東日本大震災 報道記録写真から被害を読み解く意見交換会(7月14日午後2時そなエリア東京にて)
東日本大震災を受け、研究機関や技術企業、報道機関をはじめ様々な方が現地
に赴き、被害状況記録を撮られた方も多いと思います。一方で、今回の震災は、
被害が広域でかつ、地域により被害の状況が大きく異なることから、被害全体を
包括的に把握するために現地をくまなく調査することは非常に厳しい状況です。
そこで、本企画では、発災翌日から被災地を横断的、かつ継続的に調査し、数
々の記録写真を撮影された報道カメラマン・冨田きよむ氏と地震工学、土木工学
分野の専門家による、報道記録写真をもとに被害を読み解く意見交換会を開催い
たします。
冨田カメラマンは、これまで国内の災害のみならず、四川地震の際にも現地に
赴いています。当日は、記録写真から過去の大災害と東日本大震災との比較につ
いても触れます。
■日時:7月14日(木)14:00~16:00 (開場13:30)
■場所:そなエリア東京 2F レクチャールーム
東京都江東区有明3丁目8番35号 りんかい線 国際展示場駅より徒歩4分
ゆりかもめ 有明駅より徒歩2分
http://www.ktr.mlit.go.jp/showa/tokyorinkai/information/access.htm
■定員:80名
■主催:東京臨海広域防災公園
共催:公益社団法人土木学会地震工学委員会(防災企画推進小委員会)
企画協力:株式会社レスキューナウ危機管理研究所
■プログラム
意見交換会(14:00~16:00)
登壇者 冨田きよむ (報道カメラマン)
武村雅之 (株式会社小堀鐸二研究所 副所長)
山本一敏様(パシフィックコンサルタンツ株式会社
首都圏統括本部複合技術センター 耐震技術推進チーム
チームリーダー)
--登壇者プロフィール--
冨田きよむ
1958年 北海道で生まれる。
現在、おもに日本国内外における大規模災害取材、農業、地方の
人々の暮らしを中心に、月刊誌、週刊誌、通信社で活動している。
武村雅之
(株)小堀鐸二研究所 副所長
現在までに、日本地震学会、日本建築学会、土木学会、理事、委員
日本地震工学会、歴史地震研究会の副会長、
中央防災会議専門委員、などを務める。
2007年度 日本地震学会論文賞受賞
■参加申し込み
・事前申し込み(当日受付可)
・参加費:無料 (別途資料代実費2,000円程度)
※意見交換会で使用した写真の電子データを提供します。
事前に必要な方は、お申込時にご連絡下さい。
ダウンロード用URLをご案内します。
資料代は参加時にお支払い下さい。
当日ご希望される方は会場のスタッフにお申し付けください。
URLをお渡しいたします。
■参加申し込み・お問い合せ
下記メールアドレスに氏名・所属を明記にて参加申し込みお願い致します。
東京臨海広域防災公園管理センター
担当:村井、喜田
TEL 03-3529-2180
E-mail :info-bousai@seibu-la.co.jp
土木技術者の責任
震災から1ヶ月がたった今もなお、行方不明者の捜索活動が行われている被災地。現地の状況を視察した結果から、土木技術者としての所感を記す。
●先人の教訓と現代の社会構造
今回の震災で一躍有名になった話題に仙台市若林区霞目にある「浪分(なみわけ)神社」の存在がある。仙台市によると、一帯は標高が低く、昔から津波や洪水の被害が大きかった。
慶長16年(1611)の慶長大津波では神社のある霞目まで水が押し寄せ、1,700人を越える死者を出したことから、天保期に、慶長の大津波が二つに分かれて引いた場所に稲荷社を移し、津波よけの神社とした。
今回の津波は、神社より海側に構築された現代社会に被害をもたらした。
浪分神社
●生きる知恵
現代社会は、明治以降の人口増加により、災害発生の危険性が高い地域にも生活の基盤を構築し続けてきた。
南三陸町では、津波から生き残るための現代の知恵として、沿岸部の堅牢な施設を津波避難ビルとして指定している。写真の津波避難ビルは、4階建ての町営住宅で、港空研の調査結果によると4階天上下まで浸水し津波痕跡高は15.87mに達したが、施設は津波に耐え抜いた。生活文化の延長線上にある形で教訓が活かされた証である。
先人は、神社や石碑といった生活文化の形で我々の生きる現代社会に警鐘を鳴らしてきた。
現代社会は、慶長・明治・昭和の三陸大津波による教訓を宮古市田老地区で総延長2,433m、T.P.+10.0mの防潮堤を築くことにより後世に伝えようとした。先人との明らかな違いは、生活文化の延長線上にない方法で背伸びをして、教訓を活かそうとしたことにある。
この教訓は、残念ながら多くの犠牲者を生み出す結果となった。
●土木技術者の責任
ハムラビ法典では、建築家の責任を次の様にしている。
・建築家が建てた建物が倒れて家主を殺した場合、建築家も処刑される。
・建築家が建てた家が壊れ、住んでいる人が腕を折ってしまった場合、その建築家の腕を折る。
・住んでいる人の子供が足の骨を折ってしまった場合は、建築家の子供の足を折る。
土木技術者の責任とは、かくも重い。我々土木技術者は、「先人の知恵」を活かし、今回の震災経験を「後生への知恵」となるよう使命感を持って精進せねばならない。
東日本大震災 千葉県浦安市の被害
4月2、3日の2日間にかけて、香川大学危機管理研究センターの調査団として千葉県浦安市、銚子市、旭市の被害を調査してきました。
目的は、南海地震が発生した場合、香川県における被害はこの度の東北地方における震災の激震地というよりは千葉県における被害が参考となるとのことで、主に液状化被害と津波被害を調査いたしました。
浦安では、新浦安駅周辺を中心に調査致しました。
写真右側に移っている黒いうねは液状化による噴砂です。
まるで雪かきのあとのようでした。消防の方や若いボランティアの方が懸命に噴砂の除去にあたっていました。
現地では、細かな粒子の噴砂により、マスクが必須な状況でした。
これでは、洗濯物や布団を干したりなどが厳しい状況で、居住者の方の健康面への影響が気になります。
私は5時間程しか現地を歩きませんでしたが、目、喉の痛みと肌への刺激を感じました。
液状化による直接的な人的被害は発生しませんが、生活の継続には大きな影響を及ぼします。
歩道や道路脇の植え込みには、このような噴砂が多く見られました。
液状化の被害は、番地単位で異なっていました。
写真左側が歩道、右側が建物ですが、左側が著しく沈降しています。
施工境界が液状化被害の境界となっていることがよくわかります。
応急対策として塩ビ管が挿入されています。
このような状況が至るところで見られます。
明海南小学校近くの公園です。地盤には、段差及び開きを伴うひび割れが発生しています。
公園にいた子どもたちに話を聞くと、「液状化で地面からばーっと噴水が出た」とのこと。「液状化」という言葉が子ども達の中で普通に使われていたのが印象的でした。
海側が15cmほど沈降、30cmほどの開きがあります。
今回の調査で実感したのは、液状化被害=生活被害ということです。
地盤被害による上下水道の途絶に加えて、噴砂がこれほど生活に影響するとは想像していませんでした。













