生存率は約3割とまで言われています(須磨海浜水族園サイトより
死んだクルも海で捕らえられた野生のイルカです。捕獲された野生のクジラ目の動物は、その捕獲方法にかかわらず、きわめて高いストレスを引き起こしやすいそうです。
『捕らえようとして追いかけ、また、追跡することは、その結果として、クジラ目の動物にストレスに関係した死をもたらす可能性がある。度をすぎた激しい運動が筋肉組織や心臓の組織の損傷を招き、ショック、麻痺、死、あるいは長期の病的状態を引き起こす可能性があるのだ。』(2003年のIWCの報告)
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他のイルカが、水槽の外に飛び出してしまったクルのそばに集まっています。心配しているように見えます。

同情心は人間だけに限定されるものではありません。
ゴンドウイルカは仲間意識が強く、飼育員が仲間に餌をあげているのを見て勘違いして、飼育員に噛み付くこともあるそうです。
ハワイの海洋公園ではバンドウイルカのキコとホクが飼育されていたそうです。ホクが死んでしまったあと、キコは目を閉じて何も食べなくなったそうです。
メスイルカは、他の母イルカの子供の乳母の役をすることも知られています。母イルカが狩に出ている間、乳母役のイルカが子イルカの世話をするのです。
イルカは、海藻で仲間とキャッチボールをします。
海底の若いオスのイルカの死体の周りに、20個体ほどのイルカが行ったりきたりしている様子も観察されています。

日本では600頭のイルカが水族館で飼育されています(「日本の施設で飼育されているイルカたち」より)
私たちは、私たちと同じように感受性があり社会生活を営む動物を、野生から引き離し閉じ込め、商売の道具にすることをやめていかなければなりません