講演ネタ 人手不足の嘘1 | 秋山のブログ

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新しい企画として、一般の人を啓蒙する講演のネタを考えてみたい。内容としては以前書いたものの焼き直しである。初音ミクをとりあえず使用する。

 


 

先頃、国会で厚労省の出した一般労働者と裁量労働者の残業時間の比較が不適切だという話が話題になりましたが、ご存知でしょうか。この件に限らず、官僚や御用学者は世論を誘導するために、恣意的なデータを発表することがしばしばあります。私達は、どのような政策が望ましいか判断するために、データを正しく評価する力を養っていかなくてはいけません。
 評価する力を養うことは一朝一夕ではできませんので、今回はその取っ掛かりとして、多くの人が信じ込んでいる「人手不足」という嘘について説明していこうと思います。
先ずこのグラフを御覧ください。総務省がホームページで公表しているものです。日本の人口と各年齢層の割合の推移のグラフです。高齢化率が上がっているのが分かりますね。
 
国民に増税や保険費の増額を強いる理屈として、『昔は老人一人を20人で支えていたけれど、老人が増えたので3人で一人の老人を支えなくちゃいけなくなるから負担が増える』とかいうものがあります。老人を支えるために、もっと労働力が必要といった話に繋がることもあります。
しかしこれは、老人の部分を強調することによる詭弁です。労働力の問題として、大変なことはおこっていません。
もう一度グラフを見てください。寿命が延びたので老人は増えていますが、全体に対する労働年齢層(緑)の割合には大きな変化はありません。すなわち労働者一人当たりが供給する必要がある生産物やサービスの量に大きな変化はないのです。
ここで生産についてちょっと説明します。
 大昔人類は日々の食料を調達することも大変でした。しかし科学の進歩により、多く生産できるようになっていきます。その結果一人で何人分もの食料を生産できるようになって、食料以外のモノを供給する余裕も出てきました。経済が成長するにともない第一次産業の割合が減って、第二次産業が増える。そして第二次産業も減って第三次産業が増えるといった現象は、各国で観察されています。
これを理解していれば、日本において人手不足などおきないはずであることが分かるはずです。労働者人口が減っていると言っても、グラフが示すように現在まではそれ程減ってはいません。少なくとも、以前はほとんど専業主婦だった女性の多くを働かせなくてはいけない程の人手不足にはならないはずです。
しかし最近は毎日のように、人手不足に関するニュースが報道されています。そして実際に人手不足の業種もたくさん存在しています。いったいこれはどういうことなのでしょうか。
それに関しては次回説明します。
今回はここまで。