これはちょっと汚い話なので、お食事中の方はお控えください。

 

其の一

其の二

其の三

其の四

 

 

さて、目標地点までの到達時間の算出が出来たら、次は頭の中にゲージを描く。

 

スマホやパソコンでもよくあるシークバーを脳内に作成する。

 

算出した目標地点までの到達時間が10分であれば、30秒単位でシークバーを増やしていく。

 

ここで注意点が一点ある。

 

シークバーを増やす単位は、細かくても粗くてもよくない。

 

適度な感覚でシークバーを増やす必要がある。

 

だいたい、20分であれば、1分単位。

 

10分であれば、30秒単位。

 

5分であれば、15秒単位。

 

20メモリを目安にしておくといい。

 

 

もし、算出した到達時間が30分というのであれば、これはかなり厳しい戦になる。

 

経験上、敵の攻撃を凌ぐのは20分がデッドラインだ。

 

20分を超えるようなら別の手段を講じる必要がある。

 

 

当然ながら、シークバーを動かすに連れ、思考は回らなくなる。

 

腹に激痛が走り、冷汗が噴き出て、何度となく心が折れそうになる。

 

そうなると、論理的な思考など到底できるものではない。

 

なので、ただただシークバーを動かすことにだけ集中する。

 

僕の経験上、シークバーの進捗が55%を超えればほぼ勝利確定だ。

 

これはどういうことかというと、50%を超えた時点でまだシークバーを動かす余力があれば、残り半分は凌ぎ切れるのだ。

 

人間の身体は精巧に創られている。

 

終わりの見えない闇には絶望を覚えるが、見えるところに光があれば希望を持って前を向くことができる。

 

とはいうものの、丸腰ではいけない。

 

これは尊厳を掛けた戦いである。

 

決して楽な道のりなどない。

 

特に電車であれば、電車を降りてからは比較的優位に進められるが、電車が動いているうちは完全なるアウェイ。

 

圧倒的不利な戦力で逃げ場のない戦を強いられているというプレッシャーに打ち勝つ精神力が必要となる。

 

 

つづく