『脳の栄養になる物質は、ニコチンと糖分の2つしかないとされている』
こんな噂、聞いたことありますか?
ご存知の通り、ニコチンは依存を招き、
結果的に体の各所に悪影響を及ぼす、
いわば『毒』のような物として有名なのですが、
一方で、アルツハイマーの治療現場では、
『薬』のように用いられることもあるのだそうです。
『栄養』と表現されると、ややイメージが違う気がしますが・・・
『ニコチンは脳の栄養足りうるか?』
『脳の栄養になる物質は、
ニコチンと糖分の2つしかないとされている』
という文言は、どうやら『愛煙家通信』という雑誌に載っていたようなのですが、
実はこれはのっけから間違っています。
『ニコチン』が脳の栄養か否かは置いておいても、
脳がエネルギーとしている栄養素の『ブドウ糖(糖分)』の他、
炭水化物が不足した時に肝臓で作られる『ケトン体』。
記憶力が向上すると言われる『レシチン』『DHA』『EPA』。
集中力が上がる『ポリフェノール』。
更には、様々な『抗酸化物質』は脳の老化予防に効果的とされています。
大方、これらは脳にとっての栄養と言っても良い
と思われます。
『2つしかない』と言う表現は、的確ではないですね。
しかし、これらの物質に習って言うのなら、
『ニコチン』は脳に興奮作用や鎮静作用を与え、
ごく短く瞬発的に、ある特定の人間の集中力を高めます。
この効果は『レシチン』や『ポリフェノール』と同じ。
つまり見方によれば『脳の栄養』と呼ぶことが出来るのかもしれません。
が、問題はこれが特定の人間のみへの作用であるということ。
もちろん、この場合の特定の人間というのは、
『常習的な喫煙者』を指します。
ご存知の通り、ニコチン依存を起こしていない非喫煙者が、
煙草を吸ったとしても、普通は頭がボンヤリしたり、目眩を起こしたりして、
とても脳にとっての栄養などとは言えない状態となります。
これは喫煙者さんもご存知でしょう。
ほとんどの喫煙者は初期の頃、「頑張って喫煙」を繰り返すことで、
脳がニコチンを受け入れるように、慣らして行きます。
つまりは、この鍛錬により、脳が変容しない限り、
ニコチンは脳にとっての栄養となり得ない証しです。
また効果も短く、30分もすればヤニ切れを起こし、
非喫煙者と比べても著しく集中力が低下してしまうのもご存知の通り。
その為、彼らは栄養補給のために、まめな一服タイムが必要なわけですね。
しかし一方で、このように『ニコチン』は、
普通の健康的な人の脳を変化させてしまうわけですから、
アルツハイマーの患者さんの脳にも何らかの影響を与えても不思議はありません。
2010年12月には、
金大医薬保健研究域薬学系の研究グループが、
『動物の脳細胞にニコチンを加えると、神経細胞ができる割合が増加した』
という研究を発表したそうです。
神経細胞が増えるということは、
『栄養』として成立するような気がしますが、どうでしょう?
しかし、この研究グループは同時に、喫煙によるニコチン摂取は、
メリットよりデメリットの方が遥かに多いとしています。
これは喫煙はニコチンのみならず、一酸化炭素を多く体内に取り込み、
一酸化炭素が赤血球中のヘモグロビンと激しく結び付くことで、
脳に酸素が十分に運ばれずに、
酸欠となり脳細胞を破壊することの影響と思われ、
また、ニコチン自体の有毒性、血管収縮作用を伴うことからも、
治療に用いるのは課題が多いとしています。
これだと何となく『栄養』と言うより
『副作用のある薬』に近いのでしょうか?
まとめると、どうやら『ニコチン』は喫煙者にとっては、
能力を発揮するために必要なもの。
つまりは『栄養』なのかもしれません。
しかし、全人類にとって必ずしも不可欠な『栄養』かというと、
全くそんなことはありません。
無くても生命には何の支障もないし、
むしろ無い方が、未成年を含め身体は健全に成長するでしょう。
そして更に言うなら、この『ニコチン』を栄養素として、
必要になってしまった心身の状態を『ニコチン依存』。
そうなった人を『ニコチン依存者』と言うのではないでしょうか。
かつての私もそうでした。
金欠の時でも、本来、体の栄養となるはずの飲食物を我慢してまで、
タバコを購入していたものです。
つまり『ニコチンは栄養』。
喫煙者からすれば、その事態は事実なのかもしれませんが、
これを万人の脳に必要な栄養である『糖分』と並び称すには、
やや役者不足な気もしますが・・・
みなさんは、いかがお感じになったでしょうか?
こんな噂、聞いたことありますか?
ご存知の通り、ニコチンは依存を招き、
結果的に体の各所に悪影響を及ぼす、
いわば『毒』のような物として有名なのですが、
一方で、アルツハイマーの治療現場では、
『薬』のように用いられることもあるのだそうです。
『栄養』と表現されると、ややイメージが違う気がしますが・・・
『ニコチンは脳の栄養足りうるか?』
『脳の栄養になる物質は、
ニコチンと糖分の2つしかないとされている』
という文言は、どうやら『愛煙家通信』という雑誌に載っていたようなのですが、
実はこれはのっけから間違っています。
『ニコチン』が脳の栄養か否かは置いておいても、
脳がエネルギーとしている栄養素の『ブドウ糖(糖分)』の他、
炭水化物が不足した時に肝臓で作られる『ケトン体』。
記憶力が向上すると言われる『レシチン』『DHA』『EPA』。
集中力が上がる『ポリフェノール』。
更には、様々な『抗酸化物質』は脳の老化予防に効果的とされています。
大方、これらは脳にとっての栄養と言っても良い
と思われます。
『2つしかない』と言う表現は、的確ではないですね。
しかし、これらの物質に習って言うのなら、
『ニコチン』は脳に興奮作用や鎮静作用を与え、
ごく短く瞬発的に、ある特定の人間の集中力を高めます。
この効果は『レシチン』や『ポリフェノール』と同じ。
つまり見方によれば『脳の栄養』と呼ぶことが出来るのかもしれません。
が、問題はこれが特定の人間のみへの作用であるということ。
もちろん、この場合の特定の人間というのは、
『常習的な喫煙者』を指します。
ご存知の通り、ニコチン依存を起こしていない非喫煙者が、
煙草を吸ったとしても、普通は頭がボンヤリしたり、目眩を起こしたりして、
とても脳にとっての栄養などとは言えない状態となります。
これは喫煙者さんもご存知でしょう。
ほとんどの喫煙者は初期の頃、「頑張って喫煙」を繰り返すことで、
脳がニコチンを受け入れるように、慣らして行きます。
つまりは、この鍛錬により、脳が変容しない限り、
ニコチンは脳にとっての栄養となり得ない証しです。
また効果も短く、30分もすればヤニ切れを起こし、
非喫煙者と比べても著しく集中力が低下してしまうのもご存知の通り。
その為、彼らは栄養補給のために、まめな一服タイムが必要なわけですね。
しかし一方で、このように『ニコチン』は、
普通の健康的な人の脳を変化させてしまうわけですから、
アルツハイマーの患者さんの脳にも何らかの影響を与えても不思議はありません。
2010年12月には、
金大医薬保健研究域薬学系の研究グループが、
『動物の脳細胞にニコチンを加えると、神経細胞ができる割合が増加した』
という研究を発表したそうです。
神経細胞が増えるということは、
『栄養』として成立するような気がしますが、どうでしょう?
しかし、この研究グループは同時に、喫煙によるニコチン摂取は、
メリットよりデメリットの方が遥かに多いとしています。
これは喫煙はニコチンのみならず、一酸化炭素を多く体内に取り込み、
一酸化炭素が赤血球中のヘモグロビンと激しく結び付くことで、
脳に酸素が十分に運ばれずに、
酸欠となり脳細胞を破壊することの影響と思われ、
また、ニコチン自体の有毒性、血管収縮作用を伴うことからも、
治療に用いるのは課題が多いとしています。
これだと何となく『栄養』と言うより
『副作用のある薬』に近いのでしょうか?
まとめると、どうやら『ニコチン』は喫煙者にとっては、
能力を発揮するために必要なもの。
つまりは『栄養』なのかもしれません。
しかし、全人類にとって必ずしも不可欠な『栄養』かというと、
全くそんなことはありません。
無くても生命には何の支障もないし、
むしろ無い方が、未成年を含め身体は健全に成長するでしょう。
そして更に言うなら、この『ニコチン』を栄養素として、
必要になってしまった心身の状態を『ニコチン依存』。
そうなった人を『ニコチン依存者』と言うのではないでしょうか。
かつての私もそうでした。
金欠の時でも、本来、体の栄養となるはずの飲食物を我慢してまで、
タバコを購入していたものです。
つまり『ニコチンは栄養』。
喫煙者からすれば、その事態は事実なのかもしれませんが、
これを万人の脳に必要な栄養である『糖分』と並び称すには、
やや役者不足な気もしますが・・・
みなさんは、いかがお感じになったでしょうか?