養鶏業界では、産卵率が落ちて使い物にならなくなり、と殺にまわされる採卵鶏を、「廃鶏」と呼びます。
成鶏と呼ぶこともあり、この言葉だけを聞くとあたかも大人になった鶏のことを指すように聞こえます。
***************一部引用***************
成鶏とは、採卵期間を終えて鶏舎から出される雌鶏のことです。
まだまだ産卵もできて健康ですが、飼育コスト削減などの経済的理由により、と畜、解体されます。
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しかし上記の通り、養鶏業界からすれば、成鶏とは
成長して採卵期間を終えてしまい、儲けを生み出さない 生かす価値のない鶏、という意味合いです。
すなわち、廃鶏と同じです。
上記の説明には、「まだまだ産卵もできて健康」と書いていますが
アニマルライツセンターで保護された廃鶏と、その診察結果を見てみましょう。
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アニマルライツセンターは
国内のバタリーケージ養鶏場から屠殺直前の採卵鶏を引き取り保護し、
2016年4月8日、そのうち3羽を鳥専門医で診察してもらった。
あおい(推定2才)
左足が動かず、体のあちこちの羽根が折れ、皮膚が露出
動かない左足だけでなく、両方の上腕骨(羽の部分)も骨折跡が複数あり、
治療がされなかったため、誤った方向に骨が固まってしまっていた。
他のニワトリと同年齢と思われるが、体重が異常に軽く、体も小さい。
また、レントゲンを撮っても骨がほとんど映らないほど骨密度が低いとのことだった。
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<診断書>
体重 : 1.25Kg
主訴 : 羽が抜けている
結果 : 上腕骨左右とも骨折跡有り
左脛骨骨折跡有り
手根骨の透過性が悪く骨密度が低い可能性あり
診断 : 陳旧化した骨折跡の多さと骨密度から、カルシウム不足が疑われた。
羽に関しては、抜けている羽よりも千切れた羽が多いことから、飼養環境に問題があった可能があると判断した。
(狭い等で羽が擦り切れた可能性を指摘)
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全身の羽が折れ、皮膚が露出しているあおい。
あおいの左足は、骨折したまま治療されずに放置されたため、動かなくなったと考えられる。
へたれて白っぽいあおいのトサカ。
この白さはカルシウム不足と考えられる。
メイ(推定2才)
腹部が大きく腫れている状態
腹部には液体がたまり、その中に何かが浮いていることが分かった。
卵管にレントゲンでは写らない黄身や白身が詰まっているのかもしれず、卵管に腫瘍ができている可能性もある。
腹圧を取らなければ呼吸が苦しくなり、放っておくと死んでしまうこともあるが、
手術した場合、麻酔や手術時間に耐える体力、回復する体力が必要になってくるため、
体力負けで死んでしまう可能性もある。
左尺骨(羽の部分)に骨折跡があり、すでに誤った方向に固まってしまっていた。
腹部の液体を抜くための利尿剤が処方された。
利尿剤の効果が無ければ体力のあるうちに手術するという選択肢もあるが、
手術はせずに日光浴をさせるなどQOL(生活の質)を高めてより良い余生を送らせてあげるという選択肢もあるとアドバイスを受けた。
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<診断書>
体重 : 2.05Kg
主訴 : 腹部膨隆
結果 : エコー検査で腹部には液体が貯留していることを確認した。
レントゲン検査で、卵殻を含む卵材料は確認できなかったが、左尺骨に骨折の跡を確認した。
診断 : エコー検査で液体貯留部の一部に隔壁が確認できたため、卵胞嚢腫と腹水、卵管内液体貯留の可能性が示唆された。
また、レントゲンでカルシウム陰影は確認できなかったが、卵黄や卵白だけの貯留も考えられ、卵材貯留症は否定できなかった。
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膨れ上がった腹をかかえてうずくまるメイ。
苦しいのか、じっとしたまま動かないことが多い。
梅(推定2才)
両足とも動かず、寝たきりの状態
右足は関節脱臼、左足は骨折しており、左足の骨折部分には内出血が見られた。
それぞれ誤った方向に固まってしまっており、骨折跡を治そうとすれば
全身麻酔でもう一度骨を折るという処置が必要になるため修復は困難とのことだった。
また、レントゲンで、異常なカルシウム沈着が見られたことからカルシウム代謝に異常の可能性を指摘された。
起立不能を外科的に治すことが困難なため、QOL(生活の質)の向上に努めて様子を見ることになった。
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<診断書>
体重 : 1.9Kg
主訴 : 起立不能
結果 : 右膝脱日、左大腿骨骨折跡を確認した。
また、腹腔内の恥骨周囲と大腿骨頭、膝関節部にび漫性に粟粒大の石灰(カルシウム)沈着を認めた。
診断 : 起立不能に関しては、右膝の陳旧化した脱日のためで、修復不能と判断した。
胸骨に擦過傷が認められたので、ドーナツ枕等で対処することを勧めた。
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梅の左足は脱臼、右足は骨折し、歩くことは望めないと診断された。
足が動かないため地面を這うしかできない梅。
前に進もうとするがじきに疲れてしまう。
「採卵鶏の一番の問題は卵をたくさん産まされること」
今回廃鶏を診察した獣医師は大学時代、殺処分される150羽ほどの採卵鶏(廃鶏)を解剖したことがあるということでした。
そのうち約9割は卵巣か卵管に疾患があったそうです。
卵詰まりを起こしている鶏もいたし、卵巣嚢腫のような状態の鶏や、卵管に腺がんがあった鶏もいたそうです。
また、骨折や骨密度が低い採卵鶏の、カルシウムの問題についての話もありました。
ほとんどの動物の血中カルシウム濃度は一定に保たれているそうです。
しかし採卵鶏はカルシウムを動員して卵を作ります。
卵の殻のためのカルシウムを使った後で今度は卵管を動かすためのカルシウムを血液中のカルシウムを使ってしまうそうです。
これらを繰り返した結果、餌からきちんとカルシウムを摂取していたとしてもカルシウムを出し入れする機能が狂ってしまうのだろう、ということでした。
鶏は本来ならば一年間に20個程しか卵を産まない生き物です。
それを、よりたくさん卵を産ませようという品種改変の結果、年間300個以上という生き物に変えられてしまっています。
その結果、卵管と卵巣の使い過ぎで、きちんとした分泌も排泄もできず卵管に卵材料がたまってしまうこともあります。
また、卵にカルシウムを奪われ、どれだけカルシウムを摂取してもカルシウムの備蓄機能がうまく働かなくなってしまうこともあります。
そのうえ、本来だったら歩きまわり、多少の高さには飛びあがり、
木の上で寝て、土の上をガサガサやって虫を食べたり草の芽を食べる生き物なのにバタリーケージでは運動量はほぼゼロです。
このような状態では通常の健康状態を保つことは不可能ではないでしょうか。
鶏たちにこのような多大な負担を強いているのは私たちです。
卵の大量消費が続く限り、大量生産は止まりません。
このような傷だらけの鶏たちがとどまることなく産みだされていくでしょう。
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わずか2歳。
廃鶏と呼ばれる彼女たちの状態を一目見るだけで、どれだけ過酷な状況で飼育されているかがよく分かるでしょう。
この虐待を行っているのは、卵を買うあなた達です。
採卵鶏において、卵を産むのはメスです。
オスは卵を産まないので、養鶏業者からすれば、存在するだけで赤字になる邪魔者です。
なので、オスの雛は生まれて間もなく殺されます。
殺し方は、袋に入れて窒息死
圧死
生きたままシュレッダーで粉砕など、残酷な方法で殺されます。
孵化場で、ヒヨコが機械で運ばれる際に、機械のローラーなどに巻き込まれ、体に傷ができたり、ちぎれたり、死ぬことがあります。
メスであっても、弱っている子や、起立困難な子は、処分されます。
採卵鶏は、主にバタリーケージという、非常に狭いケージの中に、ぎゅうぎゅう詰めにされて一生のほとんどを過ごします。
1匹あたりA4サイズ以下の面積で、拘束されます。
このように、隙間に挟まったまま、動けなくなる鶏もいます。
不衛生で、病気になりやすく、
骨折や脱臼に苦しみます。
死ぬことは日常茶飯事です。
90%以上の養鶏場で、この虐待飼育を行っています。
鶏は本来、一日に15000回地面をつついて過ごす生き物です。
しかしケージ飼育のせいで、その欲求を満たすことができず、その欲求不満が仲間をつつくという行為に発展します。
そのため 生後10日までに、デビークといって、くちばしの先を切断されます。
クチバシには神経が通っており、当たり前ですが痛みを感じます。
その後も、慢性的に痛みが継続します。
日本の養鶏場の80%以上で、この虐待が行われています。
— キリ (@Kiri36268982) September 28, 2021
また、卵質や産卵率が低下した際に、約2週間、絶食させ栄養不足にさせる、強制換羽が行われることがあります。
換羽期に羽毛が抜けかわると再び卵を産むようになるという鶏の生態を利用し、卵の質を均一にし、生産効率を上げるために行われています。
ショック療法の強制換羽では、死亡率が上がります。
日本の採卵養鶏の65%以上で、強制換羽が実施されています。
さらに5%の採卵養鶏農家は、絶食させるだけでなく、絶水までさせています。
鶏は本来、年間に数10個しか卵を産まないのですが、品種改良により、300個以上産む体にされてしまっています。
卵は鶏の生理です。
年中、生理がくる体にされているのです。
鶏たちは1日がけで卵を産んでいます。
人間は食べる数分のために、この卵を何個も使います。
この問題は、 平飼いにしても、放牧にしても一切解決しません。
何個も生む体にされた影響で、卵巣か卵管に疾患を抱える子が多くなっています。
卵管と卵巣の使い過ぎで、きちんとした分泌も排泄もできず卵管に卵材料がたまってしまうことがあります。
卵にカルシウムを奪われ、どれだけカルシウムを摂取しても、カルシウムの備蓄機能がうまく働かなくなってしまうこともあります。
廃鶏の約9割は卵巣か卵管に疾患があります。
卵詰まりを起こして、死亡する子もいます。
これらの苦しみを経て、生産率が落ち、使い物にならなくなれば、カゴに詰め込まれます。
動画の通り、乱暴に、雑に、叩きつけられながら、詰め込まれます。
詰め込まれてからの扱いも非常に雑で、足がもげてしまったり、
首がはさまってしまうこともあります。
そして、ぎゅうぎゅう詰めにされ、トラックで屠殺場へ運ばれます。
と殺が翌日に行われる場合は、ぎゅうぎゅう詰めにされたまま、夜間、放置されることがあります。
当然、餌も水も与えられません。
どうせ殺すわけですから、生きてようが死のうがどうでもいいわけです。
品種改良によって卵を産む機械とされた彼女たちは、この状況でも卵を産みます。
下にいる子達は、卵で体が汚されていきます。
何も身動きができませんので、ただじっと耐えるだけです。
痛かろうと苦しかろうと、ただただ惨めにうつむき、耐えるしかありません。
そして最後は、足を吊り上げられ
麻酔なしで首を切られ、出血多量で死亡します。
こうした、数々の苦しみと、犠牲のもとに生みだされたのが、卵です。
レスキューされた鶏たちが、あのような状態になっていても、何ら不思議はないということです。
日本人はすぐに、感謝していただいています、とか言いますが、
このような悲惨な一生を送っても、感謝されたら許しますという変人の方がいらっしゃったら、ぜひ申し出てください。
感謝とか、いただきますなんて、誰でも言える中身のない建前の言葉であり、
そんなセリフを言ってる時点で、思考停止であり、感情のある命と何も向き合っていない証と言えるでしょう。
犬猫は虐待されたら可哀相だけど、鶏は虐待されても、感謝すれば苦しまないとでも言うのでしょうか?
悪徳繁殖家を非難しておきながら、悪徳養鶏場は支援し続けるのですか?
鶏も、犬猫と変わらない感情のある生き物です。
羽が折れ、皮膚が露出していたあおいちゃんは、その後、元気になったようです。
2017年1月以降の詳細は不明です。
お腹が膨れ上がったメイちゃんは、2016年9月13日に死亡しました。
4月8日レスキューされたので、わずか5か月ほどで死にました。
両足骨折で寝たきりの梅ちゃんは、回復困難だと思われていましたが、自力で立てるようになりました。
2017年1月以降の詳細は不明です。
以前紹介した、2021年に救出された採卵鶏のリリちゃん。
今はすっかり回復し、自由を満喫しているようです。
人間は卵を食べなくても生きていけます。
・ 菜食の始め方
・ 人間の体と食べ物
美味しいという欲だけのために、卵を食べるのをやめてください。
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2/8
イルカが追い込まれました。